子どもが何を言っても「イヤ!」と返してくる。それが「イヤイヤ期」です。
「イヤイヤ期」は、育児のなかでも特に大変な時期だと感じている方も多いのではないでしょうか。「イヤイヤ期」は成長の証とはわかっていても、毎日繰り返される「イヤ!」に心が折れそうになることもあるでしょう。
この記事では、「イヤイヤ期はなぜ起こるのか?」という根本的な疑問に加え、効果的な対処法や接し方、さらには「いつまで続くのか」など、多くの保護者の方が知りたいポイントを詳しく解説していきます。ぜひ最後まで目を通してみてください。
イヤイヤ期とは?
イヤイヤ期とは、主に1歳半〜3歳ごろの子どもに見られる行動のひとつで、「自分の意思を持ち始めた」ことによって、親や周囲の大人の言うことに対して反発するようになる時期です。
「おむつ替えしようね」に対して「イヤ!」
「お片付けしてね」に対して「イヤ!」
「じゃあ、遊んでいいよ」に対して「イヤ!」
というように、何を言っても「イヤ」と返されるため、「何を言ってもダメなんじゃないか…」と感じる保護者の方も多いでしょう。
イヤイヤ期はなぜ起こるのか?
子どもが突然「イヤ!」を連発し始めるのには、ちゃんと理由があります。まず知っておいてほしいのは、「イヤイヤ」はわがままやしつけの失敗ではないということ。
これは、子どもの脳や心の発達によって自然に起こる現象なのです。イヤイヤ期が起こる詳しい理由について、詳しく見ていきましょう。
自我の芽生え
人間は成長するにつれて「自分」という意識を持つようになります。1歳半~2歳ごろになると、「自分の考え」や「自分のやりたいこと」が出てきます。しかし、言葉や感情のコントロールが未発達なため、それをうまく表現できず、「イヤ!」という簡単な言葉で反抗しているのです。
言葉と感情のギャップ
この時期の子どもは、「思っていること」と「言葉」が一致していないことが多くあります。つまり、「本当はこうしたい!」という気持ちがあるのに、それを言葉にできないもどかしさから、「イヤ!」という反応になってしまうのです。
成長のプロセスとして避けられない
イヤイヤ期は、自己主張や意思決定、社会性の発達にとって非常に重要なステップです。むしろ「何でも従ってばかりでイヤイヤしない子」の方が、心の中でストレスを溜め込んでいる可能性すらあります。
つまり、「イヤイヤ期はない方がいい」と思うかもしれませんが、実は「イヤイヤ期がない」のが必ずしも良いとは限らないのです。
いつからいつまでイヤイヤ期は続くのか?
次に、イヤイヤ期はいつからいつまで続くのかを見ていきましょう。イヤイヤ期の始まりと終わりには個人差がありますが、一般的には以下のような期間が多いとされています。
- 始まり:1歳半ごろ
- ピーク:2歳〜2歳半
- 終わり:3歳〜3歳半ごろ
中には4歳近くまで続く子もいれば、「ほとんどイヤイヤ期がなかった」という子もいます。
ただし、表面上は落ち着いていても、内面で葛藤しているケースもあるため、見えないストレスに配慮することも大切です。
イヤイヤ期がないのは大丈夫?
