「先生や親の話を聞いているはずなのに、内容が全然頭に残らない」
「何度も説明してもらっているのに理解できない」
このような悩みを抱えている人は、実は少なくありません。
本人は真剣に聞こうとしているのに、なぜか集中できず、後から「何を言われたんだっけ?」となってしまう。これは決して珍しいことではなく、子どもから大人まで多くの人が経験します。
人の話が頭に入らない状態が続くと、仕事や人間関係に支障が出たり、「自分は能力が低いのではないか」と自信を失ったりすることもあります。
しかし、人の話が頭に入らないのは、性格や努力不足だけが原因ではありません。ぼーっとしてしまう状態、ストレス、病気、発達障害などさまざまな要因が関係している可能性があります。
この記事では、人の話が頭に入らない原因は何か?ぼーっとしているなど見られやすい様子、発達障害や病気などとの関係、話が頭に入らない場合の対処法を分かりやすく解説します。
人の話が頭に入らないとはどういう状態?

「人の話が頭に入らない」とは、単に聞こえていない状態ではなく、言っていることは聞いてはいるものの、理解・整理・記憶がうまくできない状態を指します。
具体的には、次のような感覚を伴うことがあります。
- 人の話を聞いているのに内容が理解できない
- 話を聞いている途中で、意識が別のことに向いてしまう
- 聞き終わった直後なのに内容を思い出せない
- ぼーっとしてしまい、人の話についていけない
- 要点がつかめず、話が長く感じる
こういった状態は「聞く意志がない」わけでも、「やる気がない」わけでもありません。
多くの場合、脳や心の働きがうまくかみ合っていないことが原因です。
これらは一時的に誰にでも起こりますが、頻繁に起こる場合や、日常生活に影響が出ている場合は注意が必要です。
ぼーっとすることと集中力の関係

「ぼーっとする」状態は、人の話が頭に入らないときによく見られます。
「ぼーっとする」とは、意識がはっきりせず、目の前の情報をうまく処理できていない状態です。
一時的なぼーっとする状態は、次のような理由でも起こります。
- 慢性的な疲労
- 睡眠不足
- 単調な話が続いている
- 興味や関心の低下
現代は情報量が異常に多く、脳が疲れやすい環境にあります。そのため、集中力が長く続かず、話を聞いている最中に意識が逸れてしまいやすいです。
集中力が低下すると、耳から入った情報を脳がうまく処理できなくなります。その結果、人の話の内容が断片的にしか理解できず、「聞いていたのに分からない」という状態になってしまいます。
しかし、ぼーっとする状態が頻繁に起こる場合は、別の原因が隠れていることもあります。その主な原因にどんなものがあるか、詳しく見ていきましょう。
人の話が頭に入らない主な原因

