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ABA、TEACCH、SSTって何???初めての早期療育選び

2015.10.29
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一社校スタッフの伊藤です。
子供の発達に不安を抱いたり、診断を受けた保護者の方は、「療育」という言葉を耳にしたり、早期療育を勧められた人もいらっしゃるかと思います。聞いたことはあるけれど、一体どんなことをするのをするのでしょうか?自分の経験も踏まえて、お伝えします。

私の息子が広汎性発達障害の診断を受けたのは約10年前、2歳半の時でした。はじめはああやっぱりと納得する気持ち、障害という言葉に絶望する気持ち、これから我が子の、家族の将来はどうなっていくのかという不安でいっぱいでした。その後、地域の療育センターで療育グループに参加するようになりました。

療育とは、ことばや身体機能など、発達に遅れや偏りのみられる子供について、生活への不自由をなくすよう、専門的な教育支援プログラムにのっとり、トレーニングしていこうとするものです。子供のつまずきに対して、その子がより生活しやすくなるように、周りがサポートしていくことです。

言葉や社会性などの能力を習得する時期に近い段階で、子供一人一人にあった療育を始めると、その後の社会適応力も高くなるといわれていて、その目的ややり方はいろいろあります。いくつかを簡単にご紹介します。

ABA(応用行動分析):伸ばしたい行動にはほめたり、ほうびを与えて伸ばし、抑えたい行動に対しては、ほうびを一切与えないことや、軽い不快を与えることによって抑える、ということを基本とする方法です。できない課題を細かく分け、できたらほめて、成功体験を重ねて自己肯定感を高めていいきます。

TEACCH:子供が健やかに安定して暮らしていけるようにすることを目的とし、発達障害の子供が抱えている認知のギャップを埋めて、子供の適応性をあげることにより、様々な技能を向上させていく方法。具体的には、部屋や空間の構造化を行って暮らしやすくしたり、絵や文字のカードを使ったコミュニケーションを子供に収録させていきます。

SST(社会生活技能訓練):自分の気持ちや要求を相手に伝わるように伝えたり、相手から言われたことに対応することができるようになるための生活技能訓練。具体的には、個別・または数名でチームとなり、ロール・プレイングを行います。生活の中で起こるような人とのやりとりの場面で、それぞれの役回りを決め、疑似体験することで、対応の仕方を学びます。
など、さまざまあります。

普通なら、いつの間にか排泄や言葉など、自然に身につくことのほとんどが、一向に習得できなかった私の息子。息子が療育を受け始めたのを機会に、自分なりに工夫して、自宅で私が先生になって息子にあれこれ教えようと力が入った時期がありました。どんなに教えようとしても、目も合わせず、じっとせず、椅子にさえ座ってくれず、イライラと不安ばかり募りました。周りのお子さんと比較しては、「なんでできないの?」、「普通は〇〇くらいはできるはずなのに。」と、一人で焦っては落ち込むことを繰り返していました。

それでは、親は何もできないのか、といったらそれは違います。私の場合、療育の先生に悩みを打ち明けた時に、「なんでできないのか」ではなくて、「どうやったらできるようになるか」を考えながら、一緒に遊んだりしつけをするようにアドバイスをいただき、徐々に前向きに考えられるようになりました。毎日の生活・習慣・遊びすべてが療育なのです。お子様と親子であやとりや折り紙、お絵かき、はさみやのりを使って紙工作を一緒に楽しむこともそうです。息子の場合、とにかく不器用でどれも1回では習得できないことだらけでしたが、何度も親や姉と遊ぶうちに、自分なりに少しずつやりかたを理解していきました。たとえば、鉛筆は遊びでピストルでバーンと撃つポーズをしたときに鉛筆を持ったら偶然うまく握ることができ、それをきっかけに正しい持ち方を覚えました。また、なわとびはグニャグニャしていて、なかなかうまく回せませんでしたが、フラフープを使って練習したら感覚がつかめたようで、下手なりに跳べるようになりました。

できないことに焦ったりせず、どうやったらお子様が分かるかなと工夫しながら親子で取り組み、ひとつひとつ、スモールステップで共に成長し、できる喜びを増やしていきましょう。

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