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イヤイヤ期への対応は?1歳半からのひどい癇癪に対処する方法

2026.03.05
  • 発達障害
  • 支援方法・家庭での過ごし方

1歳半を過ぎると、子どもには「自分でやりたい」という自我が芽生えはじめます。言葉よりも先に感情が育つこの時期、「イヤ!」は子どもなりの精一杯の自己表現です。

とはいえ、その背景がわかっていても、毎日癇癪をぶつけられる疲れは本物です。この時期を「イヤイヤ期」と呼ぶのも納得できるほど、保護者にとっての消耗は大きいものがあります。

この記事では、イヤイヤ期が起こる仕組みと年齢別の特徴、保育士は行っている場面ごとの対応法などを解説します。発達障害との違いも整理しているので、あわせて読んでみてください。

イヤイヤ期とは?

イヤイヤ期とは、子どもが自分の意思を持ち、それを主張しはじめる発達段階のことです。英語では「Terrible Twos」と呼ばれ、世界中の子育て文化でも広く知られています。

そもそもなぜ、この時期に「イヤ!」が増えるのでしょうか。理由をいくつかご説明します。

イヤイヤ期が起こる理由

イヤイヤ期の根本にあるのは、「自我の芽生え」と「言葉の未発達」のギャップです。

この時期の子どもは、「自分でやりたい」「自分で決めたい」という気持ちは育っているのに、それを言葉にする力がまだ追いついていません。そのもどかしさが「イヤ!」という形で爆発します。

さらに、感情のコントロールを担う前頭前野(ぜんとうぜんや)が、この時期はまだ発達途中です。気持ちを抑える力が未熟なため、感情がそのまま行動に出やすい状態にあります。

「わがままだから」ではなく、脳の発達段階として起こることを知っておくと、少し気持ちが楽になるはずです。

成長の証として捉える

イヤイヤ期は、「自分」という意識が育ってきた証です。困りごとが多い時期ではありますが、問題行動ではありません。

なぜなら、自分の気持ちを外に出せるようになったこと自体が、心の発達における大きな一歩だからです。

発達心理学者エリクソンは、この時期を「自律性の獲得」の段階と位置づけました。自己意識の芽生えとともに意思を主張しはじめるこの過程が、後に育まれる自己肯定感や社会性の土台になっていきます。

いわば、毎日の「イヤ!」は、将来につながる成長の積み重ねでもあるのです。

エリクソンの子どもの発達段階については、こちらの記事にも書かれています。【エリクソンの発達段階から見る子どもの成長と8つの特徴】

いつから始まるのか

イヤイヤ期の始まる時期には個人差がありますが、一般的には1歳半頃から兆候が見えます。言葉がまだ十分に出ていない段階では、泣く・叫ぶ・物を投げるといった行動で気持ちを表すことも多いです。
1歳半健診頃に「最近、急に言うことを聞かなくなった」と感じ始める保護者の方も多いですが、これはまさに発達が進んでいるサインといえます。

イヤイヤ期はいつまで続く?


イヤイヤ期の波は、年齢とともに少しずつ変化していきます。「いつまで続くのか」と先が見えない不安を感じている方も多いですが、見通しを持つだけで気持ちのゆとりが変わります。

1歳半から始まる自己主張

1歳半頃になると、「自分で」「イヤ」といった自己主張が増え始めます。
この時期は、まだ言葉でうまく気持ちを伝えられないため、泣いたり癇癪を起こしたりすることが多いです。食事のときに「これはイヤ」とお皿を払いのける、着替えを嫌がるといった行動が見られるようになります。

2歳のピークと特徴

2歳から3歳の間がイヤイヤ期のピークとされています。語彙が増えてくる分、「イヤ」「自分で」「ダメ」などの言葉を頻繁に使い、何を提案しても拒否することが多くなります。2歳頃は特に癇癪がひどい時期で、お店の中で泣き叫ぶ、道路に座り込んで動かないといった行動に悩む保護者の方も少なくありません。
ピーク時の癇癪は、「自分のやりたいことがうまくいかない」「思い通りにならない」というフラストレーションの爆発です。子どもなりの精一杯の自己表現だと捉えると、少し見方が変わるのではないでしょうか。