人の話が頭に入らない主な原因には、次のようなものが考えられます。
ストレスによる影響
ストレスは集中力に大きな影響を与え、次のようなものが生まれます。
- 学校や家庭での不安
- 人間関係の悩み
- 課題や宿題に対して感じる負担
- プレッシャーや緊張
強いストレスがあると、脳は常に緊張状態になり、「自分の身を守る」ことを優先し、話の内容を処理する余裕がなくなります。その結果、注意力や記憶力が低下して、人の話が頭に入らなくなることがあります。
仕事や学校の勉強でのプレッシャーや緊張や人間関係の悩み、不安が頭を占めていると、目の前の会話にほとんど集中できなくなるという状況に陥ります。
疲労や睡眠不足
脳は休息が足りないと、情報をうまく整理できず、うまく機能しなくなってしまいます。
疲労や睡眠不足が続くと、次のような変化が表れます。
- 集中力の低下
- 記憶力の低下
- ぼーっとする時間が増える
集中力が低下すると、人が話していることにほとんど注意が向けられなくなり、聞いたことがほぼ頭に入ってきません。
記憶力が低下している状態では、聞いた内容を記憶し覚えておくことがほとんどできなくなります。
興味や関心の問題
人は、興味のある話には集中しやすく、興味が持てない話には意識がそれやすいものです。
これは、個人の性格の問題ではなく、脳の自然な働きです。
自分が興味や関心のない話をされると、その話がほとんど頭に入らないけれど、興味や関心を抱いている話だと本能的にその話に耳を傾けて、言っていることがすっと頭に入るというのは、ごく自然な反応です。
「自分の興味がある話には耳を傾け、興味が持てない話になると、意識が逸れてぼーっとしてしまいがち」というのは、一般的によくある話です。
病気が関係している場合
人の話が頭に入らない背景には、以下のような病気が関係していることもあります。
- うつ病
- 不安障害
- 自律神経失調症
- 睡眠障害
これらの病気で「人の話が頭に入らない状態」になるのは、集中力低下や認知機能の低下が原因で、ブレインフォグとも呼ばれます。
「ブレインフォグ」とは、端的に言えば、認知機能の低下のことです。新型コロナウイルスの後遺症の一つとしてニュースになったので、聞いたことがある人も多いでしょう。まるで頭の中にモヤがかかったようにぼんやりして物事が思い出せない状態を指した症状です。
ブレインフォグのよくある症状としては、次のようなものが挙げられます。
- 頭がぼーっとして集中できない
- 落ち着かず、イライラする
- 眠れない、あるいは眠りすぎる
- 疲れ切って、何もする気力がわかない
- 頻繁に物事が思い出せなくなる
- 相手の話が頭に入ってこない
- 今までできた仕事が上手くできない
- 今まで問題なかったのに、普段の音がうるさく聞こえる
- 何をするにも億劫で考えがまとまらない
ブレインフォグの背景には脳の疲労、ストレス、睡眠不足、神経伝達物質のアンバランスが考えられます。早めに専門家や医療機関への相談、生活習慣の見直し、適切な治療(薬物療法、カウンセリングなど)が必要です。
発達障害との関係
人の話が頭に入りにくい背景として、発達障害が関係している場合もあります。
発達障害、特にADHD(注意欠如多動症)やASD(自閉スペクトラム症)の特性として、人の話が頭に入りにくいことがあります。
ADHDの場合、注意が持続しにくく、話を聞いている途中で別の刺激に意識が向いてしまいます。一方、ASDの場合は、抽象的な表現や曖昧な言い回しが理解しづらいことがあります。
これらは努力不足ではなく、脳の特性によるものです。
たとえば、次のような特性があると、聞いている途中で情報が抜け落ちやすくなります。
- 話を聞きながら内容を整理するのが苦手
- 長い説明を最後まで覚えられない
- 注意がそれやすい
- 同時に複数の情報を処理するのが難しい
ただし、「話が入らない=発達障害」と決めつけることはできません。発達障害との関係は、あくまでひとつの可能性です。
ワーキングメモリという、記憶を頭の中にとどめておき、情報を操作する働きが弱い可能性もあります。
人の話が頭に入らず、上記のような特性が見られる場合は、ぜひ専門機関に相談してみることをおすすめします。
★ワーキングメモリについては、こちらの記事をご参考ください。
【ワーキングメモリとは?脳の実行機能を鍛える方法】
【ワーキングメモリが低いとなぜ困る?家庭でできる対策と勉強法】
【子どものワーキングメモリを鍛える方法!遊びで記憶力アップ】
見られやすい症状の例

人の話が頭に入らないとき、次のような症状が一緒に見られることがあります。
- ぼーっとする時間が長い
- 話を最後まで聞けない
- 同じ話を何度も聞き返す
- 話の途中で別のことを考えてしまう
- 会話中にぼーっとしていると言われる
- 自分でも「聞けていない」と感じる
- メモを取らないと内容を覚えられない
これらの症状が長期間続き、生活に支障が出ている場合は、その原因が何かを見極めることが重要です。
人の話が頭に入らないときの対処法

