トークアクティブについて、小児診療多職種研究会(第9回)にて報告を行いました
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- Talk Active
- 幼児教室(児童発達支援)
2023年2月11日・12日に大阪公立大学にて第9回日本小児診療多職種研究会が開催されました。2日目に、ステラ幼児教室の取り組みについて報告を行いました。
演題は、
「児童発達支援事業所ステラ幼児教室でのTalk Active(トークアクティブ)実施の試み」です。
トークアクティブとは、会話力の促進を目的として、ステラ幼児教室でオリジナルに構成したレッスンです。会話力の促進のために必要な力を「イメージ力」「言語力」と捉えました。
トークアクティブの構成はハイスコープカリキュラムとインリアルアプローチです。ハイスコープとはペリー幼児教育を広めるために作られた財団の名称で、アクティブラーニングを中心とした教育プログラムです。インリアルアプローチとは、言語発達遅滞児に向けて作られた療育プログラムで、当事業所では言語心理学的技法を用いてお子さんの表出を支援しました。
保護者アンケートからは、
「帰宅後にレッスン内容を話してくれるようになった」
「お友達にお願いするときに怒った口調が減少し、言葉が優しくなった」
「遊びながらのコミュニケーションで語彙がどんどん伸びています」
「レッスンで作ったものを家に帰っても説明しながら再現しています」
などの嬉しい成長の言葉をいただいています。
続いて、理解語彙検査(PVT-R)の結果をレッスン前後で比較しました。緑色(レッスン前)と青色(レッスン後)を比較すると、全体としてグラフが右方向にシフトしているのが分かります。これは、聞いて理解できる言葉が増えていることを表しています。また、レッスン前後の結果をt検定にて分析したところ、レッスン前後で有意な差があることが分かりました。
本実施の考察について、以下の通りまとめました。
考察
- ハイスコープカリキュラムを土台としてインリアルアプローチの言語心理学的技法を用いたトークアクティブの導入、実施が児童発達支援事業所ステラ幼児教室で可能となった。
- 会話力の促進を目的として、イメージ力、言語力、内発的動機づけをターゲットとした構成のレッスンが児童発達支援事業所で可能となった。
- トークアクティブで子どもが自分で決めたことに取り組み、楽しかったという経験をすることで、家でもTalk Activeの活動内容を再現している子どもがいたと考えられる。
- 今まで興味のなかったことや積極的に取り組まなかったことでも、トークアクティブでの指導員の働きかけにより、好きになったり主体的に取り組むようになったと考えられる。
- ハイスコープカリキュラムのアクティブラーニングでプランニング力を支援することで、順序だてて、わかりやすく話すようになったと考えられる。また、インリアルアプローチの言語心理学的技法で子どもの表出を支援することで、語彙の増加や説明する力がついたり、自分の気持ちを伝える力に繋がったと考えられる。
この考察を今後の改善に生かしていきたいと考えています。
前回の第8回日本小児診療多職種研究会での報告については、以下URL記事を参照ください。