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自立心とは?芽生えを見逃さず強い子へ高める保育とサポート

2026.01.27
  • 支援方法・家庭での過ごし方

子どもには、いずれ自分の頭で考え、自分の足で選択できる大人になってほしい。そう願うのは、ごく自然な親心ではないでしょうか。自立心は、これから先の社会を生きていくうえで欠かせない力の一つです。

ただ、自立心と聞いても、具体的にどんな力を指すのか、いつ頃から育ち始めるのか、どう関われば伸ばせるものなのかが見えにくく、不安に感じる方も少なくありません。手を出しすぎていないか、逆に放っておきすぎていないかと迷う場面もあると思います。

この記事では、発達支援の現場での視点をもとに、自立心とは何か、その芽がどのように育っていくのかを整理してお伝えします。あわせて、自立心が育っている子どもに見られる姿や、保育や家庭で意識したい関わり方についても具体的に触れていきます。

そもそも自立心とはどのような心か

子どもの成長を考えるとき、よく耳にするのが自立心という言葉です。ただ、何となく大切そうだと感じていても、その中身まで明確に説明できる方は少ないかもしれません。ここでは、自立心がどのような心の働きを指すのかを整理しながら、あわせて自律心との違いにも触れていきます。

言葉が持つ意味と定義

自立心とは、誰かに言われて動くのではなく、自分で考え、自分なりに判断しながら行動しようとする気持ちを指します。人に頼らず何でもひとりでやるという意味ではなく、自分の力で向き合おうとする姿勢そのものと考えるとわかりやすいでしょう。

幼児期の成長を示す指標の中でも、子どもが身近な環境に自ら関わり、試したり工夫したりしながら物事に取り組む姿は重視されています。うまくいかない場面があっても諦めずに続け、やり遂げた経験を通して自信を持つことの積み重ねが、自立心を育てていきます。

つまり自立心とは、ひとりで行動できることを指す言葉ではありません。考え、選び、最後まで向き合おうとする心の力です。この力は、将来社会の中で自分らしく生きていくための土台となるため、幼い頃から少しずつ育んでいくことが大切です。

自律心との違いを知ろう

自立心と似た言葉に、自律心があります。読み方は同じですが、意味には違いがあります。

自立心と自律心の違い

自立心 自律心
自分の力で行動しようとする姿勢を表す 自分の感情や行動を調整し、決まりや約束を意識して行動しようとする力
外にむけて行動する力 自分の内に向けてコントロールする力
起こされずに自分で起きる 遊びたい気持ちを抑えて宿題に取り組む
指示されなくても決まった仕事に取り組む 相手の気持ちを考えて行動を選ぶ

この二つは切り離せるものではなく、互いに影響し合いながら育っていきます。自分で考えて動く経験を重ねる中で、気持ちをコントロールする力も少しずつ身についていくのです。子どもの成長を支えるうえでは、どちらか一方ではなく、両方の力をバランスよく育てていく視点が大切になります。

自立心はいつ頃芽生える?幼児期に見られる変化


自立心の芽生えには個人差がありますが、一般的には幼児期に少しずつ見られるようになります。この時期の変化を知っておくことで、子どもの成長をより適切に支えやすくなります。

2歳から3歳頃に見られるサイン

自立心は、2歳から3歳頃に芽生え始めることが多いとされています。保護者に手伝ってもらう段階から、自分でやってみたいという気持ちが強くなる時期です。

着替えや食事を自分でしたがる、靴を自分で履こうとする、おもちゃを自分で選びたがるなどの行動が見られるようになります。イヤイヤ期と重なることも多く、何でも自分でやりたいという主張が目立つのもこの頃です。

こうした芽生えを否定したり、先回りして手を出しすぎたりすると、自立心の育ちを妨げてしまうことがあります。時間がかかっても見守る姿勢が大切です。

日常生活で見られる具体例

幼児期の自立心は、日常のさまざまな場面に表れます。服を自分で選んで着替えようとする行動は、その代表的な例です。色や柄へのこだわりが出てくるのも、自分の意思が育っているサインといえます。

