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自己受容とは?自己肯定感との違いや子どもの心を育てる方法

2026.02.20
  • 支援方法・家庭での過ごし方

子どもが自分に自信を持てず悩む人へ

「どうしてほかの子と同じようにできないんだろう」「もっと頑張らせないと、将来この子が苦労するのではないか」

毎日一生懸命に子育てに向き合っているからこそ、そんな不安がふと頭をよぎることはありませんか。漢字の書き取りがなかなか進まない、片付けがどうしても苦手、お友達の輪にうまく入れない。こうしたわが子の姿を目の当たりにすると、つい頑張って、次はこうしようと励ましたくなるものです。

しかし、教育熱心な保護者の方ほど、知らず知らずのうちに理想のハードルが高くなり、子どもが今の自分ではダメなんだと感じてしまっているケースも少なくありません。近年、子育てのキーワードとして自己肯定感が注目されていますが、その土台としてさらに重要だと言われているのが自己受容という考え方です。

できない自分、失敗してしまう自分、情けない自分。そうしたネガティブな側面も含めて、これが今の自分なんだとまるごと受け入れる力が自己受容です。この力が育っていないと、いくら褒められても心の底から自信を持つことは難しく、かえって生きづらさを抱えてしまうこともあります。

この記事では、自己受容とは何かという基本的な意味から、自己肯定感との違い、そして家庭でできる具体的なトレーニング方法について、専門的な視点から詳しく解説します。わが子が自分らしく、のびのびと成長していくためのヒントを一緒に見つけていきましょう。

自己受容とはありのままの自分を認める力

自己受容という言葉を初めて耳にする方もいるかもしれません。簡単に言えば、自分自身の状態に「良い・悪い」という点数をつけず、そのまま認めることです。自分の得意なことや褒められたことだけでなく、どうしても苦手なこと、失敗して落ち込んでいる自分に対しても、「今はこれが自分なんだな」と等身大の姿を肯定することを指します。

自己受容感の意味を分かりやすく解説

自己受容感とは、心のコップの底のようなものだとイメージしてください。よく自己肯定感は心のコップに溜まった水に例えられますが、もしコップの底に穴が開いていたらどうでしょうか。いくら周りから、すごいね、頑張ったねと水を注いでもらっても、すべて下から漏れていってしまいます。

自己受容ができている状態とは、このコップの底がしっかりと塞がっている状態です。テストで10点を取ってしまった、お友達を怒らせてしまったという事実は、決して良いことではありません。しかし、そのときに10点しか取れなかった自分はダメな人間だ、と否定するのではなく、今回は10点だった。それが今の自分の実力なんだ、と、まずは事実をそのまま認めること。これが自己受容の第一歩です。

自分の弱さを認めることは、決して諦めることではありません。今の立ち位置を正しく把握することで、初めて、じゃあ次はどうすれば良いかな?という前向きな思考が生まれるのです。

自己受容と自己肯定感の違いと深い関係性

自己受容と自己肯定感は、似ているようで明確な違いがあります。もっとも分かりやすい違いは、条件があるかどうかです。

  • 自己肯定感
    自分の能力や価値を肯定的に捉える感覚。テストで良い点が取れた、ピアノが上手に弾けたというような、成功体験や強みに基づく自信。
  • 自己受容
    条件なしに自分を受け入れる感覚。テストができなくても、ピアノが弾けなくても、自分という存在そのものを認めること。

例えるなら、自己受容は土地であり、自己肯定感はその上に建つ家です。どんなに立派で大きな家を建てようとしても、土台となる土地がぐらぐらで不安定であれば、少しの地震や嵐ですぐに崩れてしまいます。子どもが失敗したときに、過度に落ち込んだり投げ出したりしてしまうのは、土台である自己受容がまだ不安定なためかもしれません。逆に、自己受容という土台がどっしりと固まっていれば、たとえ失敗して自己肯定感が一時的に下がったとしても、また何度でも建物を建て直すことができるのです。

なぜ自己受容できない状態が起こるのか

多くの場合、自己受容が難しくなる背景には、周囲からの評価や、こうあるべきという理想像とのギャップがあります。特に、発達に凸凹がある子どもの場合、日常生活の中で注意される、できない、という経験が積み重なりやすい傾向にあります。

