作文は、小学生のうちに身につけておくと、中学・高校・社会人になってからも役立つ大切な力です。しかし、多くの保護者が「うちの子は作文が苦手」「文章がうまくまとまらない」と悩むことが少なくありません。
作文が苦手に感じる理由は、語彙力や文法だけではありません。実は、作文には基本的な「書き方のルール」があり、それを知らないまま書こうとすると、どれだけ内容が良くても読みにくい文章になってしまいます。
この記事では、小学生でも分かるように、作文の基本ルールから、「かぎかっこの使い方」「横書きの作文の注意点」「小さい文字(拗音・促音)の正しい書き方」「記号の使い方」「句読点の位置」「読みやすくするためのコツ」まで、「今日から使える」ポイントを丁寧に解説します。作文が苦手なお子さんはもちろん、指導したい大人にも役立つ内容です。
まずは作文の基本ルールをおさえよう

作文は“自由に書くもの”と思われがちですが、実はその前に知っておくべき「基本ルール」があります。ここでは小学生が最初に押さえるべきポイントをまとめます。
文は一文一義
基本的に1つの文に言いたいことを1つだけ入れること。
ダラダラとたくさんのことをつなげて書くと、読み手は理解しにくくなります。
✕ 悪い例
きのう友だちと公園に行ってサッカーをして、とても疲れて家に帰りました。
○ 良い例
きのう、友だちと公園に行きました。そこでサッカーをしたので、とてもつかれました。家に帰るとすぐに休みました。
短い文の積み重ねの方が読みやすい作文になります。
かぎかっこの正しい使い方

作文を書くとき、「かぎかっこ(「」)」の使い方が分からない小学生は意外と多いものです。
人が言った言葉をそのまま書くとき
例:
母が、「がんばってね」と言いました。
心の声を書くとき
例:
(私は)「今日のテスト、うまくできるかな」と心の中で思いました。
本や物語の内容を書くとき
例:
教科書には、「友だちを大切にしよう」と書いてあります。
注意
かぎかっこは必ず開き「 と閉じ 」をセットで使うこと。どちらかが抜けると文章が崩れます。
横書きの作文で気をつけるポイント

現在、小学校では横書きの作文を書く場面も増えています。
横書きには横書きならではの注意点があります。
行の先頭をそろえる
文頭の一字下げを忘れないようにしましょう。
例:
日本語の作文では、段落の最初は1文字空ける。
読点と句点は行末でもOK
横書きでは、行末に「、」「。」が来ても問題ありません。
むしろ、改行を避けるために途中で区切るより行末に来た方が自然です。
記号は正しい位置に書く
横書きは縦書きよりも、記号が流れの中に溶け込みやすいので、文が崩れないように注意します。
小さい文字の書き方

小学生でよく見られる作文の間違いは「小さい文字(拗音・促音)」の誤用です。
- 小さい「ゃ・ゅ・ょ」を大きく書いてしまう
- 「っ」を忘れる
- 「しよう」を「しよ」
- 「きって」を「きて」
など、読み間違いにつながります。
小さい文字の書き方ポイント
- 「ゃ・ゅ・ょ・っ」は必ず小さく書く
- 行と行の間に埋もれないよう、やや上に寄せて書くと見やすい
- 分からないときは音読すると間違えにくい
例
✕ りよかん → 〇 りょかん
✕ きよく → 〇 きょく
✕ きて(切手) → 〇 きって
文章が読みやすくなる重要ポイントです。
記号の使い方

記号の使い方に関して、小学生がつまずきやすいものを挙げます。
作文が苦手な子ほど「記号の使い方」でつまずくことが多いです。
ここでは小学生が覚えておきたい記号の使い方を整理します。
句読点
- 「、」は文のまとまりを分かりやすくする
- 「。」は文の終わりにつける
- 長すぎる文には「、」を入れる
NG例
私はきのう学校で図工をしてそのあと体育をしておしゃべりをして楽しかったです。
OK例
きのう、私は学校で図工をしました。そのあと体育をして、友だちとおしゃべりをしました。とても楽しかったです。
括弧
説明や補足を書くときに使います。
ただし、括弧を使いすぎると読みにくいので注意しましょう。
読みやすい作文にする3つの鉄則

作文が苦手な子でも、「この3つ」を意識するだけで文章が一気に上達します。
書き方のパターンを覚える
どんな作文にも使える万能フォーマットを紹介します。
例:
① 結論:私は今年の夏休みでキャンプがいちばん楽しかったです。
② 理由:なぜなら、自分で料理を作れたからです。
③ 具体例:カレーづくりでは、野菜を切るところから全部チャレンジしました。
④ まとめ:自分で作ったカレーは最高においしく、忘れられない思い出になりました。
最初に結論を持ってきて、その理由を挙げ、具体例を挙げて、最後にまとめるというフォーマットを使うと、まとまりが出て読みやすくなります。
五感を使って書く
作文は「事実だけを書く」と単調になります。
- 見えたもの
- 聞こえた音
- におい
- 手ざわり
- 気持ち
などを入れると文章が生き生きします。
【例】
✕ 公園で遊んで楽しかった。
〇 公園のすべり台は、さわると「熱い!」と感じました。でも、山のように高くてワクワクして、思い切りすべりました。
自分の気持ちを文章に入れる
作文が上手な子は「気持ちの言語化」ができています。
例:
・うれしい
・どきどきした
・びっくりした
・悔しかった
・緊張した
・楽しかった
これを文の最後に少し足すだけで、驚くほど読みやすくなります。
小学生がやりがちな作文の間違いと改善例

小学生がやりがちな作文の間違いと改善例を挙げて説明します。
同じ言葉を何度も使う
✕ 「すごい」「すごい」を連発する
〇 「楽しい」「驚いた」「驚くほど」
語彙が増えると文章が豊かになります。
句読点を入れない
✕ ところがそのとき大きな音がしてみんながこっちを見ました
〇 ところが、そのとき大きな音がして、みんながこっちを見ました。
話し言葉のまま書く
✕ 「やばい」「まじで」
作文では使わない方が良い表現です。
かぎかっこの閉じ忘れ
✕ 先生が、「気をつけてね と言いました。
「」は必ずセットで使う!
基本ルールを知るだけで作文は変わる
この記事では、小学生が作文を書くときに知っておくべき基本ルールとコツを紹介しました。
基本ルールをおさらいしておきましょう。
「かぎかっこは開く・閉じるをセットで使う」「横書きは行の頭をそろえ、段落の始まりは1字下げる」「小さい文字(ゃ・ゅ・ょ・っ)を正しく書く」「記号と句読点で文章の流れを整える」「「結論→理由→具体例」の型を使う」「気持ちや五感を入れると文章が生きる」「書く前に準備するだけで作文は上達する」
作文は、才能ではなく「書き方のルール」を知っているかどうかで上達が大きく変わります。
紹介したコツを一つずつ取り入れていけば、作文が苦手な小学生でも、確実に読みやすく分かりやすい文章が書けるようになります。
しかし、コツがわかっても、取り入れることが難しい場合もあります。
また、文字を書くこと自体が苦手な場合や、書く内容を決めることが苦手な場合もあるでしょう。
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