「うちの子、まだ見立て遊びをしないけれど大丈夫かな?」
「そもそも見立て遊びって何?」
と不安になったことはありませんか。
周りの子がブロックを車に見立てて遊んでいるのに、我が子はミニカーを走らせてばかりと心配になった方もいることでしょう。
見立て遊びとは何か、いつから始まるものなのか、ごっこ遊びとはどのように違うのか。
インターネットで調べているうちに、自閉スペクトラム症の可能性があるのではと、さらに不安が強くなった方もおられるかもしれません。
しかし、見立て遊びの始まりには個人差があり、発達には幅があります。
大切なのは「できていないこと」だけを見るのではなく、今育まれている力にも目を向けることです。
この記事では、
- 見立て遊びの意味やねらい
- いつから始まるか?年齢別の目安
- 見立て遊びとごっこ遊びの違い
- 自閉スペクトラム症との関係
についてわかりやすく解説します。
子どもの発達を理解するヒントとして、ぜひ参考にしてください。
見立て遊びとは?

子育てをしているとよく「見立て遊び」という言葉を耳にしますよね。
なんとなくイメージはできていても、具体的にどういう遊びを指すのか、改めて聞かれると迷ってしまうかもしれません。
見立て遊びとは、「目の前にあるものを、実際とは違う別のものに見立てて遊ぶ」ことを指します。
例えば、
- 四角い積み木を耳に当てて「もしもし」と電話の真似をする
- 細長いリモコンを電車に見立てて走らせる
- 丸めた紙をおにぎりにして食べる真似をする
ことが代表的です。
大人から見れば、真似っこに見えるかもしれません。
しかし、この真似っこは子どもの脳内でイメージを膨らませながら遊びを発展している証拠なのです。
見立て遊びのねらいと育まれる力
見立て遊びには、大切なねらいが3つあります。
1.想像する力が育つ
見立て遊びの大きな特徴は、「目の前にないものを思い浮かべる力」が育つことです。
四角い積み木を電話に見立てる際には、子どもは「これは電話だ」と頭の中でイメージしています。
このように、何かを別のものに置き換えてイメージする力は、将来的に文字や数字を理解する力にもつながってきます。
見立て遊びは、そうした学びの土台になる大切な経験なのです。
2.言葉の世界が広がる
「はい、どうぞ」「おにぎりだよ」「おいしいね」など、見立て遊びにはたくさんのやりとりがうまれます。
本物がなくても、言葉とイメージだけでやりとりできるようになるため、子どもの語彙は増えていくのです。
見立て遊びは、言葉を使う楽しさを知るきっかけになります。
3.経験を思い出し、整理する力が育まれる
見立て遊びでは、日常で見たり体験したことが再現されます。
例えば、お医者さんごっこやお買い物ごっこは、これまでの経験を思い出しながら遊んでいる証です。
子どもは遊びの中で出来事を整理し、自分なりに理解しています。
これは、物事を順序立てて覚えたり、出来事の流れをつかむ力の土台にもなります。
見立て遊びの具体例
では、どのような様子が見られたら見立て遊びといえるのでしょうか。
特別なおもちゃがなくても、日常のなかで見られることがたくさんあります。
遊びの具体例
日用品の代用:ティッシュペーパーをご飯に見立ててお皿に盛る。箱やリモコンを乗り物に見立てる。
動作の再現:空っぽのコップで「ゴクゴク」と飲むふりをする。棒をスプーンに見立てて「もぐもぐ」と食べるまねをする。
自然物での遊び:砂をケーキに、落ち葉をお金に見立てて遊ぶ。
こうした遊びはどれも、目の前の物に別の意味をもたせているサインです。
もしひとつでも思い当たる姿があれば、子どもの中で想像する力が育ち始めている証といえます。
見立て遊びはいつから?年齢別に見た発達の目安