食事では好き嫌いがはっきりしたり、食べる順番にこだわったりすることが出てくるでしょう。遊びの場面でも、内容や進め方を自分で決めたいという気持ちが見えてきます。

こうした行動は、時に扱いづらく感じることもありますが、自立心が順調に育っている証拠です。成長の一過程として、前向きに受け止めていきたいですね。

保育で大切にされている自立心の視点

保育の現場において、子どもの自立心を育てることは重要なねらいの一つです。保育所保育指針や幼稚園教育要領においても、自立心は幼児期の終わりまでに育ってほしい姿として位置づけられています。

保育における自立心の視点では、子どもが身近な環境に主体的に関わり、さまざまな活動を楽しむことが重視されます。その過程で、やるべきことに気づき、自分の力で取り組むために考えたり工夫したりする経験を重ねていくのです。

特に大切にされているのは、簡単に諦めずにやり遂げる体験です。達成感を味わうことで自信が育ち、次の行動へとつながります。保育者は子どもの主体性を尊重しながら、必要な場面でそっと援助し、成功体験を積めるよう支えていきます。

こうした視点は、家庭での関わりにも生かすことができます。子どもが自分で考え、選び、行動する機会を意識してつくっていくことが、自立心を育てる土台になるのです。

【参考】保育所保育指針幼稚園教育要領

自立心が強い子に見られる4つの特徴


自立心が育っている子どもには、いくつか共通する姿が見られます。これらを知ることで、子どもの成長を見つめる一つの目安になるでしょう。

自分で判断して主体的に行動できる

自立心が強い子どもは、自分の意思で判断し、主体的に行動するものです。周囲に流されすぎず、自分なりの考えを持って動く姿が見られます。

たとえば、指示がなくても次に何をすべきかを考えて準備したり、遊びの場面で自分の意見を伝えたりします。発言に一貫性があり、時に頑固に見えることもありますが、それは自分の考えを大切にしている証なのです。

責任感を持ち最後までやり遂げる

自立心が強い子どもは、任されたことに責任を持ち、最後まで取り組もうとします。途中で難しさを感じても、簡単には諦めません。

植物の世話や係活動など、継続が必要なことにも前向きに向き合います。この姿勢は、約束やルールを意識して行動する力にもつながり、将来の社会生活の土台となるものです。

問題に直面しても自ら考えて解決する

困ったことが起きたとき、すぐに大人に頼るのではなく、まず自分で考えようとするのも自立心の強い子にみられる特徴の一つです。

宿題でつまずいたときに教科書を見直す、友達との行き違いを話し合いで解決しようとするなど、試行錯誤しながら向き合います。こうした経験が、自立心をさらに育てていきます。

生活や時間を自己管理できる

自立心が強い子どもは、生活や時間を自分なりに管理する力を持っています。持ち物の準備や就寝時間、約束の時間を意識して行動できるのです。

保護者が細かく指示しなくても動けるため、学習面でも目標を持って取り組めます。遊びとやるべきことの切り替えができる点も、自立心の表れといえるでしょう。

自立心を高めるために意識したい3つのポイント

子どもの自立心は、日々の関わりの積み重ねによって育っていきます。ここでは、保護者の方に意識していただきたい3つのポイントをご紹介します。

子ども自身で考える機会をつくる

自立心を育てるには、子どもが自分で考える場面を意識して増やすことが大切です。大人が先回りして決めてしまうのではなく、考えるきっかけとなる声かけを心がけましょう。

何をする必要があるかな、どうしたらうまくいきそう、どれからやってみるといった問いかけは、子どもの思考を促します。こうしたやり取りを通して、自分で考える習慣が少しずつ身についていきます。

答えがすぐに出なくても、急かさず待つ姿勢が大切です。考える時間そのものが、自立心を育てる経験になります。

意思や挑戦を尊重して見守る

子どもの意思や挑戦を尊重することも、自立心を高めるうえで欠かせません。やりたいと言ったことに対して、すぐに否定したり制止したりするのではなく、まずは気持ちを受け止めてみましょう。

