夜中に子どもが突然大声で泣き叫んだり怖がって暴れたりすると、保護者はとても驚き、不安になります。
「うちの子は何か悪い夢を見ているの?」「心の病気なの?」と心配になる方も多いでしょう。
このような症状の一つに「夜驚症(やきょうしょう)」があります。
夜驚症は、特に2歳児や3歳児、幼児期の子どもに多く見られる睡眠のトラブルです。小学生になると症状が減ることが多いものの、ストレスなどがきっかけで夜驚症がまた起こる場合もあります。
この記事では、夜驚症の原因は何か?主な症状や原因、ストレスとの関係、家庭でできる正しい対処法を解説。2歳3歳の子どもや小学生など見られやすい年齢についても解説します。
夜驚症とは?

夜驚症とは、眠っている途中で突然、強い恐怖反応を示す睡眠障害の一種です。
医学的には「睡眠時驚愕症(すいみんじきょうがくしょう)」とも呼ばれ、深い眠りから完全に目覚めないまま起こるのが特徴です。
睡眠は、レム睡眠(急速眼球運動を伴う浅い眠り、夢を見やすい)とノンレム睡眠(深い眠り)が約90分周期で繰り返されています。
夜驚症の発作は、レム睡眠ではなく、深いノンレム睡眠の段階、つまり眠りについてから最初の数時間の間に発生することが多いのが特徴です。
夜驚症が起きている間、子どもは目を開けていることがありますが、深い眠りの中で発症しているので、意識ははっきりしていません。そのため、子どもに声をかけても反応が鈍く、なだめてもなかなか落ち着かないことがあります。
そして多くの場合、翌朝になると本人はその出来事を覚えていません。
悪夢との違い
夜驚症は「怖い夢(悪夢)」と混同されやすいですが、実は悪夢とは異なるものです。夜驚症と悪夢との違いを整理しましょう。
夜驚症と悪夢との違いを知っておくことで、必要以上に不安を感じず、落ち着いて対応しやすくなります。
●悪夢
基本的に眠りが浅いときに起こり、目が覚めて内容を覚えていることが多い。
●夜驚症
深い眠りの途中で起こり、目は開いていても意識がなく、記憶に残らない。
夜驚症と悪夢の違い
| 特徴 | 夜驚症 | 悪夢 |
| 発生する睡眠段階 | 主に深いノンレム睡眠(眠り始めの数時間) | 主にレム睡眠(朝方に近い時間帯) |
| 覚醒度 | 完全に覚醒しない、意識が朦朧としている | ある程度覚醒する |
| 発作中の行動 | 叫ぶ、泣く、飛び起きる、走り回る、強い恐怖・パニック | 動かないことが多い、うなされる程度 |
| 内容の記憶 | ほとんど覚えていない | 内容を鮮明に覚えていることが多い |
| 呼びかけへの反応 | 反応しにくい、呼びかけられても余計混乱する場合がある | 呼びかけに反応し、覚醒させやすい |
| 再入眠 | 発作後にスムーズに眠りに戻る | 不安や恐怖から目が覚め、再入眠しにくい場合がある |
悪夢は主にレム睡眠で起きるのに対し、夜驚症は 主に深いノンレム睡眠で起きます。
夜驚症は、悪夢に比べて発作中の行動がとても激しく、危険な行動が多いのも特徴で、「叫ぶ、泣く、飛び起きる、走り回る、強い恐怖・パニック症状」などが表れます。
また、夜驚症は発作後にスムーズに眠りに戻り、本人はほとんど覚えていないという特徴もあります。一方、悪夢を見ている場合は、不安や恐怖から目覚め、その後再入眠しづらく、呼びかけに反応し覚醒させやすいです。
「悪夢を見ているのか夜驚症なのかよく分からない」と迷ったら、この表で紹介されている特徴について確認してみると、どちらなのか判断しやすいのではないでしょうか。
夜驚症の主な症状

夜驚症には、次のような症状が見られます。
- 寝てから1〜3時間以内に突然起こる
- 突然大声で泣く、叫ぶ
- 目を開けているが意識がない
- 発作時に心拍数が上がり、汗をかく
- 怖がっているような表情をする
- 体を起こす、手足をばたつかせる
- 呼びかけても反応が弱い
- なだめても落ち着かない
- 翌朝になると本人は覚えていない
これらの症状が繰り返し見られる場合、夜驚症の可能性があります。
夜驚症は何歳くらいの子どもに多い?