イヤイヤ期はいつからいつまで続くのかについて解説しましたが、うちの子はその年齢に達しているのに、イヤイヤ期の兆候が見られないとおっしゃる方もおられるかもしれません。
結論から言ってしまうと、イヤイヤ期がほとんど見られなくても、あまり深刻に捉えなくても大丈夫なケースが多いです。イヤイヤ期がほとんどない理由としては、主に次のようなことが考えられます。
- 個人差や個性の違い
- イヤイヤ以外の別の形で自己主張しているから
- 親の養育環境により感情を抑圧されているから
上記に挙げた主な理由のうち、1番目と2番目については、ほとんど気にしなくても大丈夫です。
しかし、3番目の理由に思い当たる節があるなら、注意を払う必要があります。子どもが感情を抑圧されて自分を表現するのを抑えているなら、その原因となっているものを取り除いてあげる努力をしてみましょう。
親ができる対処法5選
イヤイヤ期の子どもに対して、頭ごなしに叱ったり、無理に従わせようとすると、かえって反発が強くなったり、親子関係が悪化したりする恐れがあります。では、子どものイヤイヤ期にどう接するのが良いのでしょうか。
親ができる5つの対処法を紹介します。
子どもに選択肢を与える
「お風呂入ろうね」に対して、子どもが「イヤ!」と答えた場合は、
⇒「お風呂はパパと入る?ママと入る?」「お風呂のおもちゃはアヒルさん?お魚さん?」のように、いくつか選択肢を提示します。
そうすると、子どもは自分でその選択肢を選び、それを自分で選んだと感じてスムーズに行動できることがあります。
感情に寄り添う
子どもが何かに対して「イヤ!」と言ったときは、まず「そうか、○○したくなかったんだね」と共感を示すだけでも、子どもの心は落ち着きやすくなります。否定せず、まず子どもの「気持ちを受け止める」ことが大切です。
〇〇しようねとポジティブに伝える
「走らないで!」よりも「歩こうね」、「泣かないで!」よりも「どうしたの?お話してくれる?」など、頭ごなしに「○○しないで」と禁止するのではなく、「○○しようね」とポジティブな表現で伝えることで、子どもも素直に受け取りやすくなります。
時間と心にゆとりを作る
子どもがイヤイヤしそうな場面では、あらかじめ時間に余裕を持たせて行動することがポイントです。急かすと余計に反発してしまうため、スケジュールに「ゆとり」を持たせるのも有効です。スケジュールに時間的な「ゆとり」を持たせることで、親も子どもも心に「ゆとり」が生まれます。
環境でコントロールする
「お菓子は食べさせたくないけど、見えるところにある」といった状況では、子どもは当然「食べたい!」と主張します。物理的に手の届かない場所におやつを置くなど、環境の面でコントールする工夫も一つの立派な対処法です。
上記の対処法を講じても、子どもは一人ひとり個性があるので、イヤイヤ期の対応がうまくいかないときもありますよね。
子どもの対応に悩んだときは、ステラ幼児教室にご相談ください。
イヤイヤ期の接し方で大切な3つの心得
イヤイヤ期は、親にとっても「忍耐力が試される時期」ですが、ここでの接し方が今後の子どもの自己肯定感や親子関係に大きく影響します。イヤイヤ期の接し方で大切な心得を紹介します。
完璧を目指さない
「毎回うまく対応できない…」と落ち込む必要はありません。うまくいかない日もあって当然です。大切なのは、「昨日より少し落ち着いて接することができた」といった小さな進歩を認めること。
自分を責めない
子どもが何度もイヤイヤすると、「自分の育て方が悪かったのかな…」と自責の念に駆られることがありますが、それはまったくの誤解です。イヤイヤ期は、育て方によって「起こる」「起こらない」が決まるわけではありません。
ひとりで抱え込まない
パートナーや家族、保育園の先生など、周囲の大人と協力しながら進めることが大切です。「イヤイヤ期がつらい」と感じるのはあなただけではありません。思い切って誰かに頼ってみましょう。
子育てに悩んだときは、子育てセンターや地域の保健センターなど相談できる機関があります。ステラ幼児教室でもイヤイヤ期の子育てに悩む保護者をサポートしています。
イヤイヤ期の理由と対処法のまとめ
イヤイヤ期は、子どもの「自立の一歩」であり、「自己主張のはじまり」です。大変ですが、この時期をどう乗り越えるかによって、子どもの心の土台や、親子の信頼関係が築かれていきます。最後に、この記事の内容をまとめると、下記のようになります。
イヤイヤ期が起こる理由は、主に「自我の芽生え」、「言葉と感情のギャップ」、「成長期のプロセス」の3つです。
イヤイヤ期の対処法としては、「子どもに選択肢を与える」、「感情に寄り添う」、「〇〇しようねとポジティブに伝える」、「時間にゆとりを作る」、「環境でコントロールする」の5つの方法が考えられます。
イヤイヤ期の接し方で大切な心得としては、「完璧を目指さない」、「自分を責めない」、「ひとりで抱え込まない」の3つの心得を心に留めておいてください。
それでも、子育てに悩んだときは、プロの専門機関に相談することをおすすめします。
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