見立て遊びは、一般的に1歳前後から少しずつ見られるようになるといわれています。
しかし、始まる時期には個人差があります。
言葉の発達や経験の積み重ねによってもタイミングが異なるため、見立て遊びをしないから問題があるとすぐに結びつける必要はありません。
ここでは年齢ごとの特徴と遊びのアイデアを紹介します。
1歳児の見立て遊びとアイデア
【1歳児の特徴】
1歳頃は、見立て遊びの準備段階ともいえる時期です。
大人の真似をする「模倣遊び」が中心で、電話を耳に当てたり、スプーンを口に運んだりする姿が見られます。
1歳半頃になると、ブロックを車に見立てて動かすなどの簡単な見立て遊びが始まります。
まだ本格的な見立て遊びがなくても心配はいりません。
【遊びのアイデア】
大人が楽しそうに「もしもし」と電話をする真似を見せたり、空のコップで飲むふりをしてみましょう。
子どもは真似を通して、学びます。
特別なおもちゃがなくても、日常のやりとりのなかで見立て遊びの芽は育っていきます。
2歳児の見立て遊びとアイデア
【2歳児の特徴】
2歳頃になると、見立て遊びはぐっと広がります。
ぬいぐるみにご飯を食べさせたり、「ねんねしようね」とタオルをかけたりと、生活の再現が増えていきます。
身近な経験を思い出しながら遊ぶ姿が見られるのが特徴です。
【遊びのアイデア】
大きめの段ボール箱があったら、バスや電車に見立ててください。
なかに子どもを入れて、「ガタンゴトン~」「次は〇〇駅ですよ」と動かしてあげるだけで、段ボールは立派な乗り物に変身します。
また、洗濯ばさみをつなげて「ヘビさんだよ」と見せるなど抽象的な形を使った遊びも2歳児の想像力を刺激します。
3歳児の見立て遊びとアイデア
【3歳児の特徴】
3歳頃になると、見立て遊びはごっこ遊びへと発展していきます。
「お店屋さんね」「ママ役するね」と役割を決めて遊ぶ姿もみられるようになります。
物を見立てるだけでなく、ストーリーを考えながら遊ぶことが増えるのが特徴です。
【遊びのアイデア】
身近なものを活用しましょう。
折り紙を丸めてリンゴにしたり、空き箱をレジに見立ててお店屋さんごっこをします。
大人がお客さんになって「これください」と声をかけるとやりとりがより深まります。
病院ごっこでは、ハンカチを包帯に見立てて「痛いですか?大丈夫ですよ」とお世話する遊びもおすすめです。
他人の気持ちを思いやる優しい心も一緒に育まれます。
子どもの発達と遊びについては、こちらの記事にも書かれています。
「子どもの発達段階を解説!年齢別に見る遊びと言葉の目安」
https://www.stella-edu.com/column/c_hattatsudankai_kodomo/
見立て遊びとごっこ遊びの違い

見立て遊びとごっこ遊びは、どちらも想像力を使う遊びです。
そのため、同じように見えますが、実は少し発達の段階が異なります。
見立て遊びは、物を別なものに変えて楽しむ遊び
ごっこ遊びは、見立て遊びに「役割」と「やりとり」が加わった遊び
違いを知っておくことで、子どもの今の発達段階を見守ることができます。
遊びのポイント
見立て遊びのポイントは、目の前の物が別の何かに変わることです。
例えば、棒を剣に見立てたり、クッションをケーキに見立てて遊ぶことです。
ここでは、子どもの頭の中で物の意味が広がっている段階です。
ごっこ遊びでは「わたしがお店屋さんね」「ママはお客さんね」といったように、役割を決めて遊びます。
物を見立てるだけでなく、相手とのやりとりや簡単なストーリーが加わるのがポイントです。
見立て遊びからごっこ遊びへの流れ
遊びは次のような流れで広がっていきます。
1.見立て遊び
自分のなかで完結する遊びです。積み木を車に見立てたり、ボールをりんごに見立てたりと物を別なものに変えて楽しみます。
2.やりとりの芽生え
次第に「はい、どうぞ」とりんごを差し出すなど、相手を遊びに誘うようになります。
相手の反応を待ったり、簡単なやりとりを楽しむ姿がみられます。
このやりとりが、見立て遊びからごっこ遊びへとつながる大切な時期です。
3.ごっこ遊び
「わたしはお客さんね」「ママはお客さんね」と役割を分けて遊ぶようになります。
やりとりが増えて、ストーリーに沿って遊びが発展していきます。
相手の立場を考えながら遊べるようになったサインです。
遊びが変化する順番を知ろう
ひとりで見立て遊びをしている時期は、ごっこ遊びを楽しむための準備段階です。
子どもがひとりで「もしもし」と電話をする真似をしていたら、それは想像力を育んでいる時間になります。
「いい電話だね」「もしもし」と、その世界にそっと寄り添ってあげてください。
自閉スペクトラム症と見立て遊びの関係

