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自閉症スペクトラムの人のパーソナルスペースは狭い!?

2016.04.16
  • ASD(自閉症スペクトラム)
  • 発達障害
  • 支援方法・家庭での過ごし方

こんにちは。名古屋市・豊田市の発達障害専門の個別指導塾・児童発達支援のステラ幼児教室・個別支援塾です。

先日ヤフーニュースに興味深い記事が掲載されていました。
『12~19歳の自閉症スペクトラムの人とそうではない人が他者といる時にどれくらいの距離(間合い)を取るか、2種類の実験を行った。
① 研究者と被験者が離れた位置に立ち、研究者が被験者に近付いていって「これ以上近付かれると不快」と感じる地点を調べた。
② ①の逆で、被験者が研究者に近付き、被験者が「これ以上近付くのは不快」と感じる地点を調べた。
結果は、自閉症スペクトラムの人は80センチほどだったが、そうではない人は150センチほどだった。
自閉症スペクトラムの度合いが高くなるにつれ、対人距離が短いことがわかった。』
experiment
(実験イメージ)
 
一般的に自閉症スペクトラムの方は、コミュニケーションや対人関係が苦手と言われており、「人に近づくのが苦手」と思うかもしれませんが、人に近づきすぎてしまうということもあるのです。人との距離が短すぎるのもコミュニケーションの図り方としてはあまりよく思われません。
人にはパーソナルスペースというものがり、そのスペース内に人が入ってくると圧迫感や恐怖心を抱いたり、一方で好きな人だったらドキドキ感やロマンスが高まったりします。
 

パーソナルスペースとは?

ではパーソナルスペースとはどういうものなのでしょうか?
これは、コミュニケーションをとる相手が自分に近づくことを許せる、自分の周囲の空間(心理的な縄張り)を指します。
縄張りですから、ここに他人が侵入してくると防衛本能が働き、人は不快感や嫌悪感を抱きます。一方で、逆に親しい相手や好意を寄せている相手であれば、容易に受け入れることが出来ます。
相手に応じて、その距離感を使い分けているのです。
 
アメリカの文化人類学者エドワード・ホール(Edward Hall)は、相手との関係と距離感を以下の4つに分類しています。
 

4つの距離帯

1・密接距離(intimate distance):0cm〜45cm
・身体に容易に触れることが出来る距離
・家族、恋人など、ごく親しい人がこの距離にいることは許されるが、それ以外の人がこの距離に近づくと不快感を伴う
 
2・固体距離(personal distance):45cm〜120cm
・二人が共に手を伸ばせば相手に届く距離
・友人同士の個人的な会話では、この程度の距離がとられる
 
3・社会距離(social distance):120cm〜360cm
・身体に触れることは出来ない距離
・あらたまった場や業務上上司と接するときにとられる距離
 
4・公衆距離(public distance):360cm以上
・講演会や公式な場での対面のときにとられる距離
パーソナルスペース
(ofeeより引用 – http://ofee.tank.jp/portable-territory/)

この一般的な距離感は、文化差・男女差・おかれている状況によっても変わってきます。欧米人は日本人よりも、女性は男性よりもパーソナルスペースは狭いと言われています。
人によって距離感の感じ方は多少違うとは思いますが、極端に近すぎると対人関係に支障が出ることも考えられます。特に男性対女性や仕事での関係などは気を付けなければいけない場面の一つであります。
 
自身の距離感を再確認することは、社会で円滑なコミュニケーションを築くための第一歩なのではないでしょうか。
パーソナルスペースを意識して心地よいコミュニケーションを築くひとつの方法にしていけるとよいですね。
 
[参考文献]
・パーソナルスペース
http://health.goo.ne.jp/mental/yougo/025.html

・自閉症の人は対人距離が短いことが判明――東大など
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160131-00000031-economic-sci

・関連記事
http://asdweb.net/1st-zero-stance

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