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【癇癪とは?】子どもや大人が突然怒り出す理由と正しい対応法とは

2025.08.07
  • 発達障害
  • 支援方法・家庭での過ごし方

「些細なことで突然怒り出す」「思い通りにならないと手がつけられない」──

そんな「癇癪(かんしゃく)」に悩んでいませんか?

子どもが泣き叫んだり暴れたりする癇癪、大人でも感情のコントロールができずに激昂してしまう…。
日常生活の中で起こる癇癪は、家族や周囲の人にとって大きなストレスになります。

本記事では、

癇癪持ちの特徴とは?
子どもと大人の癇癪の違い
癇癪を起こす原因と背景
発達障害との関連性
正しい対応と支援の方法

について、専門的視点と具体的なアドバイスを交えてわかりやすく解説します。

目次

癇癪(かんしゃく)とは?

癇癪とは、怒りや悲しみなどの強い感情をうまくコントロールできず、爆発的に感情が表に出てしまう状態のことをいいます。

特に子どもの場合は、感情の発達が未熟なため、癇癪を起こすことは珍しくありません。
しかし、大人になっても癇癪が頻繁に見られる場合は、性格や心理的要因、発達障害などの背景があることも考えられます。

癇癪持ちの特徴とは?

癇癪持ちの人には、共通する特徴があります。

子ども・大人に共通する癇癪の特徴

●感情のコントロールが苦手
●些細なことで怒りやすい
●ストレス耐性が低い
●衝動的な行動を取りやすい
●他者とのトラブルが多い
●自己中心的に見えることがある

これらの特徴は、「わがまま」「性格の問題」と片づけられがちですが、実際には発達段階や神経発達の違い、環境要因などが関係していることもあります。

子どもと大人の癇癪の違い

癇癪は子どもと大人で性質や周囲の捉え方が異なります。

子どもの癇癪 大人の癇癪
感情の発達が未熟で、些細なことに過敏に反応。 衝動性が高く、怒りを爆発させやすい。
発達障害の傾向があるとより顕著。 背景にストレスや障害特性があることも。
「成長の一環」と見なされやすく、支援を受けやすい。 「自己管理ができない人」と見られがちで、社会的な批判を受けやすい。
保護者・教育者の理解と専門支援が重要。 周囲の理解と心理的サポート、適切な環境調整が必要。


大人の癇癪は「社会性の問題」として誤解されやすく、本人も苦しんでいる場合が多いため、支援体制の構築が求められます。

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子どもが癇癪を起こす原因

子どもの癇癪は「単なるわがまま」ではなく、多くの複合的な要因が絡み合って起きています。

ここでは、癇癪の主な原因を4つの視点から解説します。

1. 生活習慣の乱れ

●睡眠不足

●不規則な食生活

●運動不足

これらは情緒の安定に大きく関係します。特に小さな子どもは、基本的な生活リズムが乱れると癇癪を起こしやすくなります。

📌 対策:
毎日のスケジュールを整え、十分な睡眠・バランスの良い食事を心がけましょう。

2. 欲求不満・心理的ストレス

●自分の思い通りにならない

●認めてもらえない

●感情をうまく伝えられない

子どもは、自分の気持ちを言葉で伝える力が未発達なため、不満やストレスが癇癪という形で現れることがあります。

📌 対策:
子どもの感情に共感し、「〇〇がイヤだったんだね」と言葉にしてあげることで、癇癪を予防することが可能です。

3. 環境要因(家庭・学校など)

●引っ越し、転園、転校

●家庭内の不和

●いじめや人間関係の悩み

生活環境の変化やストレスフルな状況は、子どもの情緒に大きな影響を与えます。

📌 対策:
子どもが安心して過ごせる環境を整えることが、癇癪の軽減につながります。

4. コミュニケーションの難しさ

●言葉の発達が未熟

●自分の気持ちを表現できない

●自分の思いが伝わらない

言語化が難しい幼児期や、発達障害のある子どもは、思いが伝わらずフラストレーションを溜めて癇癪につながることが多いです。

📌 対策:
ジェスチャーや絵カードなど、代替的なコミュニケーション手段を活用しましょう。

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癇癪と発達障害の関係

癇癪が激しく、日常生活に支障が出るレベルの場合、発達障害の特性が影響している可能性があります。

よく見られる発達障害と癇癪の関係

自閉スペクトラム症(ASD)

●感覚過敏(音・光・触感など)

●環境の変化への強い抵抗

●自分のペースが崩れると混乱し癇癪を起こす

注意欠如・多動症(ADHD)

●衝動的に行動してしまう

●待つことが苦手でイライラしやすい

●自分の欲求を我慢できない

どちらも「本人の努力不足」ではなく、脳の特性に基づく行動です。

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保護者や周囲の大人ができること

子どもの癇癪への対応方法

癇癪が起こりやすい状況をできるだけ避けても、防ぎきれず、癇癪が起こることもあります。
そのような場合、どうすればよいのでしょうか?