大人には難しそうに見えることでも、子どもにとっては成長の一歩であることがあります。安全に配慮しながら、できる範囲で挑戦させてあげることが大切です。

失敗したとしても、その経験は子どもにとって大きな学びになるでしょう。挑戦できる環境が、自立心を育てていきます。

役割を与えて責任感を育てる

家庭の中で役割を持つことも、自立心を伸ばす良い機会になります。年齢に合った簡単な仕事を任せてみましょう。

食卓の準備や片づけ、靴を揃える、ペットの世話など、日常の中で続けられるものがおすすめです。継続することで、責任感とともに自立心も育っていきます。

任せたことをやり遂げたときは、しっかり認めて言葉にして伝えましょう。達成感が、次も自分でやってみようという気持ちにつながります。

自立心の芽生えを妨げてしまうNG行動

自立心を育てたいと思っていても、関わり方次第ではその芽を小さくしてしまうことがあります。ここでは、日常で気をつけたい行動を確認していきましょう。

手伝いや口出しをしすぎる

子どもを思うあまり、つい手や口を出しすぎてしまうことは、自立心の芽生えを妨げやすい行動です。

重そうだから持ってあげる、時間がかかりそうだから代わりにやってあげるといった対応が続くと、子どもは自分で考えて試す機会を失ってしまいます。

やり方が違う、こうした方がいいと細かく口出しすることも、子どもの意欲を下げてしまうことがあります。少し遠くから見守り、子どもなりの進め方を尊重する姿勢が大切です。手を出したくなる気持ちを抑えることが、結果的に自立心を育てることにつながります。

甘えを受け止めず突き放す

自立を促そうとして、甘えを受け止めずに突き放してしまうのも避けたい対応です。

もうできるでしょ、ひとりでやってと突き放されると、子どもは気持ちの行き場を失ってしまいます。安心できる土台があるからこそ、子どもは一歩踏み出すことができるのです。

普段はひとりでできることでも、気持ちが揺れているときは、少し手を添えたり一緒に取り組んだりすることも必要です。甘えを受け止めながら、少しずつ自立へつなげていきましょう。

ほかの子どもと比べてしまう

周囲の子どもと比べることは、自立心の芽生えを弱めてしまいやすい行動です。

あの子はできているのにといった言葉は、子どもの自信を静かに削ってしまいます。自信を失うと、どうせできないという気持ちが先に立ち、挑戦しようとする意欲も出てきません。

比べるのであれば、過去のその子自身と比べる視点を持ちましょう。前よりできるようになったね、頑張っていたねという声かけが、自立心を支える力になります。

保育や家庭で実践できる自立心の具体的な育て方


ここからは、保育の現場で大切にされている関わりをヒントに、家庭でも取り入れやすい自立心の育て方をご紹介します。

当番活動やコツのいる遊びを取り入れる

保育園や幼稚園では、当番活動を通して自立心を育てています。給食や掃除、生き物のお世話などを経験する中で、自分の役割に気づき、先を見通して行動する力が育っていくのです。

家庭でも同じように、子どもに任せる役割をつくってみましょう。毎日決まった時間に行うことがあると、自然と責任感が芽生え、自立心につながっていきます。

また、コマ回しやあやとりなど、少し工夫が必要な遊びもおすすめです。どうすればできるかを考えたり、何度も挑戦したりする経験は、自立心を育てる良い機会になります。できたときには、しっかり認めて達成感を味わわせてあげましょう。

家庭と連携して生活習慣を確立させる

自立心を育むうえでは、園と家庭の連携も大切なポイントです。園で身についた習慣を家庭でも続けることで、子どもは安心して行動できるようになります。

登園の準備を自分で行う、帰宅後に手を洗う、脱いだ服を片付けるといった基本的な生活習慣は、園と家庭で共通して取り組みたい部分です。

子どもが自分でできていることを確認しながら、少しずつ任せる範囲を広げていきましょう。園での様子を先生に聞いたり、連絡帳を活用したりすることで、家庭での関わりにも役立てることができます。

【まとめ】子どもの成長を支える関わり方を実践しよう


この記事では、自立心の意味や芽生える時期、自立心が育っている子どもの特徴、そして高めるための関わり方についてお伝えしました。

自立心とは、自分で考え、主体的に行動しようとする心の力です。2歳から3歳頃に芽生え始め、幼児期を通して少しずつ育っていきます。自立心が強い子どもは、自分で判断して行動し、責任を持って物事に向き合い、困った場面でも自ら考えようとします。

自立心を育てるには、考える機会をつくること、意思や挑戦を尊重すること、役割を通して責任感を育むことが大切です。一方で、手や口を出しすぎることや、甘えを突き放すこと、他の子と比べることは、芽生えを妨げてしまいます。

自立心は、短期間で身につくものではありません。日々の小さな関わりの積み重ねが、やがて大きな成長につながります。焦らず、子どものペースを大切にしながら、温かく見守っていきましょう。

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