子どもが「なんで?」「どうして?」と何度も質問を繰り返すようになったなら、いよいよなぜなぜ期が始まったのかもしれません。成長の証とわかっていても、毎日続く質問攻めに疲れてしまう保護者の方も多いのではないでしょうか。
特に発達障害のあるお子さまの場合、なぜなぜ期の現れ方に特徴があったり、そもそもなぜなぜ期がこないこともあったりして、不安を感じる方もいらっしゃいます。
この記事では、なぜなぜ期とはどのような時期なのか、いつから始まるのか、発達障害がある子どもの特徴、そして親がイライラしないための対応法について、発達支援の専門家の視点からわかりやすく解説いたします。
なぜなぜ期とは?子どもが質問を繰り返す時期のこと

子どもがある日を境に、なぜ、どうしてと何度も問いかけてくるようになることがあります。いわゆる「なぜなぜ期」と呼ばれる時期で、身の回りの出来事を自分なりに理解しようとする姿がはっきりと見えてくる頃です。
この時期の子どもは、毎日の生活そのものに強い驚きや不思議さを感じています。空の色が変わること、昼と夜が入れ替わること、ごはんを食べる理由など、大人にとっては説明するまでもないことが、子どもには気になって仕方がありません。
質問の内容はその日その場で変わり、統一感がないように感じることもありますが、どれも世界を理解しようとする真剣な試みです。聞いている大人の反応を確かめながら、自分の考えを少しずつ広げている最中ともいえるでしょう。
なぜなぜ期は、知識を覚えるための時期というより、考える力が芽を出し始める入り口のような時間です。質問を重ねる中で、物事がつながっていることを少しずつ感じ取り、自分なりの理解を積み重ねていきます。
なになに期となぜなぜ期の違いとは
子どもの質問期には、大きく分けて二つの段階があります。最初が「なになに期」、そのあとに「なぜなぜ期」が続きます。
なになに期は、物や人の名前を知りたがる時期です。これなあに、あれは何と尋ね、名前を教えてもらうことで安心します。やり取りも比較的シンプルです。
一方、なぜなぜ期では質問の中身が変わります。名前ではなく、理由や仕組みを知りたい気持ちが前面に出てきます。なぜ赤いのか、どうして動くのかといった問いは、大人でもすぐに答えに迷うことがあります。なになに期が知るための入り口なら、なぜなぜ期は理解を深める段階です。考える力が育っている証であり、成長が順調に進んでいるサインでもあります。
なぜなぜ期に何度も質問を繰り返す理由
なぜなぜ期の子どもは、同じ質問を何度もします。もう答えたはずなのにと、戸惑う場面もあるかもしれません。ただ、その背景には発達上の理由があります。
3歳から4歳頃は脳の発達が著しい時期です。一度聞いただけでは理解が追いつかず、繰り返し確認することで知識を定着させています。
また、大人とのやり取りそのものを楽しんでいる場合もあります。真剣に答えてもらう経験が、安心感につながっているのです。
さらに、説明をより深く理解したいという思いから、同じ質問をすることもあります。その姿は、学ぼうとする力が育っている証といえるでしょう。
なぜなぜ期はいつから始まる?年齢別に解説

なぜなぜ期がいつ始まるのかは、多くの保護者が気になるところです。目安を知ることで、子どもの発達を捉えやすくなります。ただし進み方には個人差がありますので、参考程度に考えてください。
なになに期は2歳頃から始まることが多い
なになに期は、一般的に2歳頃から見られます。言葉の発達が進み、語彙が増えていく時期です。
この頃の子どもは、目に入るものを指さしてこれなあにと尋ねます。大人が答えると、その言葉を真似しながら少しずつ覚えていきます。こうした経験が、言葉の土台を育てています。
なになに期は、言葉を通して世界を整理し始めたサインです。この積み重ねが、次のなぜなぜ期へとつながっていきます。
なぜなぜ期は3歳から4歳頃がピーク
なぜなぜ期は、3歳から4歳頃に最も活発になります。理由やつながりを考える力が育つ時期です。
名前だけでなく、どうしてそうなるのかに関心が向き、身近な出来事への質問が増えていきます。自我の発達とともに、大人の役割や社会への気づきも芽生えてきます。
多くは5歳から6歳頃に落ち着きますが、好奇心が強い子はその後も質問を続けることがあります。
なぜなぜ期がこない子どももいる
すべての子どもになぜなぜ期がはっきり現れるわけではありません。目立たないまま成長する子もいます。
自分で考えることが好きな子や、観察や体験を通して理解する子は、言葉で質問しないこともあります。また、発達障害の特性によって見られにくい場合もあります。
なぜなぜ期がこないからといって、心配しすぎる必要はありません。質問が少なくても、内面では学びが進んでいることが多いものです。その子なりの学び方を大切に見守っていきましょう。
発達障害がある子どものなぜなぜ期の特徴

