二語文はいつから話すのが一般的?発達を促すサポートとは
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「まだ二語文を話さないけれど大丈夫かな…?」子どもの言葉の発達について、そのように不安を感じたことはありませんか?周りの子どもと比べて「うちの子どもは遅れているのかも…」と心配になる保護者の方も少なくありません。
二語文は言葉の発達の一つの節目ですが、実際に現れる時期には個人差があり、焦る必要がないケースも多くあります。とはいえ、早めに気づいてサポートできることがあるのも事実です。
そこで本記事では、二語文を話し始める一般的な時期や発達の目安、そしてご家庭でできる言葉のサポート方法について、わかりやすくご紹介します。
目次
- 二語文の目安について
- 言葉の発達を促すためのサポート
- まとめ
二語文の目安について
「二語文って何?いつから話せるようになるの?」などと、言葉の発達に関して疑問を抱いている保護者の方は多いでしょう。まずは、言葉の発達段階の中で「二語文」がどのような位置づけなのかを知っておくことが大切です。
多くの子どもは1歳半から2歳頃に二語文を話し始めるとされていますが、言葉の発達には幅があるため、必ずしも全ての子どもがこの時期に話し始めるとは限りません。
まず本項では、二語文の定義や発達の目安、個人差への理解を深めながら、見守る上での大切なポイントを確認していきます。
そもそも二語文とは?
二語文とは、二つの単語を組み合わせて意思を伝える方法のことです。
たとえば「ママ きた」「ワンワン いた」などが挙げられます。この段階では、子どもは単語を組み合わせることで、より具体的な要求や状況を伝えようとします。二語文の出現は、言語発達の一つの節目であり、子どものコミュニケーション能力が向上しているサインといえるでしょう。
1歳半〜2歳ごろの発達の目安
一般的に、子どもは1歳半から2歳頃にかけて二語文を話し始めることが多いとされています。この時期には、以下のような発達が見られます。
語彙の増加
単語の数が増え、身近な物や人を指す言葉を多く覚えます。
模倣が強まる
大人の言葉や行動を真似ることで、新しい表現を学んでいきます。
簡単な指示の理解
「持ってきて」「座って」などの簡単な指示を理解し、応じられるようになります。
ただし、これらはあくまで目安であり、個々の発達には個人差があります。焦らず、子どものペースを大切にしましょう。
個人差や発達の幅と見守り方
言語の発達には必ず個人差があり、二語文を話し始める時期も、1歳半で始まる子もいれば、2歳半を過ぎてからの子もいます。
大切なのは、他の子どもと比較して焦るのではなく、子ども自身の成長を温かく見守ることです。日常生活の中で積極的に話しかけたり、絵本の読み聞かせを行うことで、言葉への興味を引き出すサポートができます。また、子どもが発した言葉に対して、しっかりと応答することで、コミュニケーションの楽しさを伝えることができるはずです。
子どもの発達について相談するタイミング
子どもの言語発達に関して、以下のようなサインが見られる場合は、専門家への相談を検討しても良いかもしれません。
2歳を過ぎても単語がほとんど出ない
一般的には2歳頃から二語文が出始めますが、単語自体が少ない場合は注意が必要です。
言葉の理解に遅れが見られる
簡単な指示や問いかけに対して、反応が乏しい場合も注意が必要です。
発音の曖昧や言葉のリズムの不自然さがある
発音が曖昧であったり、言葉のリズムの不自然さが目立つようになってきた場合も注意が必要です。
ですが、これらのサインが見られた場合でも、過度に心配する必要はありません。まずは地域の保健センターや小児科医に相談し、適切なアドバイスを受けることが大切です。早期の相談が、子どもの健やかな成長をサポートする第一歩となります。
子どもの成長は一人ひとり異なります。焦らず、温かく見守りながら、必要に応じて専門家の意見を取り入れていきましょう。
言葉の発達を促すためのサポート
「でも、言葉が出るのを、ただ待っているだけでいいのかな?」そんな疑問を持つ保護者の方もいるかもしれません。実は、子どもの言葉の発達は、家庭での関わり方によって大きくサポートすることができます。たとえば、たくさん話しかけることや絵本の読み聞かせ、ジェスチャーを大切にすることなど、日常の中でできる取り組みはたくさんあります。
