保健所と保健センターの違いは?

子育てをしていると、乳幼児健診や予防接種などで地域にある公的な施設を利用する機会がよくあります。なかでも保健所や保健センターという名前を耳にすること、または実際に足を運ぶことは多いのではないでしょうか。
特に1歳6ヶ月児健診や3歳児健診などのタイミングで、子どもの発達について少し気になることがあるとき、専門の窓口として紹介されるのがこれらの施設です。しかし、名称がよく似ているため、どちらに相談すれば良いのか、そもそも何が違うのかと疑問を感じる保護者の方も少なくありません。
もしあなたが今、子どもの成長について情報収集を始めているのであれば、まずはこれらの施設の違いを正しく知ることが、適切な支援に繋がる第一歩となります。
この記事では、保健所と保健センターの違いを簡単に、そしてわかりやすく解説します。厚生労働省が定めるそれぞれの役割や、在籍しているスタッフの違いを整理することで、保護者の方と子どもにとって最も身近で頼りになる窓口がどこであるかが見えてくるはずです。
保健所と保健センターの違いを簡単にわかりやすく解説

保健所と保健センターは、どちらも地域住民の健康を守る拠点ですが、その役割や業務の内容には明確な差があります。まずは混乱しやすいポイントを整理してみましょう。
厚生労働省が定めるそれぞれの設置目的
保健所と保健センターの違いでわかりやすいのが、厚生労働省の管轄のもとで定められた設置目的です。
保健所は地域保健法に基づき、都道府県や政令指定都市などが設置します。その目的は、公衆衛生の向上や増進を図ることにあります。一方で保健センターは市町村保健センターとして、より生活圏に近い市区町村が設置する施設です。
簡単に言うと、保健所は専門的・技術的な拠点としての役割が強く、保健センターは住民に直接的なサービスを提供する拠点としての役割を担っているという違いがあります。
都道府県が運営する保健所と市区町村が運営する保健センター
運営主体の違いは、そのまま私たちが受けるサービスの内容に反映されます。
保健所は都道府県などが運営しているため、複数の市町村をまたぐ広いエリアを受け持っています。そのため、食中毒の調査や感染症対策、難病の支援など、広域的で高度な専門性が求められる業務が中心です。
対して保健センターは市区町村が運営しているため、より地域に密着しています。私たちが住んでいる町の中で、健康相談や保健指導、そして乳幼児健診など、日々の生活に寄り添ったサポートを行ってくれるのが保健センターです。
管轄エリアが広域か地域密着かという違い
このように、保健所は広域、保健センターは地域密着というキーワードで分けると非常にわかりやすくなります。
例えば、新しい感染症が流行した際や、病院などの医療施設の監督、さらには精神保健に関する専門的な相談など、地域全体の安全と高度な支援に関わるのが保健所です。一方、赤ちゃんが生まれたあとの家庭訪問や定期的な健診、離乳食教室、そして子どもの発達に関する身近な相談などは保健センターが担当します。
子どもの発達についてどこに聞けば良いのかなと迷ったとき、まず名前が挙がるのは、より個別で身近なサポートを得やすい保健センターとなります。
保健センターの役割と専門スタッフの特徴

保健センターは、子どもを育てる保護者にとって最も関わりの深い場所のひとつと言えます。ここでは、具体的にどのようなスタッフがサポートをしてくれるのかを見ていきましょう。
乳幼児健診や母子保健事業を支える身近なスタッフ
保健センターのメインとなる業務のひとつが母子保健事業です。妊娠届の受理から母子健康手帳の交付、そして子どもが生まれてからの乳幼児健診などは、すべて保健センターが窓口となります。
健診のとき、子どもの身長や体重を測ったり発育の様子を確認したりしてくれるのは、保健センターに在籍するスタッフたちです。彼らは地域の子どもの成長を継続的に見守る、心強いパートナーと言えるでしょう。
保健師や管理栄養士など地域に根ざした専門家
保健センターにはさまざまな専門スタッフが在籍しています。
- 保健師
地域の健康づくりのリーダーであり、育児不安や発達の悩みに対して家庭訪問や面談を通じて総合的にアドバイスをしてくれます。 - 管理栄養士
離乳食の進め方や子どもの偏食など、食事に関する専門的な相談に乗ってくれます。 - 歯科衛生士
乳幼児期の歯の健康や正しいブラッシング指導などを行ってくれます。
スタッフはひとりひとりの状況に合わせ、具体的で実践的な助言をくれるため、不安なことがあればぜひ遠慮なく話してみてください。
子どもの発達相談における保健センターの重要性
保健センターは、子どもの発達について最初に相談する総合窓口としての役割が非常に重要です。
健診の結果や日々の育児のなかで、目が合いにくい、言葉がなかなか出てこない、落ち着きがないといった不安を感じたとき、保健師や心理相談員が丁寧にお話を聞いてくれます。
必要に応じて、臨床心理士による発達検査を保健センター内で受けられる場合もあります。そこで子どもの特性を客観的に捉え、どのような環境調整やサポートが必要かを一緒に考えてくれるのです。
保健所の役割と保健センターとの連携の仕組み

