常に眠い子どもの様子に不安を感じる保護者の方へ

朝、しっかり寝たはずなのに授業中に居眠りをしてしまう。学校から帰ってくると疲れ果てて泥のように眠り、夕食の時間になってもなかなか起きられない。そんな子どもの姿を見て、どうしたのだろうと不安を感じている保護者の方は少なくありません。
最初は夜更かしが響いたのか、あるいは少し疲れが溜まっているだけだろうと思っていても、常に眠い状態が続くと、何か大きな病気が隠れているのではないか、あるいは学校で強いストレスを感じているのではないかと心配が募るものです。
周りの子どもたちが元気に放課後を過ごしているなか、自分の子どもだけがだるい様子で眠り続けているのを見ると、つい気合が足りないのではないかと言いたくなってしまうときもあるでしょう。しかし、子どもが常に眠いと訴えたり、実際に眠り込んでしまったりする背景には、本人の努力だけではどうにもできない理由が隠れていることがよくあります。
この記事では、小学生の子どもがなぜ常に眠いと感じるのかその原因を、医学的な視点や発達の特性、心理的なストレスなど、さまざまな角度から詳しく解説します。子どものSOSを正しく受け止め、家庭や専門機関でどのようなサポートができるのか、ともに考えていきましょう。
子どもが常に眠いのはなぜ?だるい眠気を引き起こす主な原因

子どもが日中、常に眠い状態にあるとき、まず見直したいのが日々の生活習慣と環境です。大人が想像する以上に、現代の子どもの生活はハードで、脳や体が休まる暇がないこともあります。
睡眠の質を左右する生活習慣のチェック
睡眠時間は足りているはずなのに眠いという場合、睡眠の質が低下している可能性があります。特に注意したいのが、寝る直前までスマートフォンやタブレット、ゲーム機を使用しているケースです。
画面から発せられるブルーライトは、睡眠を促すホルモンであるメラトニンの分泌を抑制してしまいます。これにより、脳が今は昼間だと勘違いしてしまい、体は寝ていても脳が覚醒したままという状態になりやすいのです。
また、寝室の環境も重要です。自閉スペクトラム症(ASD)の傾向がある子どもの場合、わずかな光や時計の音、パジャマのタグの感触などが気になって、深い眠りに入れないこともあります。本人が無自覚であっても、感覚的な過敏さが睡眠を妨げ、結果として翌日のだるい感覚や眠気に繋がっていることは珍しくありません。
1日のスケジュールが過密すぎる現代の子どもたち
学校の授業、宿題、習い事、塾。現代の小学生のスケジュールは非常に過密です。常に次に何をすべきかを考え、時間に追われる生活は、子どもの自律神経を緊張させ続けます。
特に、真面目で責任感が強い子どもほど、期待に応えようと限界まで頑張りすぎてしまいます。日中は緊張の糸が張り詰めているため眠気を感じませんが、その緊張がふっと切れたとき、あるいは慢性的な疲労が蓄積したときに、激しい眠気となって現れるのです。これは、脳が強制的にシャットダウンして心身を守ろうとしているサインとも言えます。
常に眠い症状の裏に隠れた病気や体質の可能性

