愛知県立豊橋特別支援学校は、愛知県東部に位置し、肢体に不自由がある児童生徒を対象にした特別支援学校です。
知的な障害がある生徒を対象とした高等部分教室を、県立田口高等学校内(山嶺教室)と県立福江高等学校内(潮風教室)に設置しています。
このコラムでは愛知県立豊橋特別支援学校の概要や特色を紹介します。
愛知県立豊橋特別支援学校の特色
愛知県立豊橋支援学校は、肢体不自由特別支援学校です。障害を持った児童生徒が活動しやすい環境の整備と必要な支援を提供できる体制を整備しています。
小学部・中学部・高等部が設置されており、各部で家庭や病院を訪れ授業をする訪問教育も実施しています。また、小・中学部では、豊橋医療センターに入院している児童・生徒の施設内教育も行っています。
医療ケアが必要な児童生徒は、看護師による医療的ケアを受けることも可能です。
通学区域である東三河全域でスクールバスを4コース運行しており、児童生徒が登下校に利用しています。
教育目標と学校像
愛知県立豊橋特別支援学校の教育目標は、児童生徒一人ひとりのニーズに沿った、創意工夫のある教育活動を通して、自立や社会参加するための基礎となる「生きる力」の育成です。
「笑顔あふれる学校」を目指すべき学校像としています。楽しいときだけではなく、できた喜びや成長を感じたときなどの笑顔を子どもたちから引き出し、保護者や関係者にも笑顔になってもらえるよう努めています。
目指す児童生徒像
愛知県立豊橋特別支援学校の目指す児童生徒像は以下の通りです。
●主体的に学び、表現する子(知)
●友達を尊重し、助け合う子(徳)
●健康で安全な生活を意識する子(体)
校章
台に豊橋市の市章である「千切り」を置いて、学校のある場所をあらわしています。
松葉を使ったのは、長い風雪に耐えて岩をも割る松の木のたくましい力にあやかりたいことと、松葉は松葉杖に通じ、肢体不自由な児童生徒を対象にしている特別支援学校の特徴をあらわしているためです。
マスコットキャラクター
愛知県立豊橋特別支援学校には、4体のマスコットキャラクターがいます。
校訓である「体力、気力、学力」をもとに、3体のキャラクター「たいちゃん」「きーちゃん」「まなぶくん」は作られました。
もう1体の「とよまつくん」は、愛知県立豊橋特別支援学校のシンボルツリーである木をテーマに誕生しました。
訪問教育・施設内教育
愛知県立豊橋特別支援学校は、通学することが難しい児童生徒に対して訪問教育を実施しています。児童生徒の家庭や病院を訪問し、最長120分の授業を週3回行っています。個別学習だけはなく学校で学習する機会や、集団での活動機会として行事等への参加も設けられています。
また、豊橋医療センター南病棟に入所している小・中学部の児童生徒を対象にした、施設内教育も実施中です。月曜日から金曜日まで毎日、病棟内の学習室で授業をしています。
分教室の設置
知的障害のある生徒を対象にした高等部分教室として、愛知県立田口高等学校内に「山嶺教室」、愛知県立福江高等学校内に「潮風教室」を設置しています。卒業後の社会生活と密接に関係のある内容を体験的に学習し、校内実習や産業現場等における実習で、働くために必要な技能や態度を身につけます。
各学部の教育課程
愛知県立豊橋特別支援学校では、児童生徒一人ひとりの教育的ニーズに合わせ、3つの教育課程に分かれて教育活動を行っています。
小学部
教育課程A:小学校の学習内容とほぼ同じ内容で学習を進めます。児童によっては、学習目標を下学年のものに替えて学習することもあります。
教育課程B:児童の実態に合わせ、知的障害のある児童生徒の特徴や学習上の特性に合わせた学習目標や内容を取り入れています。
教育課程C:重度・重複障害の児童を対象として主に自立活動の学習を進めます。自立活動の時間をいくつかの指導単位に分けて学習を進めています。
中学部
教育課程A:中学校に準じた教科の目標で内容を精選したり、下学年の内容を取り入れたりして学習を進め、主体的に問題を解決する力を身につけます。
教育課程B:知的障害のある児童生徒の特徴や学習上の特性を踏まえた学習目標や内容を取り入れています。将来を意識するとともに生活する力を重視し、周りの人や社会に関わる力を身につけます。
教育課程C:健康、からだに関すること、生活リズム、心理の安定、人とのかかわりなどの自立活動を目標に学習します。
高等部
教育課程A:中学部や中学校ですべての教科を修了した生徒を対象に、高等学校に準じた目標・内容や精選した内容で学習を進めていきます。
教育課程B:知的障害のある生徒の特徴および学習上の特性を踏まえた目標・内容で学習を進めていきます。就職、職業訓練校、就労継続支援A型・B型事業所など自立した生活を目指して実用的な目標・内容で学習を進めます。
教育課程C:自立活動を中心に学習を進めていきます。福祉施設での生活を目指して健康の維持・改善、心理的な安定、コミュニケーション能力の向上を目指しています。
進路指導と進路状況
愛知県立豊橋特別支援学校では、生徒の特性やニーズに応じたサービスなどの進路情報を提供し、主体的な選択決定につなげられるようにしています。
小学部の進路指導:遠足や生活体験活動において、キャリア教育の観点から、児童それぞれの目標を設定・計画し、それを実践しています。
中学部の進路指導:校内実習やチャレンジ体験推進事業を実施し、地域の企業や就労移行支援事業所などでの就労準備体験を行っています。
高等部の進路指導:校内実習や就業体験(職場体験)を実施し、就労に対する理解や認識を深めるとともに、キャリア選択決定につなげられるようにしています。
令和6年度の卒業生の進路状況
進路先 | 人数 |
---|---|
就職 | 1人 |
福祉施設 生活介護 | 12人 |
その他 | 1人 |
合計 | 14人 |
アクセス
住所 〒440-0841
愛知県豊橋市西口町字西ノ口25番地10
電話番号 0532-63-5683
まとめ:愛知県立豊橋特別支援学校は、肢体不自由がある児童生徒を対象にした特別支援学校
愛知県立豊橋特別支援学校は、肢体に不自由がある児童生徒を対象にした特別支援学校です。
小学部・中学部・高等部があり、一人ひとりの教育的ニーズに合わせ、3つの教育課程に分かれて教育活動を行っています。
児童生徒一人ひとりのニーズに沿った、創意工夫のある教育活動を通して、自立や社会参加するための基礎となる「生きる力」の育成を目指しています。