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構音障害とは?発音が気になる子どもの特徴と向き合い方を解説

2025.07.29
  • その他障害・疾患
  • 支援方法・家庭での過ごし方

「何を話しているのか聞き取りにくい」と心配になった経験はありませんか?

子どもは、言葉を覚える過程でさまざまな音を試しながら正しい発音ができるようになっていきます。
しかし、周りの同年代の子どもが正しい発音で話すことができるようになっても、正しい発音ができない子どももいます。

このコラムでは、構音障害の特徴や主なタイプ、よくみられる症状などを紹介します。

目次

 

構音障害とは?

構音障害とは、正しく発音できない状態のことです。

舌や唇、顎、声帯などいくつもの器官が連携することで正しい発音ができるようになります。
小さな子どもは、これらの器官が発達途中のため、まだ正しい発音ができません。
一般的に、3歳頃から正しい発音ができるようになってきて、5~6歳頃にほとんどの音を正しく発音できるようになるといわれています。

子どもの発達には個人差があるため、正しい発音ができるようになる時期も異なります。

 

構音障害の主なタイプ

構音障害は以下のようなタイプに大きく分けられます。

●機能性構音障害:唇、舌、顎、歯などの構造や聴力に異常がないにも関わらず、間違った発音の習得や学習によって起こる構音障害です。音の置換や省略、歪みなどがみられます。

●器質性構音障害:唇、舌、顎、歯など発音に関わる器官の構造的な異常や機能不全が原因で起こる構音障害です。口唇口蓋裂や舌小帯短縮症などの先天的な異常や外傷や腫瘍などによる後天的な異常が原因となります。

●聴覚性構音障害:聴力の低下などが原因で、周囲の音や自分の発音を正確に聞き取ることができず、間違った発音を習得してしまうことが原因で起こる構音障害です。

●運動障害性構音障害:脳や神経の障害によって、発音に必要な舌や口などの筋肉が上手く動かなくなり、正しい発音ができなくなる構音障害です。発音だけでなく、速度やリズムも正しくできないケースもあります。

 

構音障害にみられる症状の特徴

発音がおかしいと感じても、正しい発音ができるようになる時期には個人差があるため、支援が必要な構音障害であるかの判断は、専門家でないと難しいです。

具体的な症状やよく見られる発音の間違いを知っておくことで、早めに適切なサポートが受けられることにつながります。

 

よくみられる発音の間違い

構音障害でよくみられる発音の間違いは以下の通りです。

置換

正しい音の代わりに、似た音を発音してしまうタイプの間違いです。
舌の位置や動きが上手に調整できないことが原因といわれています。
例えば「さかな」を「たかな」と子音の誤発音などがあります。

省略

発音しづらい音や複雑な音の組み合わせなどの一部を省略して発音してしまうタイプの間違いです。
例えば「でんしゃ」を「でしゃ」と発音してしまうことがあげられます。

歪曲

発音が不明瞭で不正確になってしまうタイプの間違いです。
本人は正しく発音しているつもりでも、周りの人には聞き取りづらいことが多くなります。

添加

語の一部に必要ない余分な音を加えてしまうタイプの間違いです。
例えば「りんご」を「りんごう」などと発音してしまうことが該当します。

これらの間違いは、幼児期の一時的な言い間違いとしてもよくみられます。
小学校入学前になっても改善しない場合は、構音障害の可能性があるため、専門家に相談することも検討してみましょう。

ただし、構音障害があっても、言語の理解や発達との関係、自然と正しい発音を身につける可能性から、すぐに訓練を行わずしばらく様子をみることもあります。

早く訓練を受けるのが必ずしもよいというわけではなく、子どもに合った時期に適切な方法で訓練を受けることが大切です。

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周囲が気づきやすいサイン

構音障害は、専門家による検査を受けなくても、日々の会話の中で気づくことがあります。
初めはちょっとした違和感程度に思うかもしれませんが、徐々に以下のようなサインに気づくようになります。

●聞き返されることが多い:家や幼稚園・保育園などで、「もう一度言って」と聞き返されることが増えます。

●周りの子どもに比べ発音が聞きづらい:同年代の周りに子どもに比べて、発音が不明瞭で聞きづらいことがあります。保育士から「言葉がはっきりしないことがある」と言われて、保護者が気づくことも多いです。

●子どもが話すことを消極的になる:子ども自身が「話しても伝わらない」と感じ、話すことに消極的になってしまうことがあります。子どもは、自分の話し方を大人が考えているよりも気にしていることもあります。

このようなサインに気づいたら、子どもの話し方をよく観察することが大切です。
成長とともに正しい発音で話せるようになるケースが多いですが、不安な方はかかりつけの小児科や市区町村の発達相談窓口などの専門機関に相談してみましょう。

 

構音障害と向き合うために大切なこと

構音障害への対応で大切なことは、正しい発音を身につけることだけではなく、子どもが安心して話せる環境作りです。

焦らず見守ること

保護者が子どもに、早く正しい発音を身につけて欲しいと思うのは当然のことですが、子ども自身も正しく発音したいと思っています。
焦って子どもを責めたりするのではなく、焦らずに見守ることが大切です。
話すことへの苦手意識がついてしまうと、改善しにくくなってしまいます。
たとえわずかでも、正しい発音で話せる言葉が増えたら、褒めてあげましょう。

子どもの気持ちに寄り添う

子どもが正しい発音で話せなくても、伝えようとする気持ちに寄り添うことが大切です。
正しい発音で話すよりも、話すこと自体が大切だと子どもが感じられるような関係性を築くことが、子どもの安心感につながります。

まとめ

構音障害の特徴や主なタイプ、よくみられる症状などを解説しました。

子どもの発達や成長のペースはそれぞれ違います。
発音の違和感に気づいても、子どもの気持ちに寄り添いながら、成長を見守りましょう。

小学校入学前になっても正しく発音できず心配な場合は、専門家に相談し、子どもに合った時期に訓練を受けることも検討してみましょう。

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