療育センターとはどんな場所?名古屋市や大阪市についても紹介
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「療育センターってどんなことをしているの?」「うちの子どもも利用できるの?」など疑問を持っている保護者の方は少なくありません。
初めて耳にする言葉に不安を覚えたり、どこに相談すればよいのか迷ったりすることもあるかと思います。
そこで本記事では、「療育センターとはどんな場所なのか」「どのような支援が受けられるのか」に加え、名古屋市や大阪市の実際の療育施設についてもご紹介します。
目次
- 療育センターとは?
- 療育センターはどんな場所なのか
- 療育センターの位置付けや役割
- 療育センターの利用対象は?
- 児童発達センターとの共通点や違い
- 療育センターで受けられる主な支援内容
- 名古屋市の療育センターについて
- 大阪市の児童発達センターについて
- まとめ
療育センターとは?
「療育センター」という言葉を耳にしたことがある方は多くいると思いますが、「どんな場所なのか」「誰が利用できるのか」など、その詳細はよく知られていないものです。
療育センターは、発達に課題のある子どもたちに対して、医療や教育、心理支援などを総合的に提供する専門機関です。
まず本項では、療育センターの仕組みや役割、児童発達センターとの違いについて解説していきます。
療育センターはどんな場所なのか
一般的に、療育センターは発達に遅れや障害のある子どもが、日常生活や社会生活をスムーズに送れるように支援を受けるための施設です。
医療・教育・心理・福祉など、さまざまな専門職が連携し、子どもの発達状況に合わせたサポートを提供します。
たとえば、「言葉の発達が遅い」「人との関わりが苦手」といった困りごとがある子どもに対して、発達のアセスメント(評価)や個別療育、保護者支援などが行われます。
療育センターは、子どもが自分らしく成長できる場をつくるための安心できる拠点です。
療育センターの位置付けや役割
療育センターは、地域※の中核的な療育支援機関としての役割を担っています。
特に児童発達支援センターに指定されている施設は、療育サービスの提供にとどまらず、地域の保育所や医療機関、学校などとの連携を図る「相談と支援の拠点」としての機能も持っています。
主な役割は、以下のとおりです。
●子どもへの発達支援(本人支援)
●保護者の心理的・実践的サポート(家族支援)
●医療面での相談や医療機関との連携(医療支援)
●地域全体との連携支援(地域支援)
これらを通じて、子どもとご家族が地域の中で安心して暮らしていけるよう支えることが、療育センターの大きな目的です。
※地域療育センターとは、児童福祉法(昭和22 年法律第164 号)第43 条に規定する「児童発達支援センター」及び医療法(昭和23 年法律第205 号)第1 条の5 第2 項に規定する「診療所」を一体的に運営する施設であり、さらに順次、地域支援・調整部門を設置しているところです。
地域療育センター等とは市内の地域療育センター及び児童発達支援センターのことを指します。
療育センターの利用対象は?
療育センターは、発達の遅れや障害がある子どもを対象に支援を行う専門施設です。具体的には、以下のような子どもが対象となります。
●発達障害(自閉スペクトラム症、ADHD、学習障害など)がある子ども
●知的障害、身体障害がある子ども
●言葉や運動、社会性の発達に不安がある子ども
多くの施設では18歳未満の子どもが対象となっており、未就学児が多く通っています。ただし、医師の診断がない段階でも、「保育園で集団生活がむずかしい」「言葉の遅れが気になる」といった理由で相談ができる場合もあります。早期の支援が大切なため、不安がある場合は迷わず相談してみましょう。
児童発達センターとの共通点や違い
療育センターと児童発達支援センターは、ともに発達に課題を抱える子どもを支援する施設ですが、役割に少し違いがあります。
療育センターという名称は広く使われることが多く、施設によっては児童発達支援センターに該当している場合もあります。
共通点
・発達障害などをもつ子どもへの支援
・個別療育や集団療育、相談支援などを実施
・保護者へのサポートや助言
主な違い
・児童発達支援センターは、厚生労働省が定める「地域の中核機関」として指定を受けている施設で地域連携の中心的役割を担う
・療育センターは、医療機関や民間事業者、自治体が運営する多様な支援施設の総称として使われることが多い
どちらも、子どもの発達を支えたいという思いに基づいて運営されています。
療育センターで受けられる主な支援内容
「療育センターでは、どんなことをしてくれるの?」という疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
初めて、療育センターを検討される保護者の方にとっては、内容が分からないままだと不安も大きいものです。
ここでは、療育センターではどのような支援が行われているのかを具体的にご紹介していきます。
言葉・運動・コミュニケーション支援
療育センターでは、子どもの発達段階や特性に応じて「言葉」「運動」「人との関わり」などの発達を促す支援が行われています。
たとえば、言葉の発達がゆっくりな子どもには、言語聴覚士による発話練習や、やりとりを楽しむ支援が提供されます。
また、歩行や体の使い方に不安がある場合は、作業療法士や理学療法士が関わり、遊びを通して運動機能を育てていくのも支援の一つです。
