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モロー反射はいつまで続く?消える時期・原因・対処法を解説

2025.05.26
  • その他障害・疾患
  • 支援方法・家庭での過ごし方

「モロー反射ってなに?」「いつまで続くの?」「どう対処すればいいの?」このような悩みを抱えている方はいませんか。

モロー反射とは、赤ちゃんにみられる原始反射のひとつで、脳や神経系が正常に働いていることを示すものです。しかし、初めてモロー反射を見た方は驚き、心配になる保護者の方もおられるのではないでしょうか。

そこでこのコラムでは、モロー反射の特徴やあらわれる時期、強く出た場合の対処法、モロー反射と似ている病気、モロー反射が長く続いたときの対処法などを紹介します。
モロー反射以外の原始反射についても紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

目次

  • モロー反射とは?赤ちゃんにみられる原始反射のひとつ
  • モロー反射が強く出たときの対処法とは?
  • モロー反射と似ている病気は?
  • モロー反射は正常な発達過程の一部です
  • モロー反射とは?赤ちゃんにみられる原始反射のひとつ

    原始反射とは、生まれたときから備わっている反射的な運動のことをいいます。ここではモロー反射の特徴や時期、他の原始反射について紹介します。

    モロー反射の特徴

    モロー反射は、大きな音や急な動きなど外部の反応に対して両手を広げ、その後に抱きつこうとする動きを指します。意志とは関係なく反射的に起こる動きで、正常な発達プロセスの一部です。モロー反射は、危険から身を守るための防御反応ともいわれています。

    モロー反射はいつまで続く?

    モロー反射は、生まれてから間もなくみられるようになり、5~6ヶ月ぐらいまでに徐々に消失していきます。徐々に消失するのは、赤ちゃんの脳や神経が発達し、自分で体を動かせるようになってくるからです。

    モロー反射が平均的な消失時期を少し過ぎても残っている場合、発達障害を心配する方がいます。特に初めて育児をする保護者の方の中には、過度に心配してしまう方が少なくありません。
    しかし、赤ちゃんの成長速度には個人差があるため、多少長く残ったとしても心配せずに成長を見守りましょう。それでも心配な方は、医師に相談してみてください。

    モロー反射が弱い・まったくない場合は?

    モロー反射が弱いもしくはまったくない場合は、脳や神経が正常な成長をしていない可能性があります。違和感を覚えた方は、医師に相談し原因を調べてもらい、適切な対処をしてもらうことをおすすめします。

    モロー反射以外の原始反射

    いくつかの原始反射は、乳幼児健診でも確認されます。モロー反射以外に代表的な原始反射を紹介します。

    バビンスキー反射:足の裏の外側を刺激すると、足の指が広げることです。生後まもなくあらわれて1~2年で消失します。

    吸てつ反射:赤ちゃんの唇に何かを触れさせると、自然と吸い始めることを指します。この反射により授乳が可能になります。生後まもなくあらわれて6ヶ月~1年で消失します。

    探索反射:赤ちゃんの唇に指や乳首が触れると、首を左右に動かして触れたものを探します。探索反射により、生後すぐに母乳を飲めるようになります。生後まもなくあらわれて、4~6ヶ月後に消失します。

    歩行反射:赤ちゃんを抱えて足を床に着くような姿勢にすると、足を交互に動かし歩くような動作をします。生後まもなくあらわれて、2~3ヶ月で消失します。

    把握反射:手のひらに触れると握り返してくることを手掌把握反射といいます。生後まもなくあらわれて、3~4ヶ月で消失します。足の親指の付け根に触ると足の指を内側に曲げる反応のことを足底把握反射とよび、生後まもなくあらわれて9~10ヶ月で消失します。

    非対称性緊張性頸反射:赤ちゃんを仰向けに寝せて、顔を左右どちらかに向けると、顔を向けた方の手足を伸ばし、反対側の手足を曲げます。生後まもなくあらわれて、生後2~3ヶ月で消失します。緊張性頸反射が消失すると、寝返りができるようになるといわれています。

    モロー反射が強く出たときの対処法とは?

    赤ちゃんの中には、寝ている間のちょっとした物音で、モロー反射が強く出て激しく泣き出してしまうケースがあります。大部分のケースでは放っておいても問題ありませんが、頻度が多いと十分な睡眠がとれず発達を妨げる可能性があるため、以下のような対処を試してみましょう。もし、紹介する対処を試しても治まらず、赤ちゃんの睡眠が妨げられるような場合は、医師に相談することをおすすめします。

    おくるみを使う

    赤ちゃんをおくるみで包んであげることは、モロー反射対策のひとつです。赤ちゃんの手足をやさしく固定することで、反射が起こりにくくなります。
    おくるみの素材は、肌触りのよいものを選び、さらに暑い季節は通気性のよい素材、寒い季節は保温性の高いフリーズ素材などを選びましょう。

    照明を落とし静かな環境に整える

    赤ちゃんを刺激しないように、照明を落とし、大きな音を立てない静かな環境を整えましょう。冷房や暖房の風も赤ちゃんに直接当たらないように調整し、寝具の温度も人肌くらいの温かさにしておくと、赤ちゃんが安心して眠れます。

    やさしく抱くようにする

    赤ちゃんに刺激を与えないようにやさしく抱くようにすると、モロー反射を抑制できます。寝かせるときも、寝具を人肌と同じぐらいに温めておき、急に動かさずにゆっくりやさしく寝かせてください。

    モロー反射と似ている病気は?

    モロー反射の動きと似ている疾患があります。モロー反射に違和感を覚える場合や長く続く場合は、医師に相談しましょう。

    点頭てんかん

    点頭てんかんは、1歳未満の赤ちゃんにあらわれることが多く、1日に何度も突然手足を不自然に動かしたり、頭部に力が入ったり、うなずくような動きを繰り返す発作が見られるてんかんです。
    モロー反射は、外部の刺激に対して起こる反応ですが、点頭てんかんは多くの場合脳波に異常が見られ、発作を繰り返すことが特徴です。

    脳性麻痺

    脳性麻痺は、脳の損傷によって引き起こされる運動障害のことです。運動機能の発達の遅れや1歳まで原始反射が残ったりしていることでわかることが多いです。手足のこわばり、飲み込む力や噛む力が弱いなどの症状があらわれます。
    発達速度には個人差があるため、原始反射の消失が遅くても過度に心配せず、他に違和感を覚えるところがないか観察し、心配なら医師に相談しましょう。

    核黄疸

    核黄疸は、血中ビリルビンが高くなることで脳に損傷を与えてしまうことで発症します。
    元気がなくミルクもそれほど飲まず、モロー反射が弱いもしくは全くないといったことがみられたら、医師に相談しましょう。核黄疸の治療が遅いと治療が難しくなり、脳性麻痺につながるリスクが高くなります。

    モロー反射は正常な発達過程の一部です

    モロー反射は、赤ちゃんの発達において正常な反射現象です。大部分のケースでは、生後4~6ヶ月で消失しますが、個人差があります。
    強く出る場合には、おくるみの活用や刺激しないような環境を整えるなどを試してみてください。
    モロー反射は、脳や神経系が正常に発達していることを示す証です。モロー反射があらわれても心配せずに、赤ちゃんの成長を穏やかに見守りましょう。

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