人の話が頭に入らないときの対処法をいくつか紹介します。先ほど紹介した原因も考慮して、自分に合った対処法を選び、試してみてください。
環境を整える
人の話が頭に入らないときは、環境を整えるだけでも効果があります。
- できるだけ静かな場所で話を聞く
- 雑音やじゃまが入らないようにする
- 話に集中できるようにする
メモをとるか要点を意識する
人の話が頭に入りづらいときは、すべてを理解しようとする必要はありません。
聞きながらメモをとったり、「大事なポイントはどこか」を意識したりすることで、情報が整理しやすくなります。
メモをとったり要点を意識したりして、以前より人の話が理解しやすくなることが期待できます。
「以前より人の話を理解できた!」という成功体験が、その人に自信を与え、次回も同じようにして人の話を聞いてみようと気持ちにさせるでしょう。
睡眠や生活リズムを見直す
- 十分な睡眠をとる
- 規則正しい生活をする
- 生活リズムを整える
体調を整えておくことは、人の話をしっかり聞くために必要な対処法です。
ストレスをためこまない
話が頭に入らない状態が続くと、それ自体がストレスになります。
信頼できる人に気持ちを話すだけでも、心が軽くなることがあります。
すでにストレスがある場合は、そのストレスを取り除くようにしましょう。
そして、人の話が頭に入らないことで新たなストレスを生まないようにしましょう。
専門家に相談する
「努力してもほとんど改善しない」「生活に困りごとが出ている」場合は、学校の先生、カウンセラー、発達障害の専門施設、医療機関などに相談するのもひとつの方法です。
人の話が頭に入らないという症状が長く場合や、日常生活に支障が出ている場合は、心療内科や精神科などの専門機関に相談することも大切です。
発達障害が原因の場合、具体的に次のような対処法もあります。
- 重要な話は文字でも確認する
- ひとつずつ指示をもらうようにする
- 集中できる環境で聞くなど、自分に合った話の聞き方を工夫する
発達障害は個人差があり、程度にも差があるので、上記以外の対処法もあります。
詳しい対処法については、ぜひ専門家にご相談されることをおすすめします。
周囲の人ができるサポート

人の話が頭に入らない人に対して、次のように強く責めるのは逆効果です。
- 「ちゃんと聞きなさい」
- 「話が頭に入らないのはやる気がないだけ」
人の話が頭に入らない、集中力がない、ぼーっしてしまうことを強く責めても、本人に余計にプレッシャーを与え、委縮させてしまう可能性があります。
また、ワーキングメモリが低い子どもなど、努力して注意して聞いていても頭に入らない場合、子どもの自己肯定感を低くしてしまうかもしれません。
人の話が頭に入らない人に対して、周囲ができる次のようなサポートもあります。
- 一度に多くの情報を伝えない
- 一文一文を短くして話す
- 簡潔で具体的な表現を使う
- 重要な内容は文字でも伝える
- 相手が理解できているか時々確認する
「何度も説明しているのに理解できていない」と責めるのではなく、伝え方を工夫することが大切です。
人の話が頭に入らない原因と対処法のまとめ
話している人の話がまったく頭に入らないのは、単に怠けや性格の問題だとは限りません。
人の話が頭に入らない原因には、疲労や睡眠不足、ストレス、病気による集中力低下、発達障害など、さまざまな原因が関係している可能性があります。
一番大切なのは、「なぜそうなるのか」という原因を知り、その原因に基づいて自分に合った対処法を見つけることです。「人の話が頭に入らない」原因を詳しく知ることで、どんな対処法を取ればいいのかが発見でき、問題の解決につながります。
たとえば、原因が「疲労や睡眠不足」であれば、「睡眠や生活リズムを見直す」ことが対処法になりますし、「ストレスによる影響」であれば、「ストレスをためこまず、取り除く」ことが対処法になります。
うつ病、不安障害、自律神経失調症、睡眠障害などの病気が、「人の話が頭に入らない」原因であれば、そうなるのは、集中力低下や認知機能の低下が原因で、ブレインフォグの症状が表れます。ブレインフォグの背景には脳の疲労、ストレス、睡眠不足、神経伝達物質のアンバランスが考えられます。早めに専門家や医療機関に相談し、生活習慣を見直し、適切な治療を受けましょう。
原因が発達障害や病気が関係している場合は、ぜひ発達障害の専門家や専門施設に相談することをおすすめします。
「人の話が頭に入らない」その原因を特定することで、本人が抱えている問題やその対処法も分かり、問題が解決されていくでしょう。
困ったときはけっしてひとりで抱え込まず、周囲の力を借りながら、少しずつ改善を目指していきましょう。
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