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集中力がない子どもの原因は?病気の可能性と親ができる対策

2025.10.22
  • 発達障害
  • ADHD(注意欠如多動性障害)
  • 支援方法・家庭での過ごし方

うちの子もしかして集中力がない?と悩んでいませんか

「リビングで遊んでいたと思ったら、もう次のおもちゃに夢中になっている」「勉強を始めても、5分と経たずに窓の外を眺めている」「大事な話をしているのに、なんだか上の空…」

我が子のそんな姿を見て、「うちの子、もしかして集中力がないのかもしれない」と不安に感じているお母さん、お父さんは少なくありません。周りの子と比べて落ち着きがないように感じたり、このままでは小学校の授業についていけなくなるのではないかと心配になったりすることもあるでしょう。

そのお悩みは、子どものことを真剣に考え、愛情深く見守っているからこそ生まれるものです。決して、ご自身の育て方を責める必要はありません。

子どもの集中力が続かない背景には、実にさまざまな原因が考えられます。それは、成長の過程で誰もが通る道かもしれませんし、ほんの少し環境を整えてあげるだけで、驚くほど変わることもあります。

この記事では、子どもの集中力がないと考えられる主な原因から、ご家庭で今日からすぐに実践できる具体的な対策までを分かりやすく解説します。また、必要に応じて専門家へ相談する際のヒントもご紹介します。

なぜ?子どもの集中がないときに考えられる主な原因

「どうしてうちの子は集中できないの?」と悩んだとき、まずはその背景にある可能性を知ることから始めましょう。原因はひとつとは限らず、複数の要因が絡み合っていることもよくあります。

発達段階によるもの

大前提として、子どもの集中力は大人と同じではありません。脳の前頭前野(思考や感情をコントロールする部分)が未発達なため、長時間ひとつのことに注意を向け続けるのは非常に難しいのです。

一般的に、子どもの集中できる時間は「年齢+1分」が目安だと言われています。例えば、3歳の子なら4分、5歳の子なら6分程度です。小学校低学年でも15分ほどが限界とされています。大人の基準で「集中力がない」と判断する前に、まずは子どもの年齢でどの程度集中できるのかを知ることが大切です。

環境的な要因

子どもは、大人以上に周りの環境から影響を受けやすいです。集中力を妨げる要因が、身の回りに潜んでいるかもしれません。

・視覚的な刺激が多い

おもちゃや漫画が散らかっている、カラフルなポスターが壁に貼ってあるなど、視界に入る情報が多いと注意が散漫になります。

・聴覚的な刺激が多い

テレビの音、兄弟の話し声、外の工事の音などが聞こえていると、そちらに気を取られてしまいます。

・不適切な学習環境

机や椅子の高さが合っておらず姿勢が崩れてしまう、部屋が暑すぎたり寒すぎたりするなど、物理的に不快な環境も集中を妨げます。

心身の状態

見落としがちですが、その日の体調や心の状態も集中力に大きく影響します。

・睡眠不足や疲労

寝不足だったり、日中の活動で疲れていたりすると、脳の働きが鈍くなり、集中力や思考力が低下します。

・空腹や栄養不足

お腹が空いていると、血糖値が下がり、集中できません。また、朝食を抜いたり、お菓子ばかり食べていたりすると、脳に必要な栄養が届かず、集中力が持続しにくくなります。

・ストレスや不安

友達とのトラブルや、親に叱られた後など、何か心配事や不安を抱えていると、そちらに意識が向いてしまい、目の前の課題に集中できなくなります。

興味や関心とのミスマッチ

大人でも興味のない話は退屈に感じるように、子どもも自分が「楽しい」「やってみたい」と思えないことにはなかなか集中できません。

・課題が難しすぎる

自分の能力に対して課題が難しすぎると、「どうせできない」と諦めてしまい、やる気そのものが失われます。

・課題が簡単すぎる

逆に簡単すぎても、退屈に感じてしまい、すぐに飽きてしまいます。

・本人の興味と合っていない

親は良かれと思ってやらせていても、子ども自身がその活動に全く興味を持てていない場合、集中が続くはずもありません。

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集中力がないのは大人の悩みにも共通する?

