共生社会を育む教育 刈谷市立刈谷特別支援学校の取り組みと魅力とは?
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障害のある子どもたちにとって、安心して学び、自分らしくのびのびと成長できる環境はとても大切です。
愛知県刈谷市にある「刈谷市立刈谷特別支援学校」は、2018年の開校以来、刈谷市・知立市・高浜市の地域に根ざし、肢体不自由のある児童生徒への教育・支援に尽力してきました。
また、併設されている小垣江東小学校との連携により、共生社会の実現を目指す取り組みも進められています。
本コラムでは、同校の概要や特色、学部構成、アクセス情報などをわかりやすくご紹介します。
学校の概要
刈谷市立刈谷特別支援学校は、2018年(平成30年)4月に開校した比較的新しい特別支援学校です。
愛知県刈谷市小垣江町に位置し、刈谷市、知立市、高浜市の3市に在住する肢体不自由のある子どもたちを対象としています。
笑顔を大切にし、常に挑戦し続け、いつも感謝の気持ちを忘れない教育をする学校であり続けたいという願いを込め、「笑顔」「挑戦」「感謝」を校訓に掲げています。
「かきつばたん」という、刈谷市の花「かきつばた」をモチーフにした女の子の妖精が刈谷特別支援学校の公式マスコットキャラクターになっています。
教育の特徴と学びの環境
まず、この学校の特徴の一つは、肢体不自由の子どもたちに配慮された環境です。
肢体不自由のある子どもたちは、車いすの子ども、装具が必要な子ども、医療的ケアが必要な子どもなど、一人ひとり異なる支援を必要とします。
そのため、個々の子どもに合わせた支援ができるように、少人数制の学級編成が取られており、設備と環境面において配慮されています。
また、医療的ケアが必要な児童生徒への配慮も手厚く、医療機器やベッドが設置されているケアルームには看護師がおり、日々の健康管理や緊急対応にも安心の体制が整えられています。
さらに、校舎全体が広々と設計され、トイレには介助用のベッドがあるなど、移動のしやすさや安全性に配慮されています。
共生の実現:小垣江東小学校との交流
この学校のもう一つの特徴は、すぐ隣にある小垣江東小学校との併設型であるという点です。
つまり、障害のある子どもと障害のない子どもが、近い環境で日々を過ごしています。
刈谷特別支援学校と小垣江東小学校は、共用している中庭でつながっており、子どもたちが日常的に交流する機会がもたれています。
また、交流授業やイベントも行われており、子どもたちは互いの違いを認め合い、共に学び、成長していく体験を積んでいます。
これはインクルーシブ教育のモデルケースとも言える取り組みであり、教育現場と地域全体に、共生の意識を広げる役割を果たしています。
学部構成と地域別の在籍者数
刈谷市立刈谷特別支援学校には、小学部・中学部・高等部の3つの学部が設けられています。
2022年(令和4年)4月6日現在の在籍者数は以下の通りです。
• 刈谷市:小学部20名、中学部6名、高等部5名(計31名)
• 知立市:小学部3名、中学部2名、高等部1名(計6名)
• 高浜市:小学部4名、中学部2名、高等部4名(計10名)
一学年の人数は非常に少なく、個々の状況にしっかりと寄り添える教育体制が築かれています。
アクセスと学校見学の案内
住所 〒448-0813 愛知県刈谷市小垣江町白沢36
電話番号 0566‐21‐7301
学校へのアクセスは、名鉄三河線「小垣江駅」から徒歩で約20分、または刈谷市の公共施設連絡バス「小垣江東小学校」バス停から徒歩2分の立地にあります。
刈谷市立刈谷特別支援学校では、新しく就学される子どもや、地域の小中学校に就学しており刈谷特別支援学校への転校を考えている子どもの保護者を対象に、学校見学や説明会を実施しています。就学や転学を考えている方は、学校見学や説明会に参加してみるとよいでしょう。
地域におけるセンター的機能
刈谷特別支援学校では、障害児教育の専門性を活かして、刈谷市・知立市・高浜市に在住する就学前から高等学校までの支援を必要とする子どもや保護者、先生からの相談を障害種別は問わず受け付けています。
就学前の子どもの相談(「かもめ相談」)は、子育てや日常生活の配慮などの相談を保護者から受け、就学後の子どもの相談(「かりとく相談」)は、各園や学校から要請を受けて、子どもの教育に関する助言などの支援を行っています。
刈谷特別支援学校は、刈谷市・知立市・高浜市地域において障害児教育のセンター的機能をはたしています。
まとめ
刈谷市立刈谷特別支援学校は、2018年に開校し、肢体不自由のある児童生徒を対象とした特別支援学校として、地域の教育活動の一端を担っています。
小垣江東小学校の併設による地域の子どもたちとの交流や、医療的ケアへの対応や移動しやすい広々とした校舎など、肢体不自由の子どもたちにとって、よりよい学びの環境が整えられています。
刈谷市・知立市・高浜市地域において障害児教育のセンター的機能など、学校の取り組みや果たす役割が今後も期待されます。