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過剰適応とは?発達障害との関係や子どもを持つ母の生きづらさ

2026.02.10
  • 発達障害
  • 支援方法・家庭での過ごし方

「母親なんだからしっかりしないと」「私が頑張らないと」そんな気持ちを当たり前のように抱えながら、毎日を過ごしていませんか。
周りからの目や評価を気にして、心の中はいつも疲れていて、生きづらさを感じていませんか。
もしそのような状態にあるのなら、それはあなたのせいでも努力が足りないせいでもありません。
あなたは今、過剰適応という苦しい状態に一生懸命に耐えているのです。

さらに、自分の子どもを見て「私と性格が似ている」「将来、同じように苦労させてしまうのではないか」と不安に感じることもあるのではないでしょうか。

この記事では、過剰適応とはどのような状態なのか、その治し方と、子どもを育てる母親が感じる生きづらさの原因をわかりやすく解説します。
また、ASDやADHDなどの発達障害との関係や、子どもが自分と似ていると感じたときに知ってほしい大切な視点についてもお伝えします。

過剰適応とは?

過剰適応とは、周囲の期待や空気に合わせすぎてしまい、自分の気持ちや本音を抑え込み続けてしまう状態のことを指します。
本来、適応する力は社会で生きていくうえで大切なものですが、それが過剰になってしまうと知らず知らずのうちに心や体に負担がかかってしまうのです。

例えば、

  • 本当はつらいのに周りの期待に合わせてしまい「大丈夫です」と言ってしまう。
  • 他者から頼みごとをされると断りたいのに断れない。
  • 相手の期待に応えようと無理をし続けてしまう。自分の本当の気持ちが分からなくなってしまう。
  • 「迷惑をかけてはいけない」「ちゃんとしなければ」といった思いが強く、自分の気持ちよりも周囲の目や評価を優先することが当たり前になってしまう。



一見すると頑張り屋さんにも見えるため、周囲からは気づかれにくく、本人も「これが普通」「自分が弱いだけ」と思い込んでしまっていることがあります。

特に母親という立場では、子どもや家族を優先する場面が多く、自分のことは後回しにする習慣が身についている方も多いでしょう。
その結果、疲れていても休めない、苦しくても誰にも相談できない、気づけば心がすり減っている状態に陥ってしまうことがあります。

過剰適応は、頑張りが足りないせいや甘えではありません。
これまで、周囲に合わせて責任を果たし、必死に頑張ってきた結果として起こるものです。
だからこそ「自分は母親として未熟だ」と責める必要もないのです。

まずは、私は頑張りすぎているのかもしれないと気づくことが、あなたの心を守る大切な一歩になります。

子どもを育てる母親が過剰適応になりやすい理由

子育てをする中で、母親は自分よりも子どもを優先する場面が増えていきます。
泣いていれば受け止め、困っていれば寄り添い、その積み重ねは愛情そのものです。
しかし同時に、自分の気持ちを後回しにする習慣をつくりやすくもします。

また、「母親なのだから」「ちゃんとしないと」という周囲からの期待やプレッシャーを感じてしまうことも少なくありません。
周囲と比べて落ち込んだり、うまくできない自分を責めたりするなかで気を張り続けてしまうことがあります。

こうした環境が重なることで、気づかないうちに無理を重ねてしまい、過剰適応の状態に近づいてしまう母親も多いのです。

母親はこうあるべきと求められやすい

母親になると、気づかないうちに「母親はこうあるべき」という理想像に固執してしまうことがあります。
そのような理想像を前に、ちゃんとできていない自分を責めてしまう母親も多いはずです。

家族や周囲から直接言われなくても、世間の声やSNSで目にする他の家庭の姿がプレッシャーになることもあります。
他の家庭はできているのに、なぜ自分はできないのだろうと感じるほど、無理をしてでも期待に応えようとしてしまうのです。

理想の母親像に合わせ続けるうちに、自分を追い込んでしまうことがあります。

自分の気持ちを後回しにしてきた背景

子育ての毎日は、待ったなしの連続です。
子どもの要求や家庭の予定に追われる中で、自分の気持ちを考える余裕がなくなっていくことも多いでしょう。

また、つらい気持ちを口にしようとしても、もっと大変な人もいると自分に言い聞かせてきた経験はありませんか。
「誰かに頼るよりも、自分が我慢したほうが早い」そう考える癖が身についていくこともあります。