「集中力がない」という悩みは、子どもだけではありません。この記事を読んでいるお母さん、お父さんの中にも、「仕事中にすぐスマホを見てしまう」「家事をしているのに、別のことが気になって中途半端になる」といった経験がある方はいらっしゃるのではないでしょうか。

現代社会は、スマートフォンやSNS、無数の情報など、私たちの注意を引く刺激で溢れています。常に複数のタスクを同時にこなす「マルチタスク」が求められ、ひとつのことにじっくり向き合う時間が奪われがちです。

こうした環境は、大人だけでなく子どもにも同じように影響を与えています。大人が集中しにくい環境は、子どもにとってはさらに集中しにくい環境なのです。この視点を持つことで、子どもの「集中できない」という状況を、より共感的に理解できるかもしれません。

もしかして病気?障害?集中力の欠如と関連する発達障害

さまざまな対策を試しても、あまりにも落ち着きがなかったり、日常生活に支障が出るほど忘れ物が多かったりする場合、「もしかして何か病気や障害が隠れているのでは?」と心配になる方もいらっしゃるでしょう。

確かに、著しい集中力の欠如は、発達障害の特性のひとつとして現れることがあります。その代表例がADHD(注意欠如多動症)です。

ADHDの特性とは

ADHDは、生まれつきの脳機能の発達の偏りによるもので、育て方やしつけが原因ではありません。主な特性として、以下の3つが挙げられます。

・不注意

集中力が続かない、忘れ物や失くし物が多い、話を聞いていないように見える、注意が逸れやすい。

・多動性

じっとしているのが苦手で、授業中に立ち歩いたり、椅子をガタガタさせたりする、常にそわそわと体を動かしている。

・衝動性

順番を待てない、質問が終わる前に答えてしまう、他の子の邪魔をしたり、思ったことをすぐ口に出したりする。

これらの特性の現れ方は人それぞれで、全てが当てはまるわけではありません。

自己判断は禁物。心配なときは専門家へ

ここで最も大切なことは、「集中力がない=ADHD」と安易に自己判断しないことです。上記のような特性は、多くの子どもに程度の差こそあれ見られるものです。発達障害の診断は、専門の医師が面談やさまざまな検査を通して総合的に行うものです。

もし、子どもの様子を見ていて気になることや、育児に困難を感じることが続くようであれば、ひとりで抱え込まずに専門の窓口に相談してみましょう。

相談先としては、かかりつけの小児科、地域の保健センターや子育て支援センター、児童発達支援センター、発達障害者支援センターなどがあります。

専門家に相談することで、適切なアドバイスがもらえたり、必要なサポートにつながったりと、保護者の方の心の負担を軽くするきっかけになります。

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今日から家庭でできる!子どもの集中力を高める7つの方法

ここからは、ご家庭で今日からすぐに取り組める、子どもの集中力を育むための具体的な方法を7つご紹介します。焦らず、子どものペースに合わせて試してみてください。

集中できる環境を整える

まずは、子どもが目の前のことに向き合いやすい「集中スイッチ」が入る環境を作りましょう。

・視界から刺激を減らす

勉強や作業をする机の上には、関係のないものを置かないようにします。おもちゃや漫画は、蓋つきの箱やカーテン付きの棚など、見えない場所に片付けましょう。

・音の刺激を減らす

テレビは消し、保護者のスマホもマナーモードに。静かな環境が理想ですが、無音だと逆に落ち着かない子の場合は、単調なBGM(クラシック音楽や自然音など)を小さな音で流すのも効果的です。

生活リズムを整える

心と体のコンディションは集中力の土台です。規則正しい生活を心がけましょう。

・十分な睡眠

毎晩決まった時間に寝て、朝決まった時間に起きる習慣をつけ、年齢に応じた睡眠時間を確保しましょう。

・バランスの取れた食事

特に朝食は、脳のエネルギー源となるため非常に重要です。糖質だけでなく、タンパク質やビタミン、ミネラルもバランス良く摂れると理想的です。

時間を区切って取り組む

長い時間集中させようとするのは逆効果です。「15分だけやってみよう」というように、短い時間で区切って取り組ませてみましょう。キッチンタイマーや砂時計など、終わりが視覚的にわかるものを使うのがおすすめです。「この音が鳴るまで」と目標が明確になることで、子どもは見通しを持って取り組めます。終わったら必ず休憩を挟み、メリハリをつけることが大切です。

