近年、不登校児童生徒の数が過去最多となり、小学校・中学生・高校生、それぞれの段階で多様な学びを選ぶ家庭が増えています。その中でも特に注目されているのが「フリースクール」です。
文部科学省は2020年代に入り、「学校外の多様な学び」を公式に認める姿勢を強めており、フリースクールは今後ますます重要な教育選択肢になると考えられています。
しかし、保護者の中にはこんな疑問を持つ方も多いでしょう。
「フリースクールとは何をするところ?」
「通常の学校と何が違うの?」
「出席扱いになるの?」
「小学校・中学生・高校生で支援はどう違う?」
この記事では、フリースクールとは何か、フリースクールの基本から、メリット・デメリット、通常の学校との違いを解説します。また、文部科学省の方針、年代別の特徴、利用できる支援も“簡単に”わかりやすく解説します。
フリースクールとは?簡単に説明

フリースクールとは、簡単に一言でまとめると、「不登校などの理由で学校に行けない子どもが、安心して学び・過ごせる場」のことです。
民間団体やNPO、個人が運営しており、国や自治体の学校制度に直接は属しません。「学校」ではないため、教育課程や授業内容は自由で、子どものペースに合わせた学びを提供します。
中学生を中心に対象となる子ども
フリースクールの対象になる子どもは、次の通りです。
- 小学生
- 中学生
- 高校生(高認サポートを行うスクールも多い)
- 発達特性のある子
- 思春期の悩みから登校が難しい子
特に中学生によるフリースクールの利用が増えており、進学へのサポートを受けながら学ぶケースが多いのが特徴です。
文部科学省が示す多様な学びの場としての位置づけ

文部科学省は、不登校の子どもが安心して学べる環境をつくるため、近年は「学校外での学びの重要性」を公式に認めています。
フリースクールの学びが出席扱いになる場合あり
学校長の判断で、以下を満たせばフリースクールに通うことが学校の出席扱いになる制度があります。
- 学校とフリースクールが連携している
- 学校長が学習状況を把握できる
- 保護者と学校の連絡が取れている
条件は学校ごとに異なるため、事前に相談が必要です。
多様な学ぶスタイルを認める方向性
フリースクールはあくまで「民間」ですが、文部科学省はその存在を否定せず、むしろ柔軟に活用する方向へ進んでいます。
不登校を「問題」と考えず、多様な学びのスタイルとして認める流れが強まっています。
通常の学校との違いは?

フリースクールは「正規の学校ではない」ため、以下のような違いがあります。
カリキュラムが自由
通常の学校:学習指導要領に基づく授業
フリースクール:子どもの興味・ペースに合わせて学習内容を調整
フリースクールでは、次のような点で柔軟性が高いことが特徴です。
- 勉強は軽めにして、まず生活リズムの回復から
- 午前はゆっくり過ごし、午後に学習
- 料理や畑作業など体験学習が中心
評価がない
通常の学校はテスト・通知表・成績がありますが、フリースクールは成績評価を行わないことが多いです。
テストが苦手、集団が不安という子に大きな安心感があります。
個別のサポートが手厚い
1人の子に対して多くの時間を使えるため、次のようなサポートがきめ細かく行われます。
- 対話
- 心理サポート
- 興味の発見
- 生活の再構築
参加のペースを自由に決められる
週1回~週5日、午前だけ、午後だけなど参加のペースは多様です。
費用は私費
学校ではないため、基本的に月謝制(数万円〜)。
自治体の補助があるケースもありますが、地域によって差があります。
年代別フリースクールの違い

年代別によってフリースクールは違いますので、年代別にフリースクールを見ていきましょう。
小学生の場合
小学生によるフリースクール利用の理由は、次のような理由が多いです。
- 学校の集団生活が負担
- 友達トラブル
- 感覚過敏や特性による疲れ
フリースクールでは、次のようなことが重視されます。
- ゆっくりした生活リズム
- 好きな遊び・体験から学ぶ
- 個別の声かけによる安心感
学力よりも「安心して過ごすこと」や「自信の回復」が軸となります。
中学生の場合
最も利用が多いのが中学生です。
背景は、次のように多岐にわたります。
- 思春期のストレス
- 人間関係
- 勉強の負担
- 部活動や登校の疲れ
フリースクールでは中学生向けに、次のようなものが充実しています。
- 中学内容の基礎学習
- 進路相談
- 高校受験のサポート
- 生活リズムの改善
特に、高校受験との両立は大きなテーマです。
近年は、次のように進路が多様化しているため、中学生がフリースクールを使って自分に合う学び方を選ぶケースが増えています。
- 通信制高校
- 高校サポート校
- 高卒認定
高校生の場合
高校生のフリースクール利用は、次のような目的があります。
- 不登校から通信制へ転校して学習サポートを受ける
- 高卒認定(高認)を目指す
- 学校に行けない時期を安心して過ごす
高校生は将来に向けた選択が増える時期。
フリースクールでは、次のように進路が多様化しています。
- 高卒資格の取得支援
- 進学・就職のサポート
- 自己理解のプログラム
そのため、人生の再スタートにメリットが大きいと評価されています。
フリースクールのデメリット

通常の学校との違いのところで、フリースクールのメリットも紹介しましたが、フリースクールにはデメリットもあります。
フリースクールのデメリットを紹介します。
施設によって質が異なる
運営が民間のため、理念やスタッフの専門性は幅があります。見学して相性を確かめることが重要です。
費用負担がある
月謝は数万円が一般的で、家庭によってはその費用が負担に感じることがあります。
学校と連携できないケースもある
出席扱いにするかどうかは学校長の判断であるため、スクールによって差があります。
高校進学のサポートが弱い施設も
中学生の場合、進路サポートが弱いと高校受験に不安が出ます。ここもスクールごとに違うため要確認です。
フリースクールを利用する時の注意点

フリースクールを利用する場合にはいくつか注意点があります。主な注意点を紹介します。
子どもの気持ちを最優先する
「学校に戻らせたいから」ではなく、子どもが安心して過ごせる場所かどうかを重視しましょう。
見学や体験を複数校でする
相性は非常に大切です。
子どもが「ここなら行けるかも」と感じられるかがポイント。
学校や自治体との連携も確認
出席扱いや支援金の対象になるかどうかは、ケースによって異なります。
文部科学省の通知に沿って、自治体や学校と相談するとスムーズです。
フリースクールに関するまとめ
フリースクールは、「学校に戻る準備」「新しい学びのスタイル」「心の回復」「将来へ向けた再スタート」など、さまざまな役割を果たすことができます。
文部科学省の方針でも、学校だけに頼らない多様な学びを認める流れが広がっています。
小学生、中学生、高校生といったどの年代でも利用できる大切な「居場所」のひとつとして、フリースクールの選択肢を知っておくことは、子どもの未来にとって大きな力になります。
フリースクールは「学校に行けない子のための安心できる学びの場」です。文部科学省も学校外の多様な学びを認める方向性を示しています。
フリースクールは、小学校・中学生・高校生で役割や支援が異なります。カリキュラムが自由で個別支援が手厚く、フリースクール通いが学校に出席扱いになる場合もあります。
一方で、フリースクールは費用などデメリットもあるため、施設選びは慎重にしましょう。子どもが安心できる居場所であることが最も重要です。
フリースクールは、決して「逃げ場」ではなく、その子らしい未来をつくるための大切な選択肢です。
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