どうして片付けられないの、また忘れ物をしたの、という言葉を浴び続けると、子どもは、ありのままの自分は受け入れられない存在なんだ、というメッセージとして受け取ってしまいます。

また、保護者の方が非常に教育熱心で、子どもに良くなってほしいと願うあまり、高い目標を掲げ続けてしまうことも、子どもが自分を認めることができなくなる一因となります。親の期待に応えられない自分を、子ども自身が一番厳しく責めてしまうのです。もともとの真面目な性格が災いして、完璧にできない自分は価値がない、という極端な思考に陥ってしまうことも少なくありません。

子どもの成長に自己受容が必要な理由

自己受容は、単に気持ちを楽にするための考え方ではありません。子どもが社会の中で健やかに、そして力強く生きていくために不可欠な機能を持っています。

メンタルを安定させる心の安全基地になる

自己受容ができている子どもにとって、自分自身が最大の味方になります。外の世界で嫌なことがあったり、お友達とうまくいかなかったりしても、それでも自分は自分でいいんだという安心感が心の奥底にあるため、精神的なダメージを最小限に抑えることができます。

これを心の安全基地と呼びます。通常、安全基地は保護者の方との関係の中で築かれるものですが、自己受容が進むと、自分自身の内側にもその基地を持つことができるようになります。自分の中に安心できる居場所があるからこそ、子どもは安心して外の世界へ踏み出し、さまざまな経験にチャレンジしていくことができるのです。

失敗を恐れずに挑戦できるレジリエンスが育つ

自己受容は、困難を乗り越える力であるレジリエンス(精神的回復力)の源泉でもあります。自分を認められない子どもは、失敗を自分自身の価値の否定だと捉えてしまうため、新しいことに挑戦することを極端に怖がります。失敗したら、またダメな自分を突きつけられる、と感じてしまうからです。

一方で、自己受容ができている子どもは、失敗を単なるひとつの事象として捉えます。今回はうまくいかなかった。でも、自分の価値が変わるわけではない、と考えられるため、失敗から学び、もう一度やってみようとする意欲が湧きやすいのです。この、何度でも立ち上がる力こそが、将来の自立に欠かせない強さとなります。

自己受容感を高める具体的なトレーニング方法

自己受容は、日々の関わり方の積み重ねによってトレーニングしていくことができます。特別な道具は必要ありません。今日からできるトレーニングのステップをご紹介します。

結果ではなくプロセスに注目する声かけ

教育熱心な保護者の方ほどつい、「100点取れてすごいね」「逆上がりができてえらいね」と、結果を褒めてしまいがちです。しかし、結果だけを褒められ続けると、子どもは、成果を出さない自分には価値がない、という条件付きの自己肯定しかできなくなります。

自己受容感を育むためには、結果に至るまでのプロセスや、今の状態そのものを言葉にして伝えましょう。

・一生懸命、机に向かっていたね。

・最後まで諦めずに練習していたね。

・今日は疲れているみたいだね。ゆっくり休もうか。

このように、良いときも悪いときも、そのプロセスを認めてもらう経験が、子どもが自分自身を認めるトレーニング方法になります。

ネガティブな感情を否定せずに受け止める感情のラベリング

子どもが、悔しい、悲しい、やりたくない、といったネガティブな感情を出したとき、そんなこと言わないの、我慢しなさい、と否定していませんか。ネガティブな感情を否定されると、子どもは、こんなふうに思う自分はダメなんだ、と自分を責めるようになります。

まずは、子どもの気持ちをそのまま言葉にして返してあげる感情のラベリングを行いましょう。悔しかったんだね、悲しい気持ちになったんだね、と、親が代弁してあげることで、子どもは、あぁ、この気持ちを持っていてもいいんだ、と安心します。自分の感情を認められるようになると、次第にその奥にある自分自身の存在も認められるようになっていきます。

スモールステップで今の自分を認める練習

できない、という壁にぶつかったときは、課題を細かく分けるスモールステップの考え方を取り入れましょう。例えば、漢字が書けなくて泣いている子に全部書きなさいと言うのではなく、まずは1画目だけ書いてみよう、と提案します。1画書けたら、1画書けたね。それが今のスタートだね、と、今の状態を肯定します。

