不登校でも高校受験はできる?受験の選択肢と準備の進め方を解説
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「学校に通えていないけれど、高校に進学できるのだろうか」「このまま子どもの将来はどうなってしまうのだろう…」と、不登校の子どもを持つ保護者の方の中には、進学に不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
ですが、不登校であっても高校受験は可能ですし、さまざまな受け皿や選択肢が用意されています。進路の選び方や受験準備の方法も、子どもに合ったやり方を選べばきっと道は開けていきます。
この記事では「不登校でも高校受験はできるのか?」という疑問に答えるとともに、不登校生の受験の選択肢、そして家庭でできる受験準備の進め方について解説していきます。
目次
不登校でも高校受験はできる?
「内申点が足りないのでは?」「学校に通っていないと受験資格がないのでは?」と、不登校のままでは受験が難しいのではと心配される保護者の方も少なくありません。
しかし実際には、不登校でも受験できる高校は多く存在し、入試の制度も多様化が進んでいます。高校側が不登校をどのように捉えるかなど、知っておくと安心できる情報がたくさんあります。
そこで本項では、不登校でも高校受験が可能であることについてや、進学のために確認すべき基本的なポイントを解説していきます。
不登校のままでも受験資格はある?
結論から述べると、不登校であっても、高校受験の資格はあります。
文部科学省によれば、中学校を卒業または卒業見込みであれば、高校への入学資格を有するとされています。出席日数に関係なく、在籍していれば卒業は可能です。したがって、不登校の状態でも高校受験に挑戦することができます。
内申点がなくても受験できる高校は?
内申点が低い、または評価がついていない場合でも受験可能な高校は存在します。
特に私立高校や通信制高校、定時制高校では、内申点よりも当日の学力試験や面接、作文などを重視する傾向があります。また、不登校生を対象とした特別な選抜枠を設けている学校も増えており、意欲や将来の目標を評価する制度も整っています。
高校側が不登校をどう見るのか
高校側の受け止め方は学校によって異なりますが、不登校の経験をマイナスと捉えるのではなく、どのように乗り越えてきたか、「今後どのように学校生活を送ろうとしているか」を重視する学校も多くあります。面接や作文で自分の経験や意欲をしっかり伝えることが大切です。
不登校生を受け入れている高校の特徴
不登校生を積極的に受け入れている高校には、以下のような特徴があります。
●少人数制のクラスや個別指導を導入している
●スクールカウンセラーやサポートスタッフが常駐している
●柔軟な時間割や通学スタイルを提供している
●不登校経験者向けの特別なプログラムやコースがある
これらの特徴を持つ高校は、生徒一人ひとりの状況に合わせた支援を行っており、不登校の経験を理解し、受け入れる体制が整っています。
不登校であっても、高校受験の道は閉ざされていません。子どもの状況に合った高校を見つけるために、情報収集や学校見学、相談を積極的に行いましょう。保護者の方のサポートが、子どもの未来を切り開く大きな力となるはずです。
不登校の高校受験の主な選択肢とは?
不登校の子どもに合う進学先を考えるとき、選択肢は意外にもたくさんあります。
「全日制」だけではなく「通信制高校」や「定時制高校」、「単位制」や「総合学科」など、学び方や環境の異なる学校が増えています。
ここでは、不登校の子どもが選べる進路の種類や、それぞれの特徴、そして選ぶ際のポイントについて解説していきます。
通信制高校・定時制高校という選択肢
通信制高校は、自宅学習を中心にレポート提出やスクーリング(面接指導)を通じて学習を進めるスタイルです。
登校日数が少なく、自分のペースで学べるため、不登校経験のある生徒にも適しています。一方、定時制高校は、昼間や夜間など時間帯を選んで通学できる柔軟な制度で、少人数制の授業が特徴です。どちらも学習スタイルや生活リズムに合わせて選べる選択肢として注目されています。
単位制・総合学科の高校も視野に
単位制高校は、学年制とは異なり、必要な単位を取得すれば卒業できる制度です。
自分の得意な科目を選択しやすく、学習の自由度が高いのが特徴です。また、総合学科の高校は、普通科目に加えて専門的な科目も学べるため、将来の進路を具体的に考えるきっかけになります。これらの高校は、多様な学び方を提供しており、不登校経験のある生徒にも適した環境を整えています。
私立高校やチャレンジ校にも注目
私立高校の中には、不登校経験のある生徒を積極的に受け入れている学校もあります。
少人数制や個別指導、カウンセリング体制が整っている場合が多く、生徒一人ひとりに寄り添った教育が行われています。また、チャレンジ校と呼ばれる学校では、独自の教育プログラムや柔軟なカリキュラムを提供し、生徒の自己肯定感を育む取り組みがされています。子どもの個性や希望に合った学校を選ぶことで、前向きな高校生活を送ることができるでしょう。
サポート校やフリースクールとの連携
サポート校は、通信制高校と連携し、学習面や生活面での支援を行う教育機関です。
個別指導やカウンセリング、進路相談などを通じて、生徒が安心して学べる環境を提供しています。また、フリースクールは、不登校の子どもたちに居場所と学びの場を提供する民間の教育施設です。自由なカリキュラムや少人数制の授業を通じて、子どもたちの自立と社会参加を支援しています。これらの施設と連携することで、子どもの学びを多角的にサポートすることが可能です。
