愛知県立瀬戸つばき特別支援学校の概要
愛知県立瀬戸つばき特別支援学校は、愛知県瀬戸市南山口町に位置する知的障害を対象とした県立の特別支援学校です。
2019年4月に開校した比較的新しい学校で、春日台特別支援学校の過密化を受けて新設されました。
本コラムでは、同校の教育理念、学部構成、地域との関わり、そして「発達相談・すてっぷ」などの取り組みを通して、地域に根ざした支援教育の実際を詳しくご紹介します。
愛知県立瀬戸つばき特別支援学校設立の背景と施設の概要
愛知県立瀬戸つばき特別支援学校は、知的障害のある児童生徒の増加に対応する形で、愛知県内で13校目の知的障害特別支援学校として設立されました。
建設工事は平成29年10月に始まり、平成31年2月に校舎が完成し、2019年4月に開校しています。
校舎は鉄筋コンクリート造の3階建てで、延床面積は約8,350平方メートル、敷地面積は約31,000平方メートルです。
耐震性や耐久性に配慮した設計となっており、安心して学べる環境が整っています。
また、校舎内はバリアフリー対応が施され、エレベーターや多目的トイレなど、多様なニーズに対応できる設備が備えられています。
重点目標(令和6年度)と基本方針
愛知県立瀬戸つばき特別支援学校では、「一人一人を大切にした心豊かで活気のある学校づくり」を令和6年度の重点目標として掲げています。
学校づくりの基本方針として、「笑顔と感動の学校生活づくり」「努力と協調の学校文化づくり」「安心できる学校環境づくり」の3本柱を設定し、児童生徒一人ひとりの学びの充実、家庭との連携、5S活動(整理・整頓・清掃・清潔・親切)の推進、教職員の専門性向上、関係機関との連携、働き方改革など、具体的な取り組みを進めています。
児童生徒の学びを支える学部構成
愛知県立瀬戸つばき特別支援学校には、小学部・中学部・高等部の3つの学部が設置されており、それぞれの発達段階に応じたカリキュラムが提供されています。
• 小学部では、日常生活の基礎や社会性の育成に重点を置き、体験学習を多く取り入れた授業が実施されています。
• 中学部では、生活単元学習や作業学習を通じて、自立に向けた準備が進められます。
• 高等部では、将来の就労や社会参加を視野に入れた実践的な学習活動が行われます。
各学部において、個別の教育支援計画に基づき、児童生徒一人ひとりの特性に合わせた具体的な学習支援が行っています。
愛知県立瀬戸つばき特別支援学校の所在地
住所 〒489-0965 愛知県瀬戸市南山口町474
電話番号 0561‐56‐0950
最寄り駅 リニモ「愛・地球博記念公園駅」徒歩20分
地域とつながる「発達相談・すてっぷ」の取り組み
愛知県立瀬戸つばき特別支援学校では、学校外の地域支援にも力を入れています。
その一環として、「発達相談・すてっぷ」という名称で、地域の保護者や教育関係者向けに無料相談を提供しています。
• 対象:長久手市、瀬戸市、尾張旭市、春日井市南部、豊田市山間部にお住まいの障害のある幼児・児童・生徒の保護者、およびこれらの地域内の幼稚園、保育園、小・中学校、高等学校の教職員の方
• 実施日:毎週水曜日の午後1時~5時
• 費用:無料(予約制)
早期からの気づきや支援の大切さを伝えるこの取り組みは、地域の障害児支援の中心として重要な役割を果たしています。
教育環境と安全性への配慮
愛知県立瀬戸つばき特別支援学校では、安全で快適な学習環境の維持を日常的に実施しており、校舎内外の清掃にも児童生徒が参加しています。
校舎内外の清掃や整頓は日常的に行われており、「つばきの5S」の理念に基づき、児童生徒も清掃活動に参加しています。
これにより、生活習慣の定着や自主性の育成にもつながっています。
また、校舎はバリアフリー設計となっており、安心して過ごせる環境づくりを進めています。
「つばきの5S」活動の概要
愛知県立瀬戸つばき特別支援学校では、児童生徒が安心して過ごせる環境づくりの一環として、独自の5S活動「つばきの5S」を導入しています。
これは、一般的な職場改善手法である「5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)」を教育現場に応用し、知的障害のある児童生徒にもわかりやすく、実践しやすい形にアレンジされたものです。
この5S活動は、学習や生活の場を常に安全で快適に保つことを目的としています。
また、児童生徒の自立支援の一環としても機能しており、掃除や片付けを通じて基本的な生活習慣や社会性を育てる効果が期待されています。
愛知県立瀬戸つばき特別支援学校の概要と特徴まとめ
愛知県立瀬戸つばき特別支援学校は、地域との連携を大切にしながら、知的障害のある児童生徒への支援を行っている特別支援学校です。
2019年4月の設立により、春日台特別支援学校の負担が軽減されました。
開校以来、地域行事や交流活動を行い、「発達相談・すてっぷ」を通じて地域の障害児支援にも中心的な役割を果たしています。
また、教育方針や支援体制のもと、児童生徒一人ひとりの特性に応じた指導が行われており、保護者や地域関係者との協力を通じて、学びやすい環境づくりが進められています。
今後も、地域に根ざした障害児教育の場として、その役割を果たしていくことが期待されます。