発達の遅れが気になって調べていると、見立て遊びと自閉スペクトラム症の関連性についての記事を目にしたかもしれません。
「子どもが見立て遊びをしないのは、もしかして・・・」と、ひとりで不安を抱えてはいませんか?
発達相談の場では、なぜ見立て遊びについて聞かれるのでしょうか。
それは、見立て遊びが想像力ややりとりの力と関係しているからです。
見立て遊びをしないから障害があるというわけでもありません。
理由について説明していきます。
自閉スペクトラム症傾向のある遊び方の特徴
自閉スペクトラム症の特性を持つ子どもの場合、遊び方にいくつか特徴が見られることがります。
代表的な特徴を2つ紹介します。
1つ目は、「物の本来の機能」や「こだわり」に集中しやすいという点です。
例えば、ミニカーを車として走らせるのではなく、ひっくり返してタイヤが回る様子をじーっと見続ける。
同じ形をした物を一列にきれいに並べることだけに熱中する。
このように、物を何かに見立てるよりも、そのもの自体の規則性や刺激に興味が向く傾向があります。
2つ目は、イメージの共有が苦手な点です。
自分のなかだけで完結する遊びは得意でも、親やお友だちから「これはケーキだよ。パクパクして」と遊びに誘われたときに、相手の意図をくみ取って遊びを広げることが難しいことがあります。
見立て遊びをしないから障害ではない理由
ここで一番大切なのは、見立て遊びをしないからといって、すぐに障害と結びつける必要はないということです。
見立て遊びをしないということは、さまざまな理由が考えられます。
- 想像の遊びよりも、パズルやブロックなど形がはっきりした遊びが好き
- まだ発達のタイミングがきていない
- 遊び方が分からず、きっかけがない
見立て遊びができるかどうかだけで判断するのではなく、目が合うかや呼びかけに反応するか、指差しで気持ちを伝えようとするかなど、日々のやりとり全体を見ていきましょう。
不安な気持ちを抱えるのは、子どもを大切に思っている証です。
今の姿を見守っていきながら、できることを少しずつ積み重ねていきましょう。
見立て遊びを育む関わり方

子どもが見立て遊びをしなかったり、遊びが広がらないと「どうやって教えればいいの?」と悩んでしまいますよね。
大切なのは勉強のように教えるのではなく、大人が遊びの楽しさを見せてあげることです。
子どもの想像力のスイッチを入れるために、3つの関わり方のポイントを紹介します。
大人が楽しそうにやってみせる
子どもは教えられて覚えるよりも、真似をして学びます。
ブロックを耳に当てて「もしもし」と言ってみたり、空のコップで「おいしいね」と飲む真似をしてみましょう。
大人が楽しそうに見立て遊びをする姿は、何よりのお手本になります。
正解を求めない
「これは車じゃないよ」と訂正してしまうと、子どもの想像の世界が止まってしまうことがあります。
大人には違って見えても、「そうなんだね、かっこいい車だね」と受け止めることが大切です。
自由な発想を認めてもらえた経験が、遊びの世界を広げます。
遊びに集中できる環境をつくる
見立て遊びは、特別なおもちゃがなくても育まれます。
空き箱やタオル、紙コップやスプーンなど身近な物を自由に使える環境を整えてみましょう。
形が決まってないものほど、「何にしようかな?」と考えるきっかけになります。
見立て遊びについてのまとめ

見立て遊びとは、物を別なものに置き換えて楽しむ遊びで、想像力や言葉の発達につながる大切なステップです。
一般的には1歳半頃から少しずつ見られますが、始まる時期や遊び方には個人差があります。
ごっこ遊びとの違いを知ることで、子どもが今どの段階にいるのか見守ることができるでしょう。
また見立て遊びをしないからといって、すぐに自閉スペクトラム症と結びつける必要はありません。
発達は一点で判断するものではなく、日々のやりとり全体のなかで育まれていくものです。
大切なのは、「できていないこと」よりも「今できていること」に目を向けること。
子どもの想像の芽を、焦らずに比べずにそっと見守っていきましょう。
子どもの遊び方や発達で不安になるときは、ひとりで抱え込まず、専門家に相談することも大切です。
子どもの発達について気になることがある方は、一度ステラ幼児教室にご相談ください。
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