こうした自分の感情を抑える時間が長くなるほど、本当の気持ちが見えにくくなり、心の負担が積み重なっていくのです。

過剰適応と発達障害の関係

ASDやADHDなどの発達障害は、生まれつきの特性であり、本人の努力や育て方が原因ではありません。
過剰適応は、周囲の期待や環境に合わせようとする中で、後天的にあらわれるものだと考えられています。

発達障害のある人の中には、特性により周囲から指摘を受ける機会や、自分自身がうまくいかないと感じることも多く、自己肯定感が低いことがよく見られます。
その結果、人一倍頑張り、うまく適応しているように見えますが、心の中では無理を重ねていることもあります。

過剰適応は、これまで置かれてきた環境や頑張りの積み重ねによって生じるものということです。

ADHDとASDの特性と重なりやすい点

ADHDやASDの発達障害の特性をもつ方の中には、完璧主義いわゆる白黒思考を持つ方も多く、自分の過去の失敗体験や周囲の指摘をきっかけに、自己肯定感が下がったり、自分を変えようと葛藤したりすることもあります。
自分のことをよくわかっているメタ認知能力が高い方は特に、空気を読めない、落ち着きがないなどの特性を理解し、周囲に合わせ、完璧にこなそうと無理を重ねてしまうことがあります。

その結果、本来の自分を抑え込みながら適応し続ける状態になります。
心や体の限界に気づきにくくなってしまうのです。
努力や苦しさが見過ごされやすい点も、過剰適応と重なりやすい点のひとつです。

子どもが自分と似ていると感じたときに知っておきたいこと

子どもの性格や特性が自分と似ていると感じると、将来を心配してしまう母親も少なくありません。
自分が生きづらさを抱えてきた経験があるからこそ、同じ思いをさせたくないと願うのはとても自然な気持ちです。

自分と似た性格や特性があっても、同じ道をたどるとは限りません。
環境や関わり方、そして早く気づけたという事実そのものが、子どもにとって大きな支えになります。

大切なのは不安を抱え込むことではなく、気づけた自分を受け止めることです。

似た性格だから、同じように苦労するわけではない

母親と子どもは、同じ時間を過ごし似た価値観に触れて育つため、性格や考え方が似てくることは自然なことです。
ただ似ているからといって、同じように苦労するとは限りません。

なぜなら、子どもは母親と違う環境、違う人間関係、違う時代の中で成長していくからです。
今は多様な考え方が受け入れられやすく、支援や相談先も以前より身近になってきています。

さらに、母親が子どもの性格や考え方を受容して関わることで、子どもは自分の気持ちを重ねていけます。
似た性格は不安材料ではなく、よりよい環境を整えるためのヒントにもなるのです。

気づきが将来の支えになる

子どもを見ていて「私と似ているかもしれない」と感じたその気づきは、不安になるためのものではありません。
これから先の子育てを支えてくれる大切な視点になります。

母親自身が自分の経験を振り返り、あの時こうしてほしかったな、あんな言葉があったら嬉しかったなと思えることは、今の関わり方にそのまま生かせます。

早く気づけたからこそ、子どもに寄り添い気持ちを言葉にする手助けができます。
そうした小さな積み重ねが、子どもが自分らしく育つ土台となり、将来の支えにつながっていくのです。

過剰適応が続くと現れやすいサイン

過剰適応が続くと、心や体に次のようなサインが現れることがあります。

  • 倦怠感
    休んでいるはずなのに、体が重たく感じたり、疲れが抜けにくくなる。
  • 不眠、過眠
    寝つきが悪くなったり、寝ているはずなのに日中に強い眠気を感じる。
  • 気分の落ち込み
    理由がはっきりしないまま気分が沈んだり、些細なことで涙が出てしまう。
  • 興味や関心の低下
    以前は楽しめていたことに気持ちが向かなくなり、何をしていても心が動かないと感じる。