夜驚症は、どれぐらいの年齢の子どもに多いのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
2歳や3歳の子ども
夜驚症は、2歳〜3歳ごろの子どもに特に多いとされています。
この時期は脳の発達がとても活発で、睡眠のリズムがまだ安定していません。そのため、深い眠りと浅い眠りの切り替えがうまくいかず、夜驚症が起こりやすいのです。
幼児期全般
3歳以降の幼児期においても、体調や生活リズム、環境の変化によって夜驚症が続くことがあります。ただし、多くの場合は成長とともに自然に減っていきます。
小学生の場合
小学生になると夜驚症は少なくなるのが一般的です。
しかし、次のような心や体にかかるストレスが強いと、再び夜驚症が起こることがあります。
- 学校生活での不安
- 人間関係の悩み
- 勉強や習い事による疲れ
小学生で夜驚症が見られた場合、心や体にストレスがあるのかもしれないと疑い、そのストレスを取り除いてあげようと努力することで、夜驚症が起きなくなるかもしれません。
夜驚症の原因

夜驚症の原因は一つではなく、いくつか複数の要因が重なって起こると考えられています。
脳の発達段階が未熟
睡眠中の人間の脳は、浅い眠りから深い眠り、そして覚醒へとスムーズに移行する機能を持っています。しかし、子どもの場合、この機能がまだ十分に成熟しておらず未熟なため、ノンレム睡眠中に脳が部分的に目覚めてしまい、、パニック状態に陥ると考えられています。
これは、成長と共に脳が成熟するにつれて、自然に改善していくことがほとんどです。
睡眠不足や生活リズムの乱れ
- 寝る時間が遅い
- 毎日寝る時間が違う
- 過度に疲れている
- 昼寝が長すぎる
- 風邪などで体温が上昇すると、睡眠の質が低下し、夜驚症の発作が起き得る
こうした状態は、夜驚症を起こしやすくします。
ストレスの影響
子どもは自分の気持ちを言葉でうまく表現できないことがあります。
保育園や幼稚園、学校での悩み、家庭環境の変化などのストレスが、夜驚症という形で表れることもあります。
遺伝的要因
家族の中に夜驚症などの睡眠障害を持つ人がいる場合、その人の子どもも発症しやすい傾向があります。
そういった場合には、遺伝が関与している可能性が指摘されています。
夜驚症が起きたときの正しい対処法

夜驚症が起きたとき、最も大切なのは無理に子どもを起こそうとしないことです。
落ち着いて見守る
夜驚症の症状が出ている子どもを強く揺すったり、大声で名前を呼んだりすると、子どもがさらに混乱することがあります。
ベッドから飛び降りたり走り出したり激しい動きをしている場合は、その動きを制止する必要がありますが、それ以外は、落ち着いてそっと見守りましょう。
安全を確保する
症状が出たときに、子どもが体を動かすことがあるため、周囲に家具など危ない物がないか確認し、安全を確保しましょう。
静かな声で安心させる
「大丈夫だよ」「いつもそばにいるよ」と、夜驚症の症状が出ている子どもに落ち着いた声でやさしく話しかけましょう。
多くの場合、子どもは数分から10分ほどで自然に落ち着き、再び眠りにつきます。
家庭でできる予防や改善の工夫