保健所と保健センターは、別々の施設ですが密接に連携しています。保健所の役割を知ることで、地域の支援ネットワークの全体像を把握することができます。
厚生労働省が管轄する難病や感染症対策などの専門業務
保健所は、厚生労働省の指針に基づき、より専門的で広域な健康課題を扱います。
具体的には、難病を抱える方への医療費助成や療養支援、結核などの感染症の予防、HIV検査などの専門的な検査業務などが挙げられます。また、飲食店への営業許可や医薬品の販売に関する監視など、地域全体の公衆衛生を守る役割を果たしています。
精神保健福祉士などのスタッフが在籍する保健所の特徴
保健所には、保健師のほかに精神保健福祉士などの専門スタッフが在籍していることも大きな特徴です。
不登校やひきこもり、高次脳機能障害など、心の健康や社会復帰に関する高度な支援が必要な場合、保健所が中心となって相談に応じることがあります。子どもの発達においても、非常に専門的な医療や福祉の知見が必要なケースでは、保健所がバックアップをすることもあります。
保健所と保健センターが協力して子どもを支える体制
保健所と保健センターは、役割を分担しながら子どもと家族を支えています。
例えば、保健センターでの乳幼児健診を通じて高度に専門的な療育支援が必要と判断された場合、保健センターが保健所や専門医療機関と連携し、より手厚いサポートに繋げていく仕組みがあります。
保護者の方が最初からどちらか一方で迷いすぎる必要はありません。地域の窓口である保健センターに相談をすれば、必要に応じて適切な機関へとスムーズに案内してくれるからです。
子どもの発達が気になったときの相談先はどちらか

実際に子どもの発達が気になると感じたとき、どちらの扉を叩けば良いのかを具体的に考えてみましょう。
まずは地域の保健センターへ相談すべき理由
結論から言うと、発達に関する最初の相談先は保健センターが最適です。
保健センターは妊娠期から乳幼児期にかけての健診や面談を通じて、子どもの成長記録を最も詳しく把握している場所だからです。また、市区町村が運営しているため、地域の療育資源や教育機関との連携もスムーズに行うことができます。
言葉が遅い気がする、お友達とうまく遊べないといった悩みに対して、専門スタッフがこれまでの経過をふまえ親身に話を聞いてくれます。特徴があるので
自閉スペクトラム症や注意欠如多動症の疑いがあるとき
もし、子どもに自閉スペクトラム症(ASD)や注意欠如多動症(ADHD)など発達障害の特性があるのではないかと感じている場合でも、まずは保健センターに相談してください。
発達障害の診断は医師が行いますが、診断を受けるべきかどうかの判断や、待機期間中にできるサポートを一緒に考えてくれるのが保健センターです。
多くの自治体では心理判定員などの専門スタッフが在籍しており、必要に応じて発達検査の実施や専門クリニックへの紹介状の作成を行ってくれます。
保健センターから専門医療機関や療育へ繋がる流れ
相談後の流れは、一人ひとりの状況に合わせて組み立てられます。
詳しい評価が必要と判断された場合は専門医療機関を案内されます。また、診断の有無にかかわらず、集団生活での困りごとを減らすために、次にご紹介する療育というステップを提案されることもあります。
保健センターは単なる窓口ではなく、子どもが適切な支援を受けるためのハブとしての役割も担っています。
発達をサポートする療育の専門機関とは