課題の難易度を調整する

子どもが「これならできそう!」「ちょっと頑張ればクリアできそう!」と感じられる、絶妙な難易度の課題を用意してあげましょう。 もし難しすぎると感じているようなら、課題を小さなステップに分解して、「まずはここまでやってみよう」とスモールステップで進めるのが効果的です。成功体験を積み重ねることが、自信と次への意欲につながります。

できたことを具体的に褒める

子どもが集中して取り組めたときは、結果だけでなく、その過程を具体的に褒めてあげましょう。

NG例
「すごいね!」「えらいね!」

OK例
「タイマーが鳴るまで、ずっと椅子に座っていられたね!」「途中で諦めずに、最後までパズルを完成させたのがすごいね!」

具体的に褒められることで、子どもは自分の頑張りを見てくれていると感じ、自己肯定感が高まります。それが、またやってみようという内発的なモチベーションになるのです。

遊びを通して集中力を養う

「集中力」は、机に向かう勉強だけで養われるものではありません。むしろ、子どもが夢中になれる「遊び」の中にこそ、集中力を育むチャンスがたくさん隠されています。

・指先を使う遊び

ブロック、粘土、ビーズ、折り紙、パズルなど

・思考力を使う遊び

迷路、間違い探し、かるた、トランプ、ボードゲームなど

親子で一緒に楽しみながら、自然と集中する経験を増やしていきましょう。

親の関わり方を見直す

日々の何気ない親の関わり方も、子どもの集中力に影響を与えます。

・指示は短く、具体的に

「あれもこれもやってね」と一度にたくさんの指示を出すのではなく、「まずはおもちゃを箱に入れよう」のように、ひとつずつ簡潔に伝えましょう。

・子どもの話に耳を傾ける

子どもが話しかけてきたときは、できるだけ手を止めて、「うんうん」と目を見て話を聞いてあげましょう。親に受け止めてもらえているという安心感が、心の安定と集中力につながります。

専門家や支援機関への相談も選択肢に

ご紹介した方法を試してみても、なかなか状況が変わらなかったり、どうしていいかわからないという不安や負担が大きくなったりすることもあるかもしれません。

そんなときは、決してひとりで、ご家庭だけで抱え込まないでください。子育ての悩みを誰かに相談することは、決して特別なことではありません。外部の専門家や支援機関の力を借りることも、大切な選択肢のひとつです。

先述したような公的な機関(保健センターや子育て支援センターなど)に相談するのも良い方法です。ただ、中には「いきなり病院や公的な機関に相談するのは、少し敷居が高い…」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。

そのような場合は、子どもの発達や学習支援に詳しい民間の学習塾や支援教室などに、まず話を聞いてもらうという方法もあります。経験豊富な専門スタッフが、子どもの特性に合わせた具体的な学習方法や、家庭での関わり方についてアドバイスをくれるでしょう。大切なのは、保護者の方が安心して悩みを打ち明けられる場所を見つけることです。

ステラ幼児教室・個別支援塾では子どもの発達や行動、学習面の悩みなど、さまざまな相談に対応しております。

子どもの集中力がない原因と親ができる対策のまとめ

今回は、集中力がない子どもの原因と、親ができるサポートについて詳しく解説しました。

子どもの集中力が続かない背景には、発達段階や周りの環境、その日の体調など、さまざまな要因が考えられます。まずはご家庭で集中できる環境を整えたり、生活リズムを見直したりすることから試してみてはいかがでしょうか。そして、遊びなどを通して楽しく集中する経験を重ね、「できた」という過程を具体的に褒めてあげましょう。

最も重要なのは、周りの子と比べて焦ったり、子どもを叱ったりするのではなく、「この子にはこの子のペースがある」と信じ、その子の個性や特性を理解しようとする姿勢です。

子どもが安心して何かに取り組み、自分らしく成長していくために、この記事が少しでもお役に立てれば幸いです。

もし、さまざまな工夫をしても保護者の方の不安が続く場合は、ひとりで抱え込まずに専門家や支援機関へ相談するのも大切な選択肢です。

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