3歳で落ち着く兆し

3歳を過ぎると、言葉で気持ちを伝える力が育ち、癇癪の頻度が徐々に減ってきます。「どうして嫌なの?」と聞くと、「だって○○だから」と理由を説明できる子もいます。

このように、言葉でやりとりができるようになると、保護者側も「なぜ嫌なのか」が見えやすくなり、対応しやすくなっていきます。

癇癪そのものが減るというより、癇癪に至る前に言葉でブレーキがかかるようになるイメージです。「だいぶ話が通じるようになった」と感じる瞬間が、少しずつ増えていくでしょう。

ただし、3歳で完全に落ち着くわけではなく、4歳頃まで続く子もいます。子どものペースに合わせて、焦らず見守る姿勢が大切です。

癇癪がひどい子どもへの接し方


癇癪がひどいとき、なだめようとしても泣き止まず、叱っても逆効果になることがあります。どう対応すればいいか迷うのは、多くの保護者が経験していることです。
ここでは、子どもの気持ちに寄り添いながら状況を落ち着かせるための接し方をご紹介します。

子どもの気持ちを受け止める

癇癪を起こしているとき、まずは子どもの気持ちを言葉にしてあげましょう。
「自分でやりたかったんだね」「嫌だったんだね」と声をかけることで、子どもは「わかってもらえた」と感じ、少しずつ落ち着いていきます。
反対に、感情が高ぶっている最中に説得しても逆効果です。まずは気持ちの波が収まるのを待ちましょう。
そっと近くにいて、安全を確保しながら見守ることも、立派な対応のひとつです。

選択肢を与えて自己決定を促す

「イヤ!」の背景には、「自分で決めたい」という気持ちが隠れています。
そのため、「赤い靴と青い靴、どっちにする?」のように、子どもが自分で選べる場面を作ると、抵抗感が減りやすくなります。
ポイントは、選択肢を2つか3つに絞ることです。あまり多いと逆に混乱してしまうため、保護者の方がある程度の枠を用意したうえで、その中から選んでもらうと良いでしょう。

癇癪については、次の記事にも書かれています。
癇癪持ちとはどういう人のこと?その特徴や原因について解説
【癇癪とは?】理由や意味・年齢別の傾向・対処法など徹底解説

保育士が教える場面別の対応のコツ

保育士に実際現場で使われている対応法を、場面別にまとめました。

【お着替えを嫌がるとき】

  • ●「お着替えしたら公園に行こうね」と、次の楽しみをセットで伝える
  • ●「着替えなさい」と命令するより、見通しを持たせるほうが自分から動きやすくなる


【食事を拒否するとき】

  • ●「今日はお腹すいていないのかな?」と声をかけ、いったん引く
  • ●時間を空けてから再挑戦すると、落ち着いて食べられることが多い
  • ●無理に食べさせようとするのは逆効果になりやすいため、食事の場の雰囲気を楽しく保つことも大切


【お片付けを嫌がるとき】

  • ●「どっちが早くできるかな?」と競争にすると、抵抗なく動けることが多い
  • ●「やらされる」から「遊びの一部」に変えるのが現場のコツ



どの場面でも共通しているのは、命令や強制ではなく、子どもが「自分でやろう」と思える状況をつくることです。完璧にこなそうとせず、うまくいったときは一緒に喜ぶことで、次の行動につながります。

やってはいけないNG対応

対応の「正解」を知るのと同じくらい、「やってしまいがちなNG」を知っておくことが大切です。よかれと思った行動が、かえって子どもとの関係をこじらせることがあるからです。

感情的に叱ること

癇癪に感情で返してしまうと、子どもは「気持ちを出すことは悪いことだ」と学んでしまいます。大人が感情をぶつけるほど、子どもも感情で返すという悪循環になりやすいです。

とはいえ、イライラするのは自然なことです。叱ってしまったあとに「さっきは怒ってごめんね」と伝えるだけで、信頼関係は修復できます。

無理やり言うことを聞かせる

力ずくで制止したり、無理やり従わせたりする対応は、その場は収まっても長期的には子どもの自己肯定感を損ないます。「自分で決めることは許されない」という経験が積み重なると、自発性の発達にも影響が出てきます。

放置する・無視する

「泣き止むまで放っておこう」と完全に無視するのも避けたい対応です。
子どもは「気持ちを受け止めてもらえない」と感じ、不安が強まります。距離を置くこと自体は有効な場面もありますが、「そばにいるからね」「落ち着いたらお話しようね」と一言添えることで、安心感を与えられます。