あまりにも眠気が強い場合や、起き上がることが困難なほどだるい様子が見られるときは、体質や病気が関係している可能性があります。
睡眠時無呼吸症候群や過眠症のサイン
子どもにも睡眠時無呼吸症候群は起こります。原因の多くはアデノイドや扁桃の肥大です。寝ている間に一時的に呼吸が止まったり、浅くなったりすることで、脳が酸欠状態になり、睡眠の質が著しく低下します。
大きないびきをかいている、口を開けて寝ている、寝相が極端に悪いといった様子は重要なサインです。また、非常に稀ではありますが、日中に突然抗いようのない眠気に襲われるナルコレプシーなどの過眠症という病気もあります。これらは本人のやる気とは無関係な脳の機能の問題であるため、早期に医療機関を受診することが大切です。
起立性調節障害による朝のだるい感覚と強い眠気
小学校高学年から中学生にかけて増えてくるのが、起立性調節障害(OD)です。これは自律神経の働きが乱れることで、朝に血圧が上がらず、脳への血流が不足してしまう状態を指します。
この状態になると、朝は体が鉛のように重く、だるい感覚に襲われて起き上がることができません。午前中は意識が朦朧として常に眠い状態が続きますが、午後から夕方にかけて自律神経が整ってくると、元気になるのが特徴です。
周囲からは怠けている、夜更かしをしているからだと誤解されやすいのですが、これは本人の意思でコントロールできるものではありません。無理に起こそうとするとさらに症状が悪化することもあるため、適切な理解と医療的なサポートが必要です。
過度なストレスが原因で常に眠い状態になるメカズム

心と体は密接に繋がっています。精神的なストレスが、身体的な症状として眠気に現れることは、子どもによくある反応です。
心のSOSが眠気として現れるとき
人間は、耐え難いストレスや不安を感じたとき、無意識に自分を守るための防御反応を示します。そのひとつが逃避としての眠気です。
学校でのトラブル、友人関係の悩み、あるいは家庭内での緊張感など、子どもにとって辛い現実から逃れるために、脳が意識をぼんやりさせて感覚を麻痺させようとすることがあります。授業中に常に眠いという場合、もしかするとその環境自体が本人にとって大きなストレス源になっているのかもしれません。
学校生活や対人関係での緊張が脳を消耗させる
特に気にしすぎる性格の子どもや、周囲の顔色を伺って行動する子どもは、学校にいる間、常にアンテナを高く張っています。先生に怒られないように、友達に嫌われないように、みんなと同じようにできるように。こうした過度な適応を続けることは、大人が想像する以上に脳のエネルギーを消費します。
学校という場にいるだけでフルマラソンを走っているような疲労感を感じている子どもにとって、帰宅後の眠気や週末のだるい様子は、使い果たしたエネルギーを補給するための切実な時間なのです。
注意欠如多動症や自閉スペクトラム症と眠気の深い関係

発達の特性を持っている子どもの場合、その脳の仕組みそのものが眠気を引き起こしやすい要因となっていることがあります。
脳のエネルギー消費が激しい発達の特性
注意欠如多動症(ADHD)の子どもは、脳内の報酬系や注意を司るネットワークの働きに特性があります。常に周囲のあらゆる刺激に注意が向いてしまうため、脳が絶えずフル回転している状態です。
また、自閉スペクトラム症(ASD)の子どもは、聴覚や視覚などの感覚が非常に鋭い感覚過敏であることが多く、教室のざわめきや掲示物の鮮やかさなどが、常に刺激として脳に突き刺さっています。いわば常に情報の嵐の中にいるような状態です。普通に過ごしているだけで脳がオーバーヒートしやすいため、その反動として急激な眠気に襲われたり、慢性的なだるい状態が続いたりすることがあります。
感覚統合のつまずきによる姿勢保持の困難さと疲労感
脳に入ってくるさまざまな感覚情報を整理する感覚統合がスムーズにいかない子どもは、自分の体の位置を把握する固有受容覚や、バランスを保つ前庭覚が未発達な場合があります。
彼らにとって、椅子に座り続けることは、グラグラする平均台の上でバランスを取っているような難しさがあります。体幹を維持するために全身の筋肉を常に緊張させていなければならず、勉強以前に座っているだけで体力を使い果たしてしまうのです。授業中、背中を丸めて机に突っ伏していたり、常に眠い様子でボーっとしていたりするのは、決してやる気がないわけではありません。重力に逆らって姿勢を保つことが、それほどまでに過酷な作業であることを、私たちは理解してあげる必要があります。
家庭でできる具体的な眠気対策と環境調整のスモールステップ