子どもが「できた!」と感じられる小さな成功体験を大切にしながら、一人ひとりに合わせた支援が進められます。
発達検査やアセスメント(評価)
療育センターでは、子どもの発達の様子を丁寧に把握するために、発達検査やアセスメント(評価)が行われます。
これは、言葉・身体・社会性・知的発達など複数の領域を専門的に評価し、子どもの得意なことや課題を明らかにするための大切なプロセスです。
代表的な検査には「新版K式発達検査」や「田中ビネー知能検査」などがあります。
検査結果は、今後の支援方針や療育内容を決めるための指標となり、保護者の方にもわかりやすくフィードバックされます。
親子で参加するグループ療育や相談
療育センターでは、子どもだけでなく保護者を支えることも大切にしています。
親子通園の場合は、親子で一緒に療育に参加し、遊びや活動を通じて子どもの発達を促しながら、保護者も子どもとの関わり方を学べるのが特徴です。
子どものみの単独通園でも、療育センターを通して同じ悩みを持つ保護者や情報と出会える機会にもなり、安心感やつながりが生まれることもあります。
また、保護者個別の相談にも対応しており、育児や就園・就学に関する悩みも気軽に話すことができます。
ご家庭と支援機関が協力し合いながら、子どもの成長を一緒に見守る体制が整っています。
名古屋市の療育センターについて
名古屋市には、子どもの発達や障害に関する専門的な支援を行う療育センターが5か所設置されています。
これらの施設では、通園による療育をはじめ、発達の診断・検査、保護者の相談支援などが行われています。
北部・南部・東部では民間に委託されており、それぞれの地域で安心して支援が受けられる体制が整っています。
名古屋市の療育センター一覧
施設名 | 所在地 | 電話番号 | 担当区域 |
---|---|---|---|
名古屋市中央療育センター | 昭和区折戸町4-16 | 052-757-6111 | 中区、昭和区、瑞穂区、熱田区、天白区 |
名古屋市西部地域療育センター | 中川区小本1丁目20-48 | 052-361-9555 | 中村区、中川区、港区 |
北部地域療育センターよつば | 西区新福寺町2-6-5 | 052-522-5277 | 東区、北区、西区 |
南部地域療育センターそよ風 | 港区三吉町6-17 | 052-613-7744 | 南区、緑区 |
東部地域療育センターぽけっと | 千種区猫洞通1-15 | 052-784-5300 | 千種区、守山区、名東区 |
「発達が少し気になる」「診てもらった方がいいのかな…」と感じたときは、ぜひ早めに相談してみてください。
名古屋市の療育センターの関連記事
大阪市の児童発達支援センターについて
大阪市には、名古屋市のような公設の療育センターはありませんが、市内には民間の児童発達支援センターが10か所設けられており、それぞれが地域に根ざした支援を行っています。
これらのセンターでは、通園による療育を中心に、子どもの発達に関する相談支援や専門的なアセスメント(評価)などが実施されています。
大阪市の児童発達支援センター一覧
施設名 | 所在地 | 電話番号 |
---|---|---|
こども発達サポートステーションそれいゆ | 都島区都島本通4丁目10-10 | 06-6925-5510 |
大阪発達総合療育センターゆうなぎ園 | 港区夕凪2丁目5-3 | 06-6574-2521 |
大阪発達総合療育センターあさしお園 | 港区夕凪2丁目5-3 | 06-6574-2521 |
姫島こども園 | 西淀川区姫島6丁目3-33 | 06-6472-6001 |
わかくさ | 東淀川区大道南2丁目6-3 | 06-6990-4007 |
淡路こども園 | 東淀川区西淡路5丁目1-12 | 06-6323-6395 |
いわき生野学園キッズ広場 とけいワニ | 生野区巽北2丁目18-7 | 06-6757-8825 |
キンダーハイム | 東住吉区矢田6丁目6-29 | 06-6609‐6300 |
大阪発達総合療育センターふたば | 東住吉区山坂5丁目11-21 | 06-6699-8731 |
大阪市更生療育センター | 平野区喜連西6丁目2-55 | 06-6797-6681 |
「子どもの発達がゆっくりではないか」と悩んだときや「どこに相談したらいいか」と迷ったときは、お住まいの区役所や、お近くの児童発達支援センターに問い合わせてみてもよいでしょう。
まとめ
療育センターとは、一般的に療育センターは発達に遅れや障害のある子どもが、日常生活や社会生活をスムーズに送れるように支援を受けるための施設です。
言葉や運動、社会性などさまざまな発達面への支援が行われるほか、保護者への相談支援や、発達の検査・評価なども行われます。療育センターは「地域の中核機関」として役割を持ち、施設によっては児童発達支援センターに該当している場合もあります。
名古屋市では、公設と民間委託を含む5か所の療育施設があり、地域ごとに安心して相談・通園療育が受けられる体制が整っています。一方、大阪市では、公設のセンターはありませんが、民間の児童発達支援センターが市内に10か所設置され、各地域で発達相談や支援が行われています。
「子どもに発達の遅れがあるかもしれない」「専門的な支援を受けたい」と感じたときは、お住まいの地域の相談窓口や療育センターに気軽に相談してみることをおすすめします。
参考元
各支援機関 医療機関 等