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愛着形成とは?子どもの発達に与える影響、時期、やり方、チェック方法を解説

2025.06.12
  • 支援方法・家庭での過ごし方

「愛着形成ってそもそも何だろう?」「うちの子どもは愛着形成が上手くできているか不安」と思っていませんか?
愛着とは、子どもが成長する中で、親などの特定の大人と築く心理的な絆のことです。愛着形成が上手に形成されると、子どもは健やかに育ちやすくなります、それぞれの子どもに合った方法で愛着を育むことが大切です。
このコラムでは、愛着の意味や愛着形成の4つのステップ、子どもの発達に与える影響、愛着の育み方などを解説します。子どもの愛着形成に不安を感じている方は、ぜひ参考にしてみてください。

目次

  • 愛着形成とは?
  • 愛着形成の4つのステップ
  • 愛着形成が子どもの発達に与える影響
  • まとめ
  • 愛着形成とは?

    愛着形成とは、子どもが親など特定の大人との間に形成される心理的な絆のことで、この絆を通して心理的な安定や対人関係を築く上の土台となるものです。
    子どもが不安を感じたときに「この人がいれば安心」「困ったときに助けてもらえる」といった感情を抱くようになります。
    例えば、赤ちゃんは泣いたときに、優しく抱っこされるという経験を繰り返すと、自分の気持ちは大切にされているという信頼につながり、愛着が深まっていきます。
    愛着形成は、心理学者であるジョン・ボウルビィによって、子どもが健やかな発達に欠かせない要素であると提唱された概念です。

    愛着形成の4つのステップ

    愛着形成は、赤ちゃんのときから4つのステップを経て育まれていきます。

    誰にでも働きかける段階(出生後~生後12週程度)

    この時期の赤ちゃんは、特定の人を区別せず、周囲の声や顔に反応し、誰に対しても泣いたり笑ったりする様子がみられます。愛着形成を支える基礎がつくられる大切な時期です。

    特定の人に働きかけ始める段階(生後6~12ヶ月)

    母親など特定の人へ少しずつ働きかけ始める段階です。これまでは誰にでも笑いかけたり手を伸ばしたりしていましたが、親などよく関わっている人に働きかけるようになります。さらに、自分の行動が他の人に対して影響を与えることもわかるようになってきます。ただし、この段階では、人見知りや特定の人がいないと泣くといったことはみられません。

    愛着形成段階(生後6か月~2、3歳)

    親など愛着を形成した特定の人に対しての働きかけが明確にあらわれます。親がいないと不安になったり、後を追ったり、抱きついて離れないといった愛着行動が目立ってくるようになる時期です。また、知らない人を警戒する・怖がる「人見知り」もみられるようになります。

    愛着を感じる人がそばにいなくても愛着を保てるようになる時期(3歳~)

    親などの愛着を感じる人がそばにいなくても、愛着を保てるようになる段階です。この時期の子どもは、愛着を保てるようになるため、親が離れてもこれまでのように泣いたりせず、しばらくすれば帰ってくると理解し始めます。
    愛着の相手の行動の背景や意図を推測できるようなり、自分の気持ちや振る舞いをコントロールし、相手との関係を調整できるようになります。

    愛着形成が子どもの発達に与える影響

    愛着が健やかに育まれると、子どもの発達にさまざまな良い影響を与えます。
    信頼できる大人との安定した関係が築かれることで、子どもは心理的に安定し、不安やストレスを感じたときにも落ち着きやすい傾向があらわれます。
    また、「自分の考えを理解してくれる大人がいる」という安心感は、自己肯定感の芽生えにつながり、子どもが自信を持つという点で重要な経験にもなるのです。

    愛着形成が不十分だとどうなるのか?

    子どもが適切な愛着形成を育むことができないと、コミュニケーション能力や性格、心の成長に影響が出ることがあります。
    他人と関わるときに不安を抱きやすくなり、信頼関係を築きにくくなってしまうのです。
    このような状態が続くと心の拠り所を求めて依存的な傾向が強くなり、大人になって、アルコールやタバコなどへの依存が見られるケースが少なくありません。
    幼少期の愛情を持った関わりが、子どもの心の健やかな成長に深く関わっているのです。

    愛着形成がうまくいってないときの気になるサインと愛着の育み方

    他の子と比べて愛着形成が上手くいっていないのではと心配な保護者の方のために、ここでは愛着形成が上手くいっていないときの気になるサインと愛着の育み方を解説します。

    愛着形成が上手くいっていないときの気になるサイン

    ◆親や養育者の顔をあまり見ない
    ◆表情が乏しいもしくは過剰
    ◆日ごろ近くにいる大人への反応が薄い
    ◆一人で過ごしたがる
    ◆親の顔色をうかがう
    ◆親と離れることに不安が強い

    これらの行動が見られたからといって、必ずしも愛着形成が育まれていないというわけではありません。
    愛着形成には個人差があるため、心配な方は専門家に相談するとよいでしょう。

    愛着の育み方

    愛着形成には以下のような方法がおすすめです。

    ◆子どもの反応に気づいて応える:どんな小さな反応や要求にも気づき、笑顔で応えてあげることが信頼関係につながります。
    ◆スキンシップとアイコンタクト:抱っこする、手を握る、見つめてあげるといった非言語コミュニケーションも愛着形成にはおすすめです。
    ◆ことばでの安心づけ:「大丈夫だよ」「ここにいるよ」など安心感を与えることばをかけると愛着は深まります。
    ◆子どもを尊重する:子どもの気持ちに寄り添ってあげることが大切です。無理に関わるのではなく、子どもを尊重し子どものペースに合わせて信頼関係を育てていくことをおすすめします。

    まとめ:子どもに合った方法で愛着形成に取り組みましょう

    愛着形成は子どもの発達を支える基礎となります。
    大切なのは個々の子どもに合わせたやり方で愛着形成を築こうとする姿勢です。
    他の子と異なる反応をしたり、反応がわかりにくかったりしても、日々の積み重ねが愛着形成につながります。
    不安を感じている保護者の方は、決して一人で抱え込まず、保健センターや医療機関、発達支援センターなどの専門家に相談してみましょう。

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