安全の確保

癇癪を起こした子どもは興奮状態にあり、自分自身や周囲の人を傷つける可能性があります。
まずは安全を確保することが最優先です。安全な場所に移動しましょう。

落ち着くまで待つ

癇癪が起きたときは、冷静な対処が大切です。
安全が確保できたら、しばらく様子をみましょう。
本人でもコントロールできない状態ですが、時間が経てば自然に収まることが多いものです。

注意したいのは怒鳴ったり、叩いたりする行為です。
子どもの心を傷つけ、信頼関係を損なう可能性があります。
気持ちが落ち着くまで静かに見守り、できるだけ冷静に接しましょう。

気持ちを代弁・共感する

子どもはイライラした気持ちや怒りでいっぱいになっています。
そのような場合、子どもの気持ちを代弁したり、共感してあげることが大切です。
例えば、「〇〇にイライラしてるんだね」「怒ってるのわかるよ」などと言葉にしてあげましょう。
目を見て話を聞くことも重要です。

癇癪後の対応策

癇癪を起こした後は、ただ叱るだけでは逆効果です。
落ち着きを取り戻すまで待ち、癇癪を起こした原因について一緒に振り返ってみましょう。

原因がわかれば、二度と同じ状況にならないように対策をしっかり立てましょう。
また、癇癪を起こしたときにどうすればいいのか、話し合うことも大切です。

落ち着いたことを褒める

落ち着いたら、そのこと自体を褒めてあげましょう。
「落ち着いたね」「今はもう大丈夫だね」など、その状態を認めてあげることが大切です。

イライラの原因を共に振り返る

なぜ癇癪を起こしてしまったのか、一緒に振り返ってみましょう。
自分自身の気持ちをうまく表現できない場合は、大人がサポートすべきです。
子どもの気持ちを代弁し、共感することで、なぜ癇癪を起こしたのかを探りましょう。

例えば、以下のような質問を投げかけてみましょう。

• どんな時にイライラした?
• どうしてイライラしたの?
• どんなことがしたかったの?
• どうしたらよかったと思う?

最初は上手く答えられないかもしれませんが、気持ちに寄り添い、繰り返すことで、子ども自身も自分の気持ちに少しずつ気づけるようになります。

また、原因を振り返ると同じような状況を避けるヒントが得られます。
例えば、宿題をする際にイライラする場合、解き方がわからない、量が多い、遊ぶ予定があるなど、特定した原因によって対応の仕方も変わります。

一緒に原因を振り返って気持ちを理解し、癇癪の予防策を立てていきましょう。

大人の癇癪にも理解が必要

癇癪は子どもだけの問題ではありません。
大人でも、強いストレスや神経特性の影響で癇癪を起こすことがあります。

●自分の感情を抑えられず暴言・暴力が出る

●社会生活や人間関係に支障が出る

●癇癪の後、自己嫌悪に陥るケースもある

📌 対策として有効なこと

●カウンセリングなど専門的な支援の活用

●認知行動療法などでの感情コントロール訓練

●職場や家庭での理解ある関係づくり

癇癪を単なる「性格の問題」や「甘え」と切り捨てるのではなく、根本原因に目を向けて対応していくことが重要です。

まとめ|癇癪は「理解」と「対応」で減らすことができる

癇癪は、子どもでも大人でも誰にでも起こりうる感情の爆発です。
しかし、その背景には生活習慣の乱れや心理的ストレス、発達特性など、さまざまな要因が潜んでいます。

適切な理解と対応によって、
子どもの情緒の安定
大人の社会適応
家庭内の安心感
を取り戻すことができます。

特に子どもの癇癪に悩む保護者の方は、「ダメな親なのでは」と自分を責めるのではなく、まずは子どもの特性を知り、必要に応じて専門機関に相談することをおすすめします。

癇癪は、「困った行動」ではなく、「困っているサイン」かもしれません。

寄り添う姿勢こそが、最も効果的なサポートです。

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