子どもの勉強にやる気が出ない原因とご家庭でできるサポート
- 支援方法・家庭での過ごし方
「どうしてうちの子どもはいつも勉強に身が入らないの?」「やる気が出ない理由がわからなくて困っている」子どもの勉強に関する悩みは、多くの保護者が一度は抱えるものです。
無理に勉強させようとして反発されたり、励まし方がわからず戸惑ったりすることもあるのではないでしょうか?実は、子どもが勉強にやる気を出せない背景には、苦手意識・不安・生活習慣など、さまざまな要因が関係しています。
そこで本記事では「なぜ勉強のやる気が出せないのか」という原因を理解することからはじめて、ご家庭でできる関わり方や支援のヒントについて解説していきます。
目次
- なぜ子どもは勉強にやる気を出せないのか?
- 勉強が「苦手=嫌い」になっているケース
- 「やらされ感」が強いとやる気は続かない
- 目標が曖昧すぎると行動につながらない
- 集中力や体調、生活リズムの乱れの影響
- 勉強のやる気を引き出すご家庭での関わり方
- 「ほめ方」より「認め方」が大事
- 子どもが自分で決められる環境づくり
- 目に見える小さな目標を設定する
- どうしても難しいときは支援者と協力
- まとめ
なぜ子どもは勉強にやる気を出せないのか?
「やればできる子なのに、なぜやらないの?」「口ではやると言うのに、行動がともなわない…」と感じている方も多いかもしれません。ですが、子どもが勉強にやる気を出せないとき、その裏にはさまざまな理由が隠れています。
たとえば、「勉強=苦手という思い込み」や「やらされているという反発心」「目標がぼんやりして意味を感じられていない」などによるモチベーション低下、生活リズムの乱れによる集中力不足などが関係しているかもしれません。
ここでは、子どもが勉強に向き合えない主な背景を4つの視点から紹介し、やる気を引き出す第一歩につなげるための対策についても解説していきます。
勉強が「苦手=嫌い」になっているケース
子どもが勉強に対して苦手意識を持つと、それが「嫌い」という感情や「できない」という思い込みにつながり、やる気を失ってしまうことがあります。特に、過去の失敗や叱責が影響している場合、勉強に対する自信を失っている可能性があります。
対応策
・小さな成功体験を積ませることで、自信を取り戻す
・「間違えても大丈夫」という安心感を与える
・勉強以外の得意なことも認め、自己肯定感を高める
子どもが「できた!」と感じる小さくても成功した経験を重ねることで、勉強への前向きな気持ちや自己肯定感が育まれます。
「やらされ感」が強いとやる気は続かない
両親や教師からの強制的な指示や過度な期待が続くと、子どもは「やらされている」と感じ、自主的な学びの意欲を失うことがあります。
対応策
・子ども自身に目標を決めさせる
・選択肢を与え、自分で選ばせて自己決定させる
・努力や過程を認め、結果だけで評価しない
子どもが自分の意思で行動できるような環境を整えることで、内発的な動機づけが促され、やる気が持続しやすくなります。
目標が曖昧すぎると行動につながらない
「勉強しなさい」と言われても、具体的な目標がないと子どもは何をすればよいのか分からず、行動に移せません。
対応策
・短期的な目標(例:1日10分の勉強)を設定する
・中期的な目標(例:次のテストで〇点以上)を共有する
・長期的な目標(例:将来の夢や進路)について語り合う
目標を具体的にすることで、子どもは達成感を得やすくなり、勉強への意欲が高まります。挫折につながる場合もあるため、小さい目標からはじめたり、具体的な目標と抽象的な目標どちらも考えてもらうのもいいでしょう。
集中力や体調、生活リズムの乱れの影響
子どもの集中力は年齢によって異なり、また、体調や生活リズムの乱れも勉強へのやる気に影響を与えます。
対応策
・年齢に応じた集中時間を考慮して短時間の学習を取り入れる
・規則正しい生活リズムを整えて特に睡眠不足に気を付ける
・バランスの取れた食事を心がける
子どもの体調や生活習慣を整えることで、集中力が向上し、勉強への取り組みやすさが増します。
