喃語はいつからいつまでみられる?クーイングとの違い、発達段階、遅い原因と対処法を解説
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赤ちゃんが「ばぶー」「ばばば」といった声を出すようになる喃語。言葉を話すようになるまでの大切なステップです。しかし「うちの子は喃語が遅いのでは」「喃語はいつまでみられるの?」と思っている方もいることでしょう。
このコラムでは、喃語がいつからいつまでみられるのか、クーイングとの違い、言葉の発達段階を解説します。また、喃語がみられない・少ない場合の原因や対処法についても紹介します。
お子さんの言葉の発達に不安な方は、ぜひ参考にしてください。
目次
- 喃語とは?
- 喃語はいつからいつまでみられるの?
- 喃語がないとき・少ないときに考えられる原因
- 喃語がない・少ないときの対処法
- まとめ
-
喃語とは?
喃語とは、赤ちゃんが言葉を話すようになる前に発する言葉です。「子音+母音」で構成された音で、はっきりとした意味がわからないような声を指します。
喃語は、言葉を話し出す前段階として必要な「準備運動」のようなもので大切なステップです。喃語の意味とは?
赤ちゃんは、喃語を通して口や舌、喉などを動かす練習を自然に行っているのです。体を使いながら話すために必要な動きを少しずつ覚えていきます。
また、赤ちゃんは周囲の人が喃語に反応してくれることに喜びを感じ、人とのやり取りの楽しさを学んでいくのです。
このように喃語は、言葉を話す準備であると同時に、周りの人との関係を育む第一歩でもあります。小さな声のやり取りのなかに、たくさんの学びが詰まっているのです。喃語はいつからいつまでみられるの?
喃語は、生後5~6ヶ月頃にみられることが多いといわれています。ただし、赤ちゃんの成長には個人差があるため、時期はあくまでも目安です。生後9ヶ月頃になると、「まんま」「ばぶばぶ」といった、音を組み合わせた声を出すことが増えてきます。1歳頃になると、「まま」「ぱぱ」など意味のある言葉を話すようになっていきます。
ただし、すべての赤ちゃんが同じ時期に喃語を話し始めるわけではありません。生後6ヶ月過ぎても喃語が見られない赤ちゃんもいます。心配な方は、専門家に相談してみましょう。喃語の発達段階
喃語にはいくつかのステップがあります。言葉の発達は個人差があることを踏まえて、参考にご覧ください。
生後3ヶ月頃
生後3ヶ月頃になると、クーイングと呼ばれる「あー」や「うー」といった声を発するようになります。
生後6ヶ月頃
喃語と呼ばれる「ばぶ」「ままま」などの母音+子音、母音+母音の含まれた声を発するようになります。
生後8~10ヶ月頃
喃語を発することが少なくなり、身振りや手振りや声を出して、自分の要求や感情を伝えるようになります。
1~1歳半頃
1歳頃になると、発語が始まり母親を「まま」など徐々に意味のある言葉を話すようになります。言葉を理解する力も伸びる時期で、コミュニケーションが徐々にとれるようになってきます。
喃語とクーイングの違い
喃語とクーイングは似ていますが、少し異なります。クーイングは喃語よりも早くみられる発声で、生後1~2ヶ月頃から始まります。感情の表現や周囲への反応として「あー」「うー」といった母音中心の声を出します。
一方、喃語は、子音と母音を組み合わせた音を含み、発語に向けた準備としての意味合いが強い発声です。
クーイングは、発声の始まり、喃語は発語への準備段階といえます。両者の違いを知っておくと、お子さんの発達をより深く理解し、見守ることができるでしょう。喃語がないとき・少ないときに考えられる原因
赤ちゃんの成長には個人差があるため、多少喃語が遅れてもそれほど心配することはありません。しかし、生後7~8ヶ月になっても喃語がない・少ない場合は、いくつかの原因が考えられます。
発声に関係する器官の発達に問題がある
赤ちゃんの喃語があまり聞こえてこない場合、舌や唇、喉などの発声に関係する器官の発達に問題がありうまく動いていない可能性があります。舌の筋肉が弱かったり、口の開閉が上手くできていなかったりすると声を出すのが難しくなってしまいます。
こうしたケースでは、医師などの専門家に相談すれば、発達の状態や対応策がわかることもあります。コミュニケーションが不足している
赤ちゃんの喃語は、周囲の人たちとの関りの中で少しずつ育まれていきます。そのため、周囲に会話をしている人が少ない、話しかける機会が少ないと喃語が遅れてしまう可能性があるのです。
忙しく、つい関わりが減ってしまうこともあるかもしれません。しかし、ほんの少しの時間でも赤ちゃんと目を合わせて笑いかける、声に反応してあげるといった何気ないやり取りが赤ちゃんの成長にはとても大切です。聴覚に問題がある
聴覚に問題があり、音をうまく聞き取れていないと、喃語が遅れる原因となることがあります。周囲の会話や音に対する反応が薄い、名前を呼んでも振り向かないといったことが多い場合は、聴覚に問題がある可能性も考えられます。
そのような場合は、耳鼻科で聴覚の状態を検査してもらえれば、適切な処置が受けられますし、発達に合わせた関わり方のアドバイスも受けられます。発達に異常がある
喃語がほとんどない・非常に少ないといった場合は、発達の面で何かしらの異常があることも否定できません。
例えば、自閉スペクトラム症や知的障害などの赤ちゃんは、言葉の発達が非常に遅い傾向がみられることがあります。
しかし、喃語が遅れているからといって、必ずしも障害があるというわけではありません。
ただし、「視線が合いにくい」「人の顔に関心を示さない」など、他にも気になることがある場合は、専門家に相談してみることをおすすめします。
できるだけ早く気づき、対応を進めることが、子どもの将来に大きな影響を及ぼす場合もあるからです。喃語がない・少ないときの対処法
赤ちゃんの発達には個人差があるため、喃語がない・少ないとしても焦らず発達を見守ることが大切です。しかし、不安になるのも当たり前なことです。もし何かできることがないのかと思っている方は、以下のようなことをしてもよいでしょう。
目を合わせて、優しく話しかける回数を増やす
赤ちゃんに目を合わせて、優しく話しかけることが喃語を引き出すことにつながります。優しい表情や声のトーンで話しかけられると興味や安心感が生まれ、声を出そうという意欲が高くなるからです。
赤ちゃんが声に反応する
喃語を促すためには、赤ちゃんが声を出したら「なあに?」「どうしたの?」などと反応してあげることが大切です。赤ちゃんの声に反応してあげると、「声を出すと反応がある」ことを学びます。やりとりが楽しく感じられ、声を出す意欲につながるきっかけになります。
絵本を読み聞かせる
絵本を読み聞かせることは、赤ちゃんの喃語を引き出すのに効果的な方法です。絵本の読み聞かせは、赤ちゃんが周りの世界に興味を持つきっかけになり、声を出して感情を伝えたいという意欲の向上につながります。
まとめ:喃語は発語へとつながる成長過程
喃語は、生後5~6ヶ月頃から始まり、1歳になる頃には発語へとつながる発達の過程です。
もし、喃語があまりみられない・非常に遅い場合は、さまざまな要因が関係している可能性があります。
必要に応じて専門家に相談することで、適切な対応を受けましょう。赤ちゃんの声に反応し、話しかける回数を増やすことが、喃語を引き出すことにつながります。
喃語のタイミングや個人差があることを理解し、焦らず赤ちゃんの成長を見守っていきましょう。子どものことばの発達の関連記事