家庭でも夜驚症の予防や改善ができます。夜驚症を改善するために、家庭でどんなことができるかを紹介します。
規則正しい生活リズム
- 毎日同じ時間に寝起きし、睡眠不足を避ける
- 日中に適度な日光浴や運動を取り入れる
- 夕方から照明を少しずつ薄暗くする
- 寝る前はテレビやゲームを控える
シンプルなことのように思えますが、規則正しい生活リズムを作ることは、子どもの精神的な安定にもつながります。
日中、特に晴れた日は外に出て、適度に日光浴をしたり運動をしたりすることで、夜子どもの寝つきがよくなります。
夜寝る直前に部屋を暗くするのではなく、光の調整を利用して、夕方から照明を少しずつ薄暗くするのも効果的です。
寝る直前までテレビを観たりゲームをしたりすると、脳が睡眠モードになかなか切り替わりません。
テレビを観たりゲームをしたりするのは、就寝の30分ぐらいまでにしましょう。
寝る前の安心習慣
絵本を読む、軽く会話をするなど、寝る前に子どもの心が落ち着く時間を作ることが大切です。
何をしてあげたら精神的に落ち着くかは、子どもによっても違いますが、絵本を読んであげたり、軽く会話をしてあげて、心を落ち着かせてあげましょう。
子どもの安全を確保する
寝具周りの家具や硬い物を片付け、ベッドからの転落や家具との衝突によるケガを防ぎましょう。
子どもに夜驚症が起きると分かったら、子どもがけがをしないように安全を確保することが一番大事です。
ベッドからの転落を防ぐために、ベッドガードを設置するのも有効です。
ストレスをためにくい環境づくり
保育園、幼稚園、小学校などで何があったかを聞いてあげたりして、子どもの話をよく聞き、「そう思ったんだね」と子どもの気持ちをしっかり受け止めてあげましょう。
子どもに話しかけてあげて、気持ちを聞いてあげるだけでも、子どもは気持ちが軽くなり、精神的に楽になります。
病院を受診したほうがいいケース

夜驚症の多くは心配のいらないものですが、次のような場合は医療機関への相談をおすすめします。
- ほぼ毎晩のように頻繁に起こる
- 発作が30分以上続く
- 小学生や10代になっても頻繁に続く
- 危険な行動(ベッドから飛び降り・走り出すなど)がある
- 日中の眠気や疲労で生活に支障が出ている
- 発作後に意識が戻らない
- けいれんや失禁を伴う
- 他の睡眠障害が疑われる
- 強い不安がある
受診する科とポイント
- 最初はかかりつけ医へ:まずは小児科(子どもの場合)やかかりつけ医に相談しましょう。
- 専門医の紹介:必要に応じて小児神経科、精神科・心療内科などの専門医へ紹介されます。
- 受診時の準備:発作時の様子(時間、持続時間、行動など)を細かく記録したメモや動画を持参すると診断の助けになります。
小児科や睡眠を扱う専門医師に相談することで、心の安心につながることもあります。
夜驚症の原因や症状と対処法のまとめ
夜驚症は、2歳や3歳の子どもによく見られる睡眠のトラブルで、眠っている途中で突然、強い恐怖反応を示す睡眠障害の一種です。
深い眠り(ノンレム睡眠)から完全に目覚めないまま起こり、発作中の行動がとても激しく、危険な行動が多いのが特徴で、子どもはその出来事をほとんど覚えていませんし、
夜驚症の原因はひとつではなく、いくつか複数の要因が重なって起こると考えられています。「脳の発達段階が未熟」「睡眠不足や生活リズムの乱れ」「ストレスの影響」「遺伝的要因」などが、夜驚症の原因として考えられます。
夜驚症は成長とともに改善することが多いです。子どもの様子に親が驚くかもしれませんが、子ども自身は苦しさを覚えていないことがほとんどです。
2歳や3歳の子どもや幼児に夜驚症の症状が見られた場合は、様子を見ることで改善することが多いです。しかし、小学生に夜驚症が見られた場合、子どもが心身に何らかのストレスを感じているのかもしれないので、様子を注意してみましょう。
小学生の子どもの場合、学校生活での不安、人間関係の悩み、勉強や習い事による疲れなどで、ストレスを感じているのかもしれません。学校で何があったか聞いてあげて、子どもの気持ちを受け止めて寄り添ってあげるのも効果的です。子どものストレスを取り除いてあげるように最大限努力してみましょう。
夜驚症の症状が見られた際、病院を受診した方がいいケースもあります。「ほぼ毎晩のように夜驚症が起こる」「発作が30分以上続く」「小学生や10代にになっても頻繁に続く」「危険な行動がある」「日常生活や学校生活に影響が出ている」「発作後に意識が戻らない」といった場合や、子どものストレスを取り除こうとしてもうまくいかない場合は、病院を受診することをおすすめします。
病院を受診する場合、まずは小児科やかかりつけ医に相談しましょう。その際に、発作時の様子を細かく記録したメモや動画を持参すると、診断の助けになります。
一番大切なのは、子どもために規則正しい生活リズムを整え、ストレスをためにくい環境を作り、安全を確保しながら温かく見守ることです。もし強い不安を感じる場合は、ひとりで抱え込まず、専門家に相談しながら子どもの成長を支えていきましょう。
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