子どもが常に眠い状態にあるとき、無理に起きなさいと促すのは逆効果です。まずは心身のエネルギーを充電し、睡眠の質を高めるための具体的なアプローチを家庭で取り入れてみましょう。
感覚的な刺激を減らして睡眠の質を高める工夫
発達の特性や感覚過敏がある子どもの場合、寝室の環境を整えるだけで眠りの深さが大きく変わることがあります。パジャマは本人がリラックスできる素材を選び、タグなどの刺激を避ける工夫が有効です。また、わずかな光でも脳が反応してしまうため、遮光カーテンで部屋を暗くし、時計の音などの環境音をできるだけ排除します。寝る1時間前にはデジタルデバイスを消し、副交感神経を優位にする時間を持ちましょう。
メタ認知能力を育み自分の疲れを客観的に把握する練習
子ども自身が自分は今どのくらい疲れれているのかを自覚することは、過度な消耗を防ぐための第一歩です。これを自分を客観的に見る力、メタ認知能力と呼びます。
例えば、今の疲れを10点満点で数値化する練習をしてみるのも良いでしょう。8点なら宿題を減らして早めに休むといった、自分を守るための具体的な対策に繋げることができます。最初からひとりで判断するのは難しいため、保護者の方が、今日は少し顔色が白っぽいけれど疲れは溜まっていないかな、と本人の状態を言葉にして伝えてあげることが大切です。
専門機関による多角的なサポートの重要性

家庭での工夫だけでは限界を感じるときは、専門機関の手を借りることを検討してください。第三者の視点が入ることで、状況が大きく好転することがあります。
正確なアセスメントと包括的なケア
子どもが常に眠い原因が何であるかを正確に見極めるには、専門家によるアセスメントが不可欠です。小児科や児童精神科、あるいは心理士による発達検査などを受けることで、子どもの得意不得意が数値として明確になります。診断名がつくかどうかに関わらず、特性を正しく知ることで、周囲も確信を持って接することができるようになり、子どもの自己肯定感が守られます。
また、専門的な支援の現場では、学習支援だけでなく、姿勢保持を助ける感覚統合療法や、対人ストレスを軽減するためのSST(ソーシャルスキルトレーニング)を取り入れた包括的なケアが行われます。これらは脳の情報の扱い方を整え、無駄なエネルギー消費を抑えることに役立ちます。
保護者のための相談機能
子どもの不調が続くと、保護者の方も自分を責めてしまいがちです。専門機関は子どもを支援する場であると同時に、保護者の不安を受け止める場でもあります。専門家と一緒に歩むことで、孤独な育児から抜け出し、心にゆとりを持って子どもと向き合えるようになります。親が余裕を持つことは、子どもにとって何よりの安心材料となり、眠気の原因となっている心理的ストレスの緩和にも繋がります。
常に眠い子どもの原因と対策についてのまとめ
子どもが常に眠いと訴え、だるそうにしている姿を見るのは親として非常につらいものです。しかし、その眠気は子どもが一生懸命に現代社会に適応しようとし、限界まで頑張っているからかもしれません。
子どもが眠気を訴える原因は一人ひとり異なります。子どもがなぜ眠いのか、その背景を理解することが大切です。
子どもの眠気に対する対応について、今回の内容をまとめると、以下の3点が特に重要です。
- 原因は多岐にわたる
- 環境を整え、SOSを認める
- 専門機関を頼る
生活習慣だけでなく、自律神経の乱れや発達特性による脳の疲労、心理的なストレスが隠れている可能性があります。
無理に起こすのではなく、睡眠の質を高める工夫をし、疲れているんだねと子どもの状態を丸ごと受け止めることが大切です。
保護者だけで抱え込まず、感覚統合やメタ認知の視点を持つ専門家とともに、多角的なサポートを取り入れましょう。
眠気の裏側にある理由を理解し、適切な環境を整えてあげれば、子どもは必ず自分なりのエネルギーの出し方を見つけていきます。焦らず、一歩ずつ、子どものペースに寄り添った支援を続けていきましょう。
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