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ドロップタップ(DropTap)について、日本コミュニケーション障害学会(第49回)にてポスター発表行いました

2023.07.05
  • 幼児教室(児童発達支援)
  • ステラのとりくみ

2023年7月1日・2日に関西福祉科学大学にて第49回日本コミュニケーション障害学会が開催されました。2日目に、ステラ幼児教室でのドロップタップ(DropTap)活用の取り組みについてポスター発表を行いました。

発表タイトルは、「児童発達支援事業所に通う幼児へのDropTap導入への試み」です。

児童発達支援施設では、自分の意思を相手に伝えることに困難を抱えているお子さんへの療育を行うことも多いです。子どもの表出の手段を検討する中で、AAC機器(拡大・代替コミュニケーション機器)の一つであるDropTapの有用性に注目をしました。DropTapは、NPO法人ドロップレット・プロジェクトが開発し、2,000語のシンボルと音声が搭載されており、使い手によってカスタマイズが可能となっています。現在、全国の教育・福祉・医療の現場で活用されています。

今回は、児童発達支援事業所での幼児の表出支援ツールとしてDropTapの導入の可能性を検討してみました。

<DropTap導入について>
導入開始の昨年9月から今年3月の約7ヶ月間、すべての児がDropTapを継続して使用することが可能で、表出のツールとして理解することが可能でした。「課題選択」「要求」「拒否」の意志表出について、3名が「1回」タップが可能で、5名が2回連続、または、3回連続のタップが可能でした。複数回タップが可能なお子さんのうち1名は、必要なボード選択まで可能でした。

<音声言語表出について>
DropTap導入時から比較して、音声言語表出に変化が見られたお子さんは5名いました。

<行動変容について>
担当指導員への聞き取りから、5名に何らかの変容が見られたことが分かりました。アイコンタクトなど他者への理解についての行動の増加や問題行動の減少が見られました。

今回の試みの結果から、DropTapの児童発達支援事業所へ通うお子さんへの導入は可能であると考えられます。DropTap導入後、一部のお子さんに音声言語表出に変化が見られたという結果から、DropTapが音声言語表出に何らかの影響を与えている可能性が示唆されます。これは、DropTap操作を繰り返すうちに、DropTapで繰り返された音声を模倣するという形から音声言語表出につながった可能性があります。このことは、DropTapがない環境でも意思表示を可能にするという最終目標の設定可能性を高めます。

また、行動変容についての結果から、幼児が自分の意思を何らかの形で表出できる環境を調整することは、他者への関心やストレス対処などの行動に影響を及ぼす可能性が示唆されます。

今後は、DropTap導入例を増やすことにより効果の高いお子さんについての前提条件の傾向や、音声言語表出への移行について検討をしていきます。

ドロップタップdroptapの使い方 視覚シンボルでコミュニケーション

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