発達障害のある子どもの場合は、なぜなぜ期の表れ方に独自の傾向が見られることがあります。定型発達とは違う形になることもあり、保護者が戸惑う場面もあるでしょう。ここでは代表的な特徴を整理します。
発達障害があると質問が極端に多くなることも
ADHD(注意欠如多動症)やASD(自閉スペクトラム症)の特性を持つ子どもの中には、質問が非常に多くなるケースがあります。
ADHDの特性がある子どもは、興味を引く刺激に次々と反応し、一つの質問が終わらないうちに別の疑問が浮かぶことがあります。そのため、質問が途切れなく続くように感じられます。
ASDの特性がある子どもは、特定のテーマに強い関心を持ちやすく、好きな分野について深い質問を繰り返すことがあります。電車や恐竜など、興味の対象がはっきりしているのも特徴です。
質問が多いと対応に疲れてしまうこともありますが、知りたい気持ちが強い表れでもあります。すべてに答えようとせず、無理のない範囲で向き合いましょう。
発達障害の特性によりなぜなぜ期がこない場合もある
一方で、発達障害の特性により、なぜなぜ期が目立たない子どももいます。
ASDの特性がある場合、疑問があっても言葉で質問すること自体が難しいことがあります。また、言葉の発達がゆっくりな場合、頭の中で考えていても表現できないことも少なくありません。
質問が少ないからといって、好奇心がないわけではありません。観察したり、試したりしながら、自分なりに理解を深めていることも多いものです。不安を感じたときは、発達支援の専門家に相談することで適切なサポートにつながります。
賢い子や知的好奇心が強い子はなぜなぜ期が長い傾向
賢い子や知的好奇心が強い子は、なぜなぜ期が長く続く傾向があります。一般的には5歳から6歳頃に落ち着きますが、小学生になっても質問が続くことがあります。
ひとつの答えで満足せず、さらに深く考えようとするため、質問が連鎖していきます。興味の分野も幅広く、自然や科学、社会の仕組みなど、さまざまなテーマに関心を示します。
発達障害のある子どもでも、特定の分野で高い力を発揮することがあります。その強みを見つけ、伸ばしていく視点が大切です。
なぜなぜ期を通して子どもが身につける力