高校の選択肢のまとめ
選択肢 | 通信制高校 | 定時制高校 | 単位制高校 |
---|---|---|---|
特徴 | ・自宅学習中心 ・レポート提出+スクーリング(面接指導) ・登校日数が少なく、自分のペースで学べる |
・昼間、夜間など時間を選んで登校 ・少人数制授業で手厚い指導 ・学年制の高校 |
・必要な単位を取得すれば卒業可能 ・学年制でなく柔軟な履修が可能 ・得意分野を選択しやすい |
向いているケース | ・学校に毎日通うのが難しい子ども ・マイペースに学びたい場合 |
・少しずつ登校リズムを整えたい ・対面授業を受けたい |
・自分に合ったペースで自由に学びたい ・多様な進路を考えたい |
選択肢 | 総合学科高校 | 私立高校・チャレンジ校 | サポート校 | フリースクール |
---|---|---|---|---|
特徴 | ・普通科目+専門的な学びが可能 ・将来の職業や興味を探せる教育内容 |
・不登校経験者の受け入れに理解あり ・個別指導やカウンセリング体制が充実 ・柔軟なカリキュラムや教育方針 |
・通信制高校と連携 ・学習面、生活面、進路の支援 ・個別対応が中心 |
・不登校の子どもの居場所と学び場 ・自由なカリキュラム/少人数制授業 ・自立と社会参加をサポート |
向いているケース | ・興味のある分野を学びながら進路を考えたい | ・きめ細やかな支援を受けたい ・個性に合った環境で学びたい |
・個別対応が中心 ・勉強と生活の両面をサポートしてもらいたい |
・教室以外の学び方で安心して過ごしたい ・段階的に復帰を目指したい |
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不登校からの受験準備のポイント
「うちの子はどこから勉強を始めればいいの?」「面接や作文の準備はどうしたらいい?」と、進学を希望していても、受験準備に不安を感じる保護者の方は多いはずです。
不登校の子どもが受験に向けて準備を進めるには、本人のペースを尊重しながら、家庭でできる支援を少しずつ取り入れていくことが大切です。学習の進め方、心のケア、外部サポートの活用、面接・作文対策など、多角的な準備がポイントになります。
さいごに本項では、不登校から高校受験を目指すうえでのご家庭でのサポート方法をご紹介していきます。焦らず、できることから一歩ずつ始めていきましょう。
自宅での学習の進め方と支援の仕方
不登校の子どもが自宅で学習を進めるには、安心できる環境づくりと成功体験を積み重ねる工夫が大切です。
学習をスムーズに進めるためのポイント
●学習スペースを整える:静かで落ち着いた場所を用意する
●短時間からスタート:最初は10分程度など徐々に増やしていく
●内容は基礎中心:簡単な問題から始めて理解や成功の体験を増やす
●親の応援:「がんばってるね」「わかるようになったね」とポジティブな声かけ
先述しているような外部のサポートの活用として、教育支援センターやフリースクールの利用なども選択肢の一つです。
メンタル面のケアと親子の関わり方
不登校の子どもは、孤独感・不安・自信の低下など、心の面で負担を抱えていることもあります。
親ができる心のサポート
●話をよく聞いて評価ではなく共感の姿勢で受け止める
●「いてくれるだけでいい」気持ちや愛情をしっかり届ける
●無理に前向きにさせようとせず、焦らずに子どものペースを尊重する
親自身のケアも忘れずに、不安や疲れが強い場合は相談窓口(保健センターや支援機関)に頼ってみるのも有益です。
塾や家庭教師など外部サポートの活用
「一人での学習が難しい…」そんなときは、外部の力を借りることが効果的です。
サポートの選択肢
●個別指導塾やオンライン塾:子どものペースに合わせられるのが魅力
●家庭教師:じっくり寄り添って指導してくれる存在
●フリースクール・支援センター:学習、社会性、心のケアもサポート
学習の苦手意識を減らすためにも「わかる・できる」経験を積ませてあげることが大切です。
面接・作文で自分らしさを伝える準備
高校入試では、学力以外の部分も重視されるケースが増えています。面接や作文の対策も忘れずに進めましょう。
面接・作文対策の進め方
●面接練習:家族や支援者と模擬面接を繰り返して慣れていきます
●作文の練習:自分の経験や思いを、わかりやすくまとめる練習をしましょう
●「不登校=マイナス」と伝えない:そこから得た気づきや学びを言葉にします
伝えたいポイント例としては、「自分のペースで頑張ってきたこと」「不登校の経験で感じたこと、学んだこと」「これからやりたいこと」などをしっかり伝えられるようにサポートしましょう。
作文は先生やAIなどに添削してもらい、ブラッシュアップするとより良くなっていきます。
まとめ
不登校でも高校受験は可能であり、通信制・定時制・単位制高校や私立高校、サポート校など、多様な選択肢があります。
内申点が不安であっても、学力試験や面接、作文などを重視する高校も増えており、子どもの状況に合った学校選びが重要です。
ご家庭では、安心できる学習環境づくりやメンタル面のケアを大切にしながら、塾・家庭教師・フリースクールなど外部サポートを活用することも効果的です。また、面接や作文では不登校の経験を前向きに伝える準備も大切でしょう。
不登校だからといってあきらめずに、一歩ずつ進むことで、子どもは自分らしく未来に向かうことができます。
参考元
文部科学省
各 支援機関 等
各 教育機関 等
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