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発達障害とソーシャルスキルトレーニング(SST)

2018.04.21
  • 発達障害の療法

ソーシャルスキルトレーニング(SST)の技法

ソーシャルスキルは、実施する人が「対象となる人に何を達成してほしいのか」という目標を意識することで、多様なことがらが題材になります。できたことはしっかりと褒め、できなかったときも具体的にどうしたら良いのかを伝えることを教えます。

子どもについては、課題に応じて以下のようなポイントを組み合わせていきます。

  • 集団の大きさを変えて学ぶ
    ソーシャルスキルは、マンツーマンで個別で行うだけではなく、数人の集団で学ぶなど、さまざまな形式がとられます。たとえば、個別であれば、本人が特に困っている部分を深めていくことができます。また、集団では一緒に参加する子ども同士がモデルになったり、自分とは異なる意見を聞く機会にもなるでしょう。
  • 教材やロールプレイを使って学ぶ
    新しいものごとを学ぶときに、学びやすい方法はそれぞれ異なります。ソーシャルスキルの内容を伝えるときには、それぞれの子どもが理解しやすいように工夫をします。
    机上で知識を学ぶ際には、ワークシートや絵カードなどの教材を用いて学ぶ方法があります。また、出来事が、短いお話として書かれているソーシャルストーリーを用いることもあります。
    こういった教材で学んだことを、劇のように身体を動かして演じて、より実感を持たせる方法(ロールプレイ)もあります。それぞれに応じた手立てを用いることで、学んでほしい内容を確実に理解できるようにしていきます。
  • 遊びや共同作業の中でも学ぶ
    ゲームや工作、調理など、誰かと共同で活動をしながら、決まったルールを確認したり、相談や役割分担について学んだりします。勝ち負けがあるゲームでは、負けたという結果を受け止め、感情をコントロールするという目的でも行うことができます。
  • 外出した先で学ぶ
    飲食店でのマナーや公共交通機関でのマナーなどは、教材やロールプレイで学んだ後に、実際に体験して実践することで、さらに学びを深めることになります。

ソーシャルスキルを本人に合った方法で学び、不安が少ない状況で成功経験を積むことは自信にも繋がります。また、たとえば「絵になっているとわかりやすい」「体験してみると理解しやすい」など自己理解に繋がっていくことも期待されます。

こんな問題を抱えている人に効果がある

ソーシャルスキルトレーニング(SST)は社会生活において必要なルールを学ぶことや人間関係を築くためのスキルを学びづらい人が対象になります。たとえば、以下のような人は対象となるでしょう。

・ことばだけは複雑な内容が理解できない
・周りの様子を察する(空気を読む)ことが難しい
・得意と不得意なことに大きく偏りがある
・感情や行動のコントロールが苦手
・不安が強い
・経験不足になりやすい

発達障害や知的障害のある子どもや、心理的な要因で社会生活に不安が大きい人なども対象となります。中でも対人スキルや感情のコントロールについては、テーマとして取り上げられることも多いでしょう。

どこで受けられる

ソーシャルスキルトレーニング(SST)は、医療機関や児童療育施設、児童発達支援施設などで指導員やセラピストが個別や少人数集団で行うこともあるでしょう。また、幼稚園、保育園、学校などでは、保育士や教員が指導を行っていきます。また、家庭生活で行える内容もあります。

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