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生後7か月で見られる発達障害の兆候とは?見守り方と相談先

2025.06.28
  • 発達障害
  • 支援方法・家庭での過ごし方

「他の赤ちゃんと比べて目が合いにくい気がする」「音や声にあまり反応しないように思える」生後7か月ごろの赤ちゃんの様子を見て、発達に不安を感じている保護者の方もいるかもしれません。

この時期は、個人差がとても大きいため、少し気になる様子があってもすぐに発達障害に結びつくとは限りません。しかし、赤ちゃんの小さなサインに気づいたとき、「これって普通なのかな?」と不安になるのは自然なことです。

そこで本記事では、生後7か月ごろに見られる発達障害の兆候かもしれない行動例や、発達障害の可能性に関して知っておきたいこと、ご家庭での見守り方や相談先について解説していきます。

目次

  • 生後7か月で発達障害の兆候かもしれない行動とは
  • 発達障害かも…と感じたときに両親ができること
  • 相談していい時期や相談場所とは?
  • まとめ
  • 生後7か月で発達障害の兆候かもしれない行動とは

    「まだ寝返りしないけど大丈夫?」「抱っこされてもあまり反応がないのが気になる…」など、生後7か月ごろの赤ちゃんの発達について、不安を感じることは少なくありません。

    この時期には、発達のスピードに大きな個人差があり、すべての赤ちゃんが教科書通りに育つわけではありません。ただし、複数の行動が気になる場合には、早めに情報を集めたり、相談してみることもひとつの安心材料になります。

    ここでは、生後7か月の赤ちゃんに見られる発達のサインや、発達障害との関連性があるかもしれない行動について、わかりやすくご紹介していきます。

    目が合わず人の顔に興味を示さない

    生後7か月頃になると、多くの赤ちゃんは保護者の顔を見て微笑んだり、目を合わせたりするようになりますが、目が合いにくい、視線が合ってもすぐに逸らす、他人の顔にあまり興味を示さないといった様子が見られる場合、社会的な関心の発達に遅れがある可能性があります。

    ですが、自閉スペクトラム症(ASD)の初期兆候として、視線の合いにくさが指摘されることがあっても、個人差の要素も大きいため、他の発達面と合わせて総合的に判断することが重要です 。

    音や声にあまり反応しない

    生後7か月の赤ちゃんは、周囲の音や声に反応し、呼びかけに振り向いたり、音の出るおもちゃに興味を示したりすることが一般的ですが、名前を呼んでも反応しない、大きな音にも無反応である場合、聴覚の発達や感覚の鈍麻(鈍さ)が関係している可能性があります。

    自閉スペクトラム症の赤ちゃんは、感覚鈍麻が見られることがあり、音や声への反応が乏しいことがあります 。ただし、反応の程度には個人差があり、すべての赤ちゃんが同じように反応するわけではありません。心配な場合は、乳幼児健診や専門機関で相談し、必要に応じて聴覚検査を受けることが推奨されます。

    抱っこを嫌がり反応が少ない

    生後7か月の赤ちゃんは、抱っこされることで安心感を得たり、保護者とのスキンシップを楽しむことが一般的ですが、抱っこを嫌がる、体を反らせる、しがみつかないなどの反応が見られる場合、感覚過敏や感覚鈍麻が関係している可能性があります。

    自閉スペクトラム症の赤ちゃんは、触覚の過敏や鈍麻が見られることがあり、抱っこに対して過敏に反応したり、逆に無反応であることがあります 。ただしこれらも、すべての赤ちゃんが同じように反応するわけではないため、心配な場合は、乳幼児健診や専門機関で相談し、必要に応じて発達の評価を受けることが推奨されます。

    同じ動きを繰り返し遊びが偏っている

    生後7か月の赤ちゃんは、さまざまな遊びを通して発達していきますが、特定の動きを繰り返す、遊びが偏っている場合、常同行動の可能性があります。

    常同行動は、自閉スペクトラム症の特徴の一つであり、同じ動作を繰り返すことで安心感を得ることがあります 。ただし、赤ちゃんの遊びにも個人差があり、同じ遊びを繰り返すこと自体は発達の一環でもあります。遊びの幅が広がらない、他の遊びに興味を示さないのがずっと続く場合は、専門機関で相談することが推奨されます。