ここでは、子どもの言葉を育むためにご家庭でできるサポートや、心配なときに頼れる専門機関についてもご紹介します。子どものペースを尊重しながら、できることから始めてみましょう。
早い段階で介入していくことが大切
子どもの言葉の発達の遅れに気づいた段階で、早めに対応することは大切です。発語がゆっくりだったり、言葉の理解が遅れているように感じたときには、早期的に専門家へ相談することで、子どもの成長をサポートするチャンスが広がります。
言葉の遅れにはさまざまな原因があり、個性の一部として問題がないことも多いですが、専門的な視点での確認によって保護者自身の安心にも繋がります。発達は早期介入によって伸びやすい側面もあり、必要な支援を早い段階で受けることで、子どもが自信をもって成長できる土台が構築になるでしょう。
たくさん話しかけて日常会話で育む
日常生活の中で子どもにたくさん話しかけることは、言葉の発達にとって最も身近で効果的なサポートです。難しい言葉や特別な教材を使う必要はありません。
たとえば「おいしいね」「車が通ったね」など、日常の小さな出来事を言葉で共有するだけで、子どもは多くの言葉を吸収していきます。特に、子どもが話そうとしたときにしっかり反応してあげることは、コミュニケーションの楽しさを伝えるうえでとても重要です。また、子どもが興味を持ったものについて話題を広げることで、語彙力や会話のやりとりの力も自然と身についていきます。
絵本や歌あそびなど楽しく成長する
絵本の読み聞かせや歌あそびは、子どもが言葉を「楽しく」身につけるためのとても良い手段です。
絵本では、日常では出てこない言葉や表現に触れることができ、語彙を広げるチャンスになります。また、ページをめくるたびに絵と言葉が連動しているため、意味をイメージしやすく、理解も深まりやすいのが特徴です。歌や手あそびはリズムや繰り返しが多く、言葉のリズム感や音への感覚を育てます。無理なく楽しく続けられる方法で、言葉の範囲を広げていきましょう。
指さしやジェスチャーも大切な段階
言葉が出る前や言葉と並行して、指さしやジェスチャーは子どもにとって大切なコミュニケーションの手段です。
たとえば、何かを指して「これ!」と意思表示をする行動や「バイバイ」「ちょうだい」などの身ぶりは、言葉の前段階としての重要な発達のステップです。こうした非言語的な表現にしっかりと反応してあげることで、子どもは「伝わった」「分かってもらえた」と感じ、より豊かなコミュニケーションにつながっていきます。
悩んだ際には専門機関を頼る
子どもの発達について「何かちょっと気になる…」と感じたときには、ひとりで抱え込まずに、ぜひ専門機関に気軽に相談してみましょう。
早めに相談することで、必要な支援を早期的に受けることができ、子どもにとってもご家族にとっても安心に繋がります。以下のような機関が相談窓口として利用できます。
地域の保健センター
健診や育児相談を通じたアドバイスは受けられます。
子ども家庭支援センター
子育て全般に関する支援や相談が受けられます。
小児科・言語聴覚士
医療的・専門的な評価と支援の提案をしてもらえます。
相談は決して「心配しすぎ」ではなく、大切な気づきや情報収集に繋がります。子どもの成長には不透明な部分が多いため、一人で悩まずに迷ったときは遠慮せず、頼ってみましょう。
まとめ
二語文は、たとえば「ママ きた」など、2つの単語をつなげて意思を伝える言葉の発達段階の一つです。
一般的には1歳半から2歳頃に見られるようになりますが、言葉の発達には個人差があるため、時期が遅れてもすぐに心配する必要はありません。大切なのは、焦らず見守りつつ、ご家庭でできる関わりを通してサポートしていくことです。
たくさん話しかけたり、絵本や歌遊びを楽しんだり、ジェスチャーへの反応を大切にすることで、子どもは自然と言葉を吸収していきます。また、言葉の理解や発語に不安がある場合は、保健センターや小児科、支援センターなどの専門機関へ相談することで、適切なアドバイスや支援につながります。
子どものペースを大切にしながら、じっくりと成長を見守っていきましょう。
参考元
各支援機関 等