高い目標と自分を比べるのではなく、今の自分にできる小さな一歩を認めていく。この繰り返しが、ありのままの自分を受け入れる心の筋肉を鍛えていくことにつながります。

保護者自身の自己受容をトレーニングする大切さ

子どもの自己受容を育むうえで、実はもっとも大切なのが、保護者自身が自分を認めることです。親が自分に厳しすぎると、無意識のうちに子どもに対しても完璧を求めてしまいがちです。

今日は夕飯が作れなかったけれど、お惣菜を買って子どもと笑って過ごせたからOK。仕事でミスをしたけれど、これも今の自分なんだな。そんなふうに、保護者の方が自分自身の弱さや失敗を受け入れている姿を見せることは、子どもにとって何よりのトレーニングになります。

自己受容を育むうえで意識したいポイント

子どもの自己受容を育てようとするとき、どうしても親がなんとかしなければ、と力が入ってしまうものです。しかし、自己受容の本質はありのままを認めることにあります。そのためには、少し引いた視点を持つことが大切です。

子どもの生まれ持った個性や凸凹を正しく知る

自己受容の第一歩は、正しい現状把握です。子どもができないことに直面しているとき、それが努力不足なのか、それとも生まれ持った特性によるものなのかを見極める必要があります。

例えば、注意欠如多動症の傾向がある子どもにとって、じっと座って話を聞くことは、とても大きなエネルギーを必要とする場合があります。また、自閉スペクトラム症の特性を持つ子どもが、お友達の気持ちを推し量ることに苦労していても、それは本人がわざと無視しているわけではありません。

こうした脳の機能による凸凹を、親が、この子の個性なんだ、と正しく理解することは、子ども自身の自己受容に直結します。親が、どうしてできないの、という色眼鏡を外して接することで、子どもは、自分は自分のままでいいんだ、と安心して自分の特性と向き合えるようになります。

家庭だけで頑張りすぎず客観的な視点を取り入れるメリット

教育熱心な保護者の方ほど、わが子の課題を家庭内ですべて解決しようと孤軍奮闘しがちです。しかし、親子という近すぎる関係性では、どうしても感情がぶつかりやすく、冷静な自己受容のトレーニングが難しいこともあります。

このようなとき、専門機関の客観的な視点を取り入れることは非常に有効です。専門家は、子どものつまずきの原因を科学的な視点から分析し、その子にぴったりのスモールステップを提示してくれます。

第三者が、この部分はもうできているよ、ここは特性だから、こういう工夫をしよう、と認めてくれる経験は、子どもにとって大きな自信になります。また、保護者の方にとっても、専門家と一緒に成長を見守ることで心のゆとりが生まれ、ありのままのわが子を愛おしむ余裕を取り戻すことができるのです。

自己受容についてのまとめ

自己受容とは、条件なしに自分自身のすべてを認める力です。それは、自己肯定感という建物を支えるための、広くて丈夫な土台のようなものだと言えます。

子どものできないに悩み、自信を失っている姿を見るのは、親として本当につらいことかもしれません。しかし、そのできないも含めて、今のわが子をまるごと受け入れることが、結果として子どもの未来を切り拓く最強の武器になります。

まずは、お母さん、お父さん自身が、一生懸命に子育てをしている自分に、よくやっているよ、と声をかけてあげてください。親の自己受容が進むと、その穏やかな空気感は必ず子どもに伝わります。

スモールステップで、一つひとつ。子どもの心の安全基地を、家庭と専門機関が手を取り合って築いていきましょう。ステラでは、お子さん一人ひとりの個性を尊重し、自分を認め、前向きに歩んでいける力を育むお手伝いをしています。

発達に特性がある子どもの場合、学習や集団生活でのできないが積み重なり、自己受容が難しくなってしまうことがあります。ステラ個別支援塾では、子どもの特性を理解し、一人ひとりに合わせた最適な学習環境を提供しています。

勉強だけでなく、心の土台をしっかりと固めていきたいとお考えの保護者の方は、ぜひ一度ご相談ください。

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