    寝返りなどの発達が著しく遅れている

    生後5〜6か月頃には、多くの赤ちゃんが寝返りを始めますが、7か月を過ぎても寝返りやお座りが見られない場合、運動発達の遅れが懸念されます。自閉スペクトラム症の赤ちゃんには、筋緊張の低下や運動のぎこちなさが見られることがあり、これが運動発達の遅れにつながることがあります。

    ですが、特徴が見られる場合でも、必ずしも発達障害であるとは限りません。発達の個人差や、一時的な反応や環境要因による影響も考えられます。しかし、気になる点がある場合は、早めに小児科や発達支援センターなどの専門機関に相談することが大切です。専門家のアドバイスを受けることで、適切な支援や対応策を見つけることができます。

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    発達障害かも…と感じたときに両親ができること

    「このままで大丈夫かな」「病院に行くほどではない気もする…」と悩んだとき、保護者としてどんな行動をとればいいのか、迷ってしまうこともあるでしょう。

    大切なのは、「できていない」ことにばかりに目を向けすぎず、「これから伸びるかもしれない」という視点を持ちながら、赤ちゃんの様子を見守ることです。そして、不安をひとりで抱え込まず、必要なときには相談してもよいのだと自分を許すことも大事な要素です。

    ここでは、保護者ができる前向きな見守りの工夫や、相談先の選び方など、子どもとご自身を大切にするためのポイントをご紹介していきます。

    これからできるかもという視点を持つ

    生後7か月の発達には、個人差が大きくあります。「目が合わない」「寝返りがまだできない」など、今できていないことに目がいきがちですが、大切なのは“これからできるかもしれない”という視点です。

    赤ちゃんは、それぞれのペースで発達していくもの。実際に、少し遅れてできるようになる子どもも珍しくありません。「遅れている=できない」とは限らず、焦らず見守ることが子どもの安心感にもつながります。保護者の気づきや観察はとても大切ですが、不安が続くときは専門家の視点を借りることも、前向きな一歩になります。

    月齢の発達目安を知ることの意味と限界

    育児書や母子手帳に書かれている発達目安は、子どもの成長を知る手がかりとして有効です。ただし、月齢ごとの「できるようになる時期」はあくまで平均的な目安であり、すべての子どもが目安通りに成長するわけではありません。

    生後7か月で寝返りをしない、声かけに反応しないといったことがあっても、少し後から発達が進む子どもも多くいます。目安は「気づくきっかけ」にはなっても「診断の基準」ではないことを忘れずに、必要以上に不安にならず、やさしく成長を見守っていくことが大切です。

    相談していい時期や相談場所とは?

    「こんなことで相談していいのかな?」と感じることでも、気になることがあれば、早めに相談することが大切です。

    生後7か月の段階で発達障害を診断することは難しいとされていますが、不安が続く場合は下記の選択肢があります。

    ●自治体の乳幼児健診
    ●子育て支援センター
    ●保健センター
    ●小児科や地域の発達支援センター

    どちらでも丁寧なアドバイスを受けられるはずです。早く相談したからといって不利益になることはなく、むしろ早期の気づきがその後の成長を支える手助けになることもあります。

    一人で悩まずに誰かに話してもいい

    わが子の発達に不安を抱えると、「自分のせいでは」「周りに言えない」と感じてしまうことがあります。しかし、子育てに悩みはつきもの。誰かに話すことで、気持ちが軽くなったり、情報交換をすることで冷静に状況を見られるようになることもあります。

    家族や友人、保健師、子育て支援センターの相談員など、安心して話せる人を見つけましょう。誰かに話すことは、甘えではなく、子どもと向き合う力を保つための大切な手段です。保護者が安心して育児に向き合える環境づくりが、子どもにとっても心地よい環境になります。

    まとめ

    生後7か月ごろの赤ちゃんには、発達のスピードや特徴に大きな個人差がありますが、「目が合わない」「音に反応しない」「抱っこを嫌がる」など、気になる行動が続くときは、発達障害の可能性も含めて注意深く見守ることは大切です。

    ですが、これらの行動があるからといって、すぐに発達障害と結びつくわけではなく、他の発達面や日常の様子を総合的に見ながら診断を受けて判断する必要があります。

    大切なのは、「これからできるかもしれない」という視点で赤ちゃんを見守ることです。月齢の目安はあくまで参考であり、不安があるときは、乳幼児健診や保健センター、小児科などで早めに相談してみましょう。また、一人で抱え込まず、家族や支援者に気持ちを話すことも、心の安心につながります。
    赤ちゃんの発達を見守る保護者の気持ちも、同じように大切にしていきましょう。

    参考元
    各 支援機関 等

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