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自閉症の子どもは表情の読み取りが苦手、京都大学の研究

2015.01.07
  • 発達障害
  • ASD(自閉症スペクトラム)

・自閉症児と定型発達児に「たくさんの顔の中から一人だけ特別な表情をしているものを探し出す」という実験を行った。
・定型発達児は見つける顔が怒り顔の時、柔和な顔よりも早く見つけることができたが、自閉症児は怒り顔でも柔和な顔でもあまり差がなかった。

自閉症(自閉スペクトラム症)の特徴として、人の表情や空気を読むことが苦手・同じものやことへのこだわり・常同的で反復的な動作をするなどが挙げられます。
今回、京都大学の正高先生とその研究室の大学院生は、自閉症のコミュニケーション障害の原因として基本的な表情のよみとりが苦手なのではないか、と考えある実験を行いました。

実験方法

自閉症の児童20名を対象に実験が行われました。
線でえがかれた顔をいくつも同時にコンピュータに表示させます。
このうち一つを除き無表情だが、一つだけが他とは異なる特別な表情をしています。
この他とは異なる特別な表情をしている顔をなるべくすばやく見つけ、手を触れるという事が課題です。

また、特別な表情は柔和なものと怒っているものの2パターンを用意し、発達障害児と定型発達児がどれくらい早くその特別な表情を見つけられるかを測定しました。

図1:実験に用いた刺激の例(左が怒り顔、右が柔和な顔が1人含まれている)

(引用:京都大学(http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research/research_results/2014/documents/141218_1/01.pdf))

実験結果

定型発達児では柔和な顔よりも、怒り顔の時にすばやく見つけることができました。
一方で、自閉症の子どもは、柔和な顔でも怒り顔でも発見までの時間にほとんど変化はありませんでした。

図2:定型発達児と自閉症児の反応時間の比較

(引用:京都大学(http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research/research_results/2014/documents/141218_1/01.pdf))

考察

怒り顔は生物にとって身の安全を脅かす信号です。そのため、それ対し迅速に対応しようとすることは生物的に適応的な反応で、ほとんど無意識に行われます。
ところが自閉症の子どもは、そのような表情を意識下で読み取り、状況ごとに対応を変化させる柔軟性が乏しいことが判明しました。

そのため自閉症の特徴のコミュニケーション困難の一因として、本知見が関係してい可能性があるといえます。

(※本来、DSM-5に改訂されたため「自閉症」でなく「自閉スペクトラム症」というのが正しい表記だと思われますが、参考文献の著者が「自閉症」と記しているため意図をくんでそのまま表記しております)

[参考]
・京都大学(http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research/research_results/2014/documents/141218_1/01.pdf)

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