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知的障害はなぜ生まれるのか?その原因・特徴・接し方をわかりやすく解説

2025.07.12
  • 知的障害
  • その他障害・疾患
  • ダウン症
  • 支援方法・家庭での過ごし方

子どもの中には、生まれつき知的障害を持っている場合があります。
身体に問題は見られなくても、学習面や社会性の発達など知的な面において困難があることが特徴です。
「知的障害はなぜ生まれるのか」「どんな原因で起こるのか分からない」と悩む保護者の方は少なくありません。

本記事では、「知的障害はなぜ生まれるのか」という疑問に答えるべく、知的障害の基本的な知識から、特徴、原因、子どもへの接し方までをやさしく解説します。
知的障害について正しく理解し、子どもに合った支援や関わり方のヒントを見つけてください。

目次

知的障害とは?

知的障害(Intellectual Disability)とは、知的発達に遅れがあり、日常生活や社会生活に支障が出る状態を指します。
知的障害のある子どもは、学習や判断、コミュニケーションに困難を感じることが多く、生活面でのサポートが必要になることがあります。
重症度により、以下の4段階に分類されます

• 軽度
• 中等度
• 重度
• 最重度

個々により、必要な支援の内容や程度は異なります。

知的障害と発達障害の違い

「知的障害」と混同されがちな障害に「発達障害」がありますが、これは別の概念です。
発達障害は、生まれつき脳の働きに偏りがあり、特定の分野に特性が現れる障害です。
コミュニケーション面や学習面などに見られる個々の特性により、社会生活で困難を感じることがあります。

代表的な発達障害には次のような種類があります

• ADHD(注意欠如・多動症)
• ASD(自閉スペクトラム症)
• LD(学習障害)

発達障害は知的能力に大きな遅れがない場合もありますが、知的障害は知的機能全体の遅れを伴う点が主な違いです。

知的障害の種類と特徴

知的障害の重症度によって、子どもに見られる特徴は以下のように異なります。

軽度の知的障害

• 抽象的な考えや論理的思考が苦手
• 会話は可能だが難しい内容は理解しにくい
• 支援があれば、小学校レベルの勉強が可能
• お金の管理や時間の使い方は難しいことがある

中等度の知的障害

• 簡単な会話はできるが、複雑な内容の理解は難しい
• 読み書きや計算が苦手で、小学校低学年程度の学力
• 日常生活は自立可能だが、細かな支援が必要
• 危険察知や状況判断が難しい

重度の知的障害

• 単語は話せても会話のやりとりが困難
• 読み書きや計算はほぼできない
• 食事や着替え、トイレに介助が必要
• 常に大人の見守りが必要

最重度の知的障害

• 言葉の理解が難しく、意思の伝達が困難
• 生活全般に介助が必要(排泄・移動など)
• 歩行や体の動きに障害を伴うこともある
• 医療的ケア(てんかん、呼吸管理など)が必要な場合もある

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「知的障害はなぜ生まれるのか?」主な原因

「知的障害はなぜ生まれるのか?」その原因には、いくつかの要因が影響すると考えられています。

1. 生理的要因

明確な疾患や障害がないにもかかわらず、知的能力が平均よりも低く、社会生活に支障があるケースです。突発的な個人差として現れることがあります。

2. 先天的要因(出生前の原因)

• 染色体異常(例:ダウン症)
• 妊娠中のウイルス感染、薬物中毒
• 胎児期の代謝異常など
新生児スクリーニングで発見され、早期から投薬や食事療法による対応が行われる場合もあります。

3. 後天的要因(出生後の原因)

• 感染症(日本脳炎、百日咳など)が原因で脳炎を起こす
• 栄養失調
• 頭部外傷など
これらは出生後に起こるもので、予防接種などによってリスクを減らすことが可能です。

4. 遺伝的要因

遺伝が関係している場合もありますが、必ずしも親から子へ受け継がれるわけではありません。多くは突然変異によって起こるため、誰にでも起こる可能性があります。

知的障害のある子どもへの対応方法

知的障害のあるお子さんと向き合う際には、以下のような工夫が役立ちます。

子どもの特性を理解する

同じ診断名でも、困っていることやできることは子どもによって異なります。まずはその子の特性をよく観察し、支援方法を柔軟に考えることが大切です

具体的なコミュニケーションを心がける

指示は抽象的ではなく、具体的に伝えましょう。
例:「片付けてね」→「ぬいぐるみをおもちゃ箱に入れてね」
子どもが理解しやすくなることで、自信を持って行動できるようになります。

ルールや決まりは事前に伝える

知的障害のある子どもには、事前にルールや予定を伝えることで安心感が生まれます。ルールを守れなかった場合も、頭ごなしに叱るのではなく、守れなかった理由を考え、次に活かす姿勢が大切です。

療育手帳とは?

療育手帳は、知的障害があることを証明するための公的な手帳であり、福祉サービスや各種支援を受ける際に役立つものです。

自治体によって名称が異なり、たとえば、名古屋市では「愛護手帳」、東京都では「愛の手帳」とも呼ばれています。
いずれも内容は同じで、知的障害の程度に応じて等級が判定され、本人の支援に活かされます。

現在、療育手帳は自治体が発行するため、名称や判定基準などが異なる面がありましたが、今後、国内で統一する方向で進められるようです。

まとめ|知的障害はなぜ生まれるのかを知り、適切な支援を

知的障害は、生まれつきの要因だけでなく、出生後の環境や病気、遺伝などさまざまな要因が重なって起こることがあります。
まずは、知的障害に対する正しい知識を得て、子どもに合った支援をしていくことが大切です。
一人ひとりに合った接し方を心がけ、子どもが安心して成長できる環境を整えていきましょう。

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