なぜなぜ期は、質問が増えるだけの時期ではありません。この経験を通して、子どもは生きる力の土台を育てていきます。その意味を知ることで、保護者の気持ちも少し楽になるでしょう。
思考力や想像力が育まれる
なぜと考えることは、思考の出発点です。目の前の出来事に疑問を持つことで、考える習慣が身についていきます。
また、答えを聞きながら情景を思い浮かべることで、想像力も育ちます。ひとつの答えから新しい疑問が生まれ、物事を多面的に考える力も養われていきます。
探究心と学習意欲が高まる
疑問が解消される体験は、子どもにとって大きな喜びです。わかったという感覚が、もっと知りたい気持ちにつながります。
大人が丁寧に向き合うことで、質問することは良いことだと学び、学ぶ姿勢が育ちます。発達障害のある子どもにとっても、興味に合わせた関わりが学習意欲を引き出します。
コミュニケーション能力が発達する
質問することは、コミュニケーションの練習でもあります。自分の考えを言葉にし、相手の話を聞く経験を重ねることで、伝える力と聞く力が育ちます。
やり取りを通じて会話の流れを学ぶため、発達障害のある子どもにとっては、コミュニケーション力を伸ばす大切な機会となります。
なぜなぜ期にイライラしない賢い対応法5選
なぜなぜ期の対応は、多くの保護者にとって悩みの種です。質問が続くと疲れてしまい、イライラしてしまうこともあるかもしれません。しかし、関わり方を少し工夫するだけで気持ちは楽になります。ここでは、専門家の視点から保護者の方がイライラしないおすすめの対応法を紹介します。
できるだけその場で答える
質問されたときは、できる範囲でその場で答えてあげましょう。子どもは今すぐ知りたいと思っています。すぐに応えてもらえることで、疑問を大切にしてもらえたと感じます。
わからないときは、一緒に調べようと伝えれば十分です。
子どもがわかりやすい言葉で伝える
説明は、子どもの年齢に合った言葉を選びましょう。難しい表現は避け、具体的に伝えることが大切です。発達障害のある子どもには、絵や図鑑など視覚的な工夫が役立つこともあります。
逆に質問して子ども自身に考えさせる
ときには、どう思うと問い返してみましょう。自分で考える経験が、思考力を育てます。
正解でなくても構いません。考えたことを認めた上で補足してあげると、学ぶ楽しさが広がります。
図鑑や絵本で一緒に調べる習慣をつける
すべてを答えようとせず、一緒に調べる時間を持ちましょう。情報を探す力が育ち、親の負担も軽くなります。興味のある分野の本を用意しておくのもおすすめです。
子どもが疑問に思う気持ちに寄り添う
疑問を持つ気持ちを、まず受け止めてあげましょう。おもしろいねと共感するだけでも、子どもは安心します。
なぜなぜ期はやがて落ち着きます。今だけの成長の時間として、無理のないペースで向き合っていきましょう。
なぜなぜ期に親が避けたいNG対応

なぜなぜ期には、ついやってしまいがちな対応があります。ただし関わり方によっては、子どもの成長に影響することもあるため注意が必要です。
質問を無視する、適当にあしらう、バカにする
なぜなぜ期で特に避けたいのが、質問を無視したり、適当に流したりする対応です。質問が続くと余裕がなくなることもありますが、無視される経験は、子どもにとって自分を否定されたように感じやすいものです。疑問を大切にしてもらえないと感じると、質問する意欲そのものが薄れてしまいます。
また、「知らない」「適当にそうなんじゃない」といった投げやりな返答も、親に聞いても意味がないという印象を与えてしまいます。
さらに、「そんなこともわからないの」「変な質問だね」といった言葉は、子どもの心を傷つけ、知りたい気持ちを抑え込んでしまう原因になります。
どうしても対応が難しいときは、今は答えられないけれど後で話そうと正直に伝えましょう。その際は、約束を守ることが大切です。
また、子どもが質問を言い終える前に答えてしまうのも控えたい対応です。考えを言葉にする時間を待つことが、伝える力の成長につながります。
【まとめ】なぜなぜ期は子どもが成長するチャンス
なぜなぜ期は、子どもが世界を理解しようとする大切な成長の時期です。「なぜ」「どうして」という質問は、知的好奇心が育っている証といえます。
始まる時期には個人差がありますが、2歳頃のなになに期を経て、3歳から4歳頃にピークを迎えるのが一般的です。発達障害のある子どもでは、質問が多かったり、目立たなかったりすることもありますが、どちらも珍しいことではありません。
賢い子や好奇心が強い子ほど、質問が長く続く傾向があります。対応に疲れてしまうことがあっても、成長の一過程だと捉えてみてください。
大切なのは、疑問に寄り添い、一緒に考える姿勢です。完璧な答えは必要ありません。必要に応じて、専門家の力を借りるのもひとつの方法です。
なぜなぜ期はやがて落ち着きます。今しかないこの時期を、親子で穏やかに過ごしていけるとよいですね。
子どもの発達やコミュニケーションの遅れが気になるときは、ステラ幼児教室にご相談ください。
一人ひとりの個性や成長に合わせた個別療育で、子どもに寄り添った支援を行います。
ステラ幼児教室では随時見学受付中
名古屋市、大阪市に展開している児童発達支援事業所、ステラ幼児教室では随時見学を行っています。
子ども一人ひとりに合わせたオーダーメイドの授業で、子どもの発達と成長をサポートします。
お気軽にご相談ください。