これらのように、子どもが勉強にやる気を出せない背景には、さまざまな要因が絡んでいます。保護者の方は、子どもの様子をよく観察し、無理に勉強を強制するのではなく、子ども自身の気持ちや状況に寄り添った対応を心がけましょう。子どもが自分のペースで学びに向かえるよう、温かく見守ることが大切です。
勉強のやる気を引き出すご家庭での関わり方
やる気が見られないからといって、叱ったり無理にやらせようとしたりすることで、かえって逆効果になることもあります。大切なのは、子どもの「やってみようかな」という気持ちの芽を育てるような、前向きな関わり方です。
たとえば、「頑張ったね」と努力や過程を認める声かけ、小さな成功体験を積み重ねられる工夫、自分で学習計画を決められる環境づくりなど、ご家庭でできる工夫はたくさんあります。
ここでは、子どものやる気を引き出すために保護者ができる具体的な関わり方やサポートについてご紹介していきます。
焦らず、子どもと一緒に歩む気持ちで読んでいただけたら幸いです。
「ほめ方」より「認め方」が大事
勉強に対するやる気を引き出すためには、「結果をほめる」よりも「過程を認める」ことが効果的です。
「100点すごいね!」という言葉ももちろん嬉しいものですが、それ以上に「毎日コツコツやっているね」「あきらめずに頑張ったね」という過程への声かけが、子どもの自己肯定感を育みます。子どもは、努力が評価されることで「また頑張ってみよう」という気持ちを持ちやすくなります。小さな努力や成長を見逃さず、具体的に伝えることが、やる気の継続につながるでしょう。
子どもが自分で決められる環境づくり
勉強のやる気を引き出すには、子どもが「自分で選べる」環境がとても大切です。
たとえば「どの科目からやる?」「何時から始めようか?」といった小さな選択を子どもに委ねることで、「やらされている」から「自分で決めてやっている」という感覚へと変わっていきます。選択の自由を与えることは、子どもが自律的に学ぶ力を育てる第一歩。保護者は、子どもが自分で考えて行動できるように、サポート役にまわることがポイントです。
目に見える小さな目標を設定する
「テストで90点を取る」などの大きな目標も大切ですが、やる気を引き出すには「今日は10分だけ集中する」「漢字1文字を覚える」といった、達成しやすい小さな目標が有効です。
こうした「できた!」という積み重ねが、自信と前向きな気持ちにつながります。子どもが自分で達成を実感できるよう、目標はできるだけ具体的に、短期的に設定するのがコツです。保護者が一緒に目標を確認して、達成できたら一緒に喜ぶことが、やる気アップにも効果的です。
どうしても難しいときは支援者と協力
ご家庭だけで子どものやる気を引き出すのが難しいと感じるときは、遠慮なく外部の支援を活用しましょう。
たとえば、学校の先生やスクールカウンセラーへの相談や、個別指導塾や家庭教師の利用なども一つの方法です。保護者自身が疲れてしまう前に、信頼できる支援者とつながることは、子どもにとっても大きな安心材料になります。「助けてもらっていい」と思えることが、家族みんなの心を守る第一歩です。
まとめ
子どもが勉強にやる気を出せない背景には、「苦手意識などの思い込み」や「やらされている感」「目標が曖昧で行動につながらない」「集中力や体調不良」といったさまざまな要因が関係しています。まずは、子ども自身の状況や気持ちに寄り添い、やる気が出ない原因を理解することが大切です。
ご家庭でできる関わり方としては、結果をほめるよりも過程や努力を認める「認め方」の声かけ、自分で学習内容や順序を決められるような環境づくり、小さな目標の設定による成功体験の積み重ねが効果的です。また、どうしても難しい場合には、学校や地域の支援機関、専門家と連携し、無理のないサポートを受けることも選択肢のひとつです。
保護者が焦らず子どものペースを大切にしながら見守ることで、「やってみようかな」という前向きな気持ちが育ちやすくなります。子どもが安心して学びに向かえるよう、あたたかな関わりを心がけていきましょう。
参考元
各 支援機関 等