これらは、心や体が限界に近付いていることを知らせる大切な合図です。

母親自身にでやすいサイン

母親の場合、自分のことを後回しにしがちな分、次のようなサインが現れることがあります。

  • 意欲の低下
    当たり前にできていた家事や育児に対して、気力がわかない。億劫に感じてしまう。
  • 焦燥感や不安感が強くなる
    常に時間に追われているような気持ちになり、落ち着かない。うまくいかないことがあると自分を必要以上に責めてしまう。
  • めまい、耳鳴り
    心の緊張が続くことで、自律神経のバランスが崩れてめまいや耳鳴りといった身体的な症状がでる。



どれも頑張り屋さんな母親ほど見逃しやすいものです。

子育てへの影響

過剰適応が続くと、子育てにも影響がでてくることがあります。
例えば、子どもの小さな言動に強く反応してしまったり、気にしなくていいことにイライラしてしまうことがあります。

また、しっかり育てなければという思いが強くなりすぎると、子どもにも頑張りを求めてしまう場合もあります。
子どもの気持ちに寄り添いたいのに、余裕がなく寄り添えない自分をさらに責めてしまうこともあるかもしれません。

子どもを大切に思う気持ちが強いからこそ起きてしまう影響なのです。
まずは、少し余裕がなくなってきたなと気づくことが親子にとって大切な一歩になります。

過剰適応との向き合い方や治し方

過剰適応の背景には、責任感の強さがあります。
そのため「まだ大丈夫」と感じながら無理を続けてしまう方も多いでしょう。
まずは今までの頑張りを否定せず、休息や選択を積み重ねていくことが、心の負担を軽くする助けになります。

ここからは、過剰適応との向き合うために、日常の中でできる考え方や工夫、治し方についてお伝えします。

自分の感情に気づく

疲れているな、本当は嫌だったなと自分の気持ちに気づくことが大切な一歩です。
詳しくは次の項目で触れますが、気づくだけでも自分の心を守ることができます。

アサーショントレーニングを知る

アサーショントレーニングとは、自分も相手も大切にしながら、気持ちや意見を伝える練習方法です。
自分の感情や考えを正直に伝える力を養い、自分の意見を言えないストレスを軽減します。

断る力を身につける

過剰適応の傾向がある方には、相手の気持ちを優先しすぎてしまいます。
断ることは、自分の心や体を守るために必要な行動です。

専門機関のサポートを受ける

ひとりで抱え込まず、相談できる場所を頼ることも大切です。
人に頼ることは決して甘えではありません。
専門家と話すことで、自分の気持ちや考えを整理し自己理解を深めることができます。
言葉にして伝える経験を重ねることで、自己表現につながり心や体の負担が軽くなっていきます。

まずは気づくことから

過剰適応と向き合ううえで、一番最初に大切なのは自分の状態に気づくことです。
他者に言動を合わせることをしてきたので、自分の考えが分からなくなってしまうことがあります。

だからこそ、気づけたことが大きな一歩です。
自分自身の本当の感情を気づくことで、自分や子どもを守ることができます。

子どものためにできること

子どもとの関わりで大切なのは、存在そのものを認めて伝えることです。
「そのままでいいよ」と言葉で伝えることによって子どもの心を支えることができます。

また、母親が最初から何かを決めるのでなく「何がしたい?」と問いかけ、尊重することで子どもは安心して自分の気持ちを表現できるようになります。

家庭では完璧を求めすぎず、子どもが力を抜ける時間を持つことも大切です。

子育てに不安を感じたときは

子育ての中で感じる不安や迷いの背景には、「ちゃんとした母親にならなければ」「私が頑張らないと」と力を入れ過ぎてしまう過剰適応が隠れていることがあります。
これは弱さではなく、これまで周囲や家族を大切にしてきた証でもあります。

もし苦しさを感じた時には、自分や子どもが無理をしていないか立ち止まってみてください。
ひとりで抱え込まず、自分の本当の気持ちを大切にして、周りの支えを借りながら進むことも子育ての大切な選択です。
完璧でなくて大丈夫です。力を抜きながら、本当の気持ちに目を向けて、あなたなりのペースで歩んでいきましょう。

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