保健センターなどで相談したあと、多くの方が耳にするのが療育という言葉です。これは、子どもの特性に合わせて生活のしにくさを解消し、得意を伸ばすための大切なサポートです。
未就学児が通う児童発達支援事業所
児童発達支援事業所は、0歳から小学校入学前までの子どもを対象とした施設です。
ここでは保育士や作業療法士、言語聴覚士などのスタッフが遊びを通して発達を促します。 例えば、身体の使い方がぎこちない子どもに対しては感覚統合の視点を取り入れた運動遊びを行ったり、言葉の発達がゆっくりな子どもに対しては言葉を促す遊びをしたり、コミュニケーションに課題がある子どもに対してはSST(ソーシャルスキルトレーニング)を通じてお友達との関わり方を練習したりします。
事業所により、個別療育を行っているところもあれば、集団療育や小集団療育を行っているところもあります。
早期に適切な環境を整えることは、子どもの成長と発達に繋がり、子どもの自信や自己肯定感を育みます。
小学生から高校生までを対象とした放課後等デイサービス
小学校に入学したあとに利用できるのが放課後等デイサービスです。
学校が終わったあとや長期休暇中に、個別または集団で、生活能力向上のための訓練や、対人関係やコミュニケーションなど個々の課題に合わせて、サポートを行っています。
自分を客観的に見る力であるメタ認知能力を育てるトレーニングや、感覚統合を目的とした運動プログラムなどを取り入れるなど、事業所により特色はさまざまです。
利用に関しては、障害者手帳を所持している、学校で支援学級や通級を利用している、障害の診断がおりているなど、条件が自治体によって異なることがあるので、利用申請前に窓口に確認しておくとよいでしょう。
幼児期に児童発達支援を利用していた子どもでも、小学校から通常学級に所属し、療育の必要性がないと自治体に判断された場合、放課後等デイサービスを利用できないケースもあります。
以前に、障害のある子どもに提供されていた日中一時支援のサービスは、今、児童発達支援や放課後等デイサービスに移行しています。
専門的な視点を持つ民間療育や個別支援塾の役割
児童発達支援や放課後等デイサービスのような公的なサービスのほかに、民間が運営する療育教室や個別支援塾もあります。
これらは専門的なプログラムや、個々の特性に特化したアプローチを強みとしているのが特徴です。例えば言語訓練や、学習支援、運動支援、プログラミングなど、より個々のペースに応じて、柔軟かつ専門的なプログラムを提供しているところが多いです。
今、この困りごとを解決したいという願いに、より柔軟に応えてくれる選択肢のひとつと言えるでしょう。
療育を利用するために必要な受給者証の手続き

児童発達支援や放課後等デイサービスを利用する際、避けて通れないのが受給者証の申請です。これは自治体から発行される福祉サービスの利用許可証のようなものです。
受給者証の役割と所得に応じた負担上限額
受給者証があることで、療育にかかる費用の9割が公費で賄われ、自己負担は原則1割となります。また世帯所得に応じてひと月あたりの負担上限額が決められているため、安心して通うことができます。
また、2019年より、年少から年長児の児童発達支援の利用は無償化され、幼児期に通いやすくなっています。自治体によっては、0歳から2歳までの利用も助成され、無料で利用できる市区町村もあるため、お住まいの自治体で確認しておくとよいでしょう。
申請から交付までの具体的な流れ
申請の手続きはお住まいの市区町村の窓口で行います。
まずは保健センターや専門医による意見書が必要になるケースが多いです。その後、自治体の調査を経て支給決定がなされます。交付までには1ヶ月程度かかることもあるため、
療育を検討し始めたら早めに相談しておくとスムーズです。
大阪市の受給者証申請についてはこちら https://www.stella-edu.com/column/c_osaka_jukyusyasho/
名古屋市の受給者証申請についてはこちら https://www.stella-edu.com/kids/procedure/
ステラ幼児教室では、受給者証の申請前でも、見学やご相談に応じています。
お気軽にご相談ください。
保健所と保健センターの違いについてのまとめ
保健所と保健センターの違いを知ることは、適切な支援へと繋がる確かな道しるべとなります。
保健所は厚生労働省の管轄のもと、専門性の高い課題を扱う広域の拠点です。一方の保健センターは、私たちの最も身近な場所で子どもの発達や健康を支えてくれる地域密着の拠点です。
もし子どもの成長について気になることがあれば、まずは地域の保健センターへ足を運んでみてください。そこにはあなたと子どもの味方になってくれる専門スタッフがいます。
そして具体的なサポートが必要だと感じたときは、ぜひステラ幼児教室のような専門の療育機関も頼ってください。お気軽にいつでもご相談ください。
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