発達障害とイヤイヤ期の関わり


「うちの子、イヤイヤ期がひどすぎる。もしかして発達障害?」と気になりはじめる保護者は少なくありません。
実際、両者の特性には重なる部分があり、見分けが難しいのも事実です。その判断のポイントを整理します。

ADHDやASDとの関係性

ADHDのある子どもは衝動性の高さから癇癪が激しくなりやすく、ASDのある子どもはこだわりの強さから「いつもと違うこと」への拒否反応が強く出る傾向があります。

ただし、1歳半〜3歳の時期は定型発達の子どもにも同様の行動が見られるため、この時期だけで発達障害かどうかを判断するのは難しいです。

だからこそ、1歳半健診・3歳児健診の機会を活用して、専門家の目で確認してもらうことが大切です。日常のなかで気になるサインとしては、以下のような行動が挙げられます。

  • ●目が合いにくい
  • ●名前を呼んでも振り向かない
  • ●言葉の発達が同年齢の子どもと比べて遅い
  • ●特定の感覚(音・光・触感など)に極端な反応を示す


3歳を過ぎても癇癪がひどいなど頻度や強さが大きく変わらない場合も、一度専門家に相談してみるとよいでしょう。

なお、これらはあくまで観察のポイントであり、ひとつ当てはまるだけで発達障害を意味するものではありません。

気になる行動が見られたときの相談先

相談先としては、かかりつけの小児科、地域の保健センター、子育て支援センター、児童発達支援事業所などがあります。

「相談するほどのことなのか」と思う必要はありません。専門家は日常的に多くの子どもを見ているため、「この年齢ならよくあることですよ」といってもらえるだけでも、気持ちが楽になることがあります。

親が心の余裕を持つためのコツ


イヤイヤ期の対応がうまくいかないとき、原因は「関わり方」よりも「親の疲弊」にあることが少なくありません。子どものケアと同じくらい、自分自身のケアを大切にしましょう。

ひとりで抱え込まない

イヤイヤ期は、育て方ではなく子どもの脳と自我の発達によって起こるものです。

どれだけ丁寧に関わっていても、癇癪は起きます。「うまく対応できない自分はダメだ」と感じる必要はありません。

同じ年齢の子どもを持つ保護者同士で悩みを共有したり、子育て支援センターのスタッフに話を聞いてもらったりすることで、気持ちが楽になることがあります。

家族で協力して対応する

イヤイヤ期の対応をひとりで背負い続けると、心身の疲労が蓄積します。パートナーや祖父母など、頼れる人がいる場合は、積極的に協力を求めましょう。

たとえば、癇癪が起きたときの対応を事前に話し合っておくだけでも、その場の混乱が減ります。「泣き始めたらいったん距離を置く」「どちらかが対応しているときはもうひとりは口を出さない」など、シンプルなルールを共有しておくことが大切です。
対応がバラバラだと子どもも混乱しやすくなるため、家庭内での対応方針を決めておきましょう。

自分の時間を確保する

余裕は「なんとかつくるもの」ではなく、意識的に確保するものです。子どもが寝ている間に好きなことをする、一時預かりサービスを使ってリフレッシュするなど、方法は小さなことで構いません。

「子どもを預けるのは申し訳ない」と感じる方もいますが、保護者が心身ともに健康であることが、子どもへの良い関わりの土台になります。

イヤイヤ期は必ず終わります。今この時期に向き合っていることは、子どもの成長を支える大切な時間です。

イヤイヤ期についてのまとめ

イヤイヤ期は、1歳半〜3歳頃に子どもの自我が芽生え、自己主張が強くなる発達段階です。2〜3歳にピークを迎えますが、言葉の発達とともに3歳以降は徐々に落ち着いていきます。

癇癪への対応は、まず気持ちを受け止めること、そして選択肢を与えて自己決定を促すことが基本です。感情的に叱る、無理に従わせる、完全に無視するといった対応は、長期的に親子関係に影響が出やすいため避けましょう。

ADHDやASDの特性がイヤイヤ期の行動と重なることもありますが、この時期だけでの判断は難しいとされています。3歳を過ぎても気になる行動が続く場合は、早めに専門家へ相談してください。

「どこに相談すればいいかわからない」という場合は、ステラ幼児教室にご相談ください。子ども一人ひとりの特性に合わせた関わり方を、専門スタッフと一緒に考えていきましょう。

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