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言うことを聞かない子どもへの対処法と発達障害や病気との関連

2026.02.17
  • 発達障害
  • ADHD(注意欠如多動性障害)

言うことを聞かない子どもへの悩みと発達障害の関係性

何度言っても宿題を始めない、約束した時間を守れない、片付けができない。毎日のように繰り返される小学生の子どもとの攻防に、心身ともに疲れ果ててしまっている保護者の方は少なくありません。

どうしてうちの子はこんなに聞き分けがないのだろう、私の育て方が間違っていたのではないか、と出口のないトンネルの中にいるような孤独感を感じるときもあるでしょう。つい声を荒らげてしまい、夜に子どもの寝顔を見ながら自己嫌悪に陥る。そんな苦しいループから抜け出すためには、まず現状を客観的に捉え直すことが大切です。

実は、子どもが言うことを聞かないのには、本人のわがままや性格だけでは説明できない理由が隠れていることがあります。それは、脳の機能的な特性である発達障害の影響かもしれません。発達障害は病気ではなく、特性による困難さを正しく理解することで、保護者の方のイライラを抑え、子どもが自分らしく輝ける未来への第一歩となります。

なぜ小学生の子どもは言うことを聞かないのか

親から見れば反抗している、あるいは無視していると感じる行動も、子どもの視点に立つと全く違った景色が見えてきます。特に小学生になると、学校生活でのルールや学習の負担が増えるため、もともと持っていた特性が困りごととして表面化しやすくなります。

注意欠如多動症による不注意や衝動性が影響している

注意欠如多動症(ADHD)の子どもの場合、脳の実行機能と呼ばれる部分の働きが未発達なため、自分をコントロールすることが苦手です。

例えば、おもちゃを片付けている途中で別のものが目に入ると、そちらに意識が奪われて本来の目的を忘れてしまいます。これは不注意という特性によるものです。また、やってみたいと思った瞬間に身体が動いてしまう衝動性があるため、静かに待つことや指示を最後まで聞くことが物理的に難しい状態と言えます。決して親を困らせようとしているわけではなく、脳が情報を処理するスピードや優先順位の付け方が、周りの子どもと異なっているのです。

自閉スペクトラム症のこだわりや切り替えの難しさ

自閉スペクトラム症(ASD)の子どもの場合、物事への強いこだわりや、急な予定変更への不安が、言うことを聞かないという行動に繋がることがよくあります。

自分が納得した手順やルールで進めたいという思いが強いため、親からの、今はこれをやって、という指示が、自分の世界を壊される侵入のように感じられてしまうのです。また、一つひとつの活動から次の活動へ気持ちを切り替えるのに時間がかかるため、テレビを消してお風呂に入る、といった日常の些細な行動さえも大きな壁となります。

発達障害は病気ではなく脳の機能による特性

うちの子は病気なのだろうかと不安に思う方もいるかもしれませんが、発達障害は風邪や怪我のような病気ではありません。生まれつきの脳の情報の受け取り方や、処理の仕方のタイプが違うことによるものです。そのため、薬を飲めばすべてが完治するというものではなくcc、その子の特性に合わせた環境を整え、関わり方を工夫していくことが解決の近道となります。個性を否定するのではなく、その子が生きやすい方法を一緒に見つけていく姿勢が大切です。

聴覚情報の処理に偏りがあり指示が届きにくい

発達障害がある子どものなかには、耳から入る情報の処理が苦手な、聴覚優位ではないケースがよく見られます。親が口頭で、宿題をやって、明日の準備をして、早くお風呂に入りなさい、と長々と説明しても、子どもにとっては聞き取れない雑音のように流れてしまい、記憶に残りません。理解できていないために動けない状態を、大人は言うことを聞かないと受け取ってしまいがちですが、実は情報が届いていないだけという場合もたくさんあります。

保護者のイライラを解消するための心理的な備え

言うことを聞かない子どもに対し、子どもに悪気がないとわかっていても、毎日同じことで注意し続けるのは、想像以上にエネルギーを消耗するものです。まずは、保護者の方が自分自身の心を健やかに保つための装備を整えましょう。

期待値を調整して心の安全基地を確保する

イライラの大きな原因のひとつは、小学生ならこれくらいできるはずという、私たちが無意識に抱いている期待と、目の前の子どもの現実とのギャップにあります。発達に特性がある子どもの場合、認知や行動のコントロール機能の成長が、実年齢よりもゆっくり進む傾向があります。

特性のある子どもの情緒的な発達や自制心は、実年齢より少し低いことが多いです。10歳の子どもであれば、心の中は6歳から9歳程度、つまり小学校に入ったばかりの頃の幼さを持っているかもしれない、と考えてみてください。そう捉えるだけで、まだこの子には難しかったんだなと、少しだけ優しい視点を持つことができます。家庭は、子どもにとっても保護者にとっても、失敗が許される安全基地であることが何よりも重要です。

怒りのピークをやり過ごすアンガーマネジメント

また感情的に怒鳴ってしまったという後悔を減らすために、心理学的なテクニックであるアンガーマネジメントを取り入れましょう。怒りの感情が爆発し、理性を失ってしまうピークの時間は、わずか6秒間だといわれています。この6秒をやり過ごすことができれば、最悪の衝突を避けることができます。

  • カウントダウン
    心の中で6から1までゆっくり数える
  • 物理的な距離
    別の部屋へ行く、トイレにこもるなど、その場から離れる。
  • 深呼吸
    鼻から吸って、口からゆっくりと吐き出すことに集中する。

完璧な親である必要はありません。今は疲れているんだな、と自分を認め、少しずつ対応を変えていけばよいのです。

発達障害の小学生に効果的な具体的な対処法

特性を持つ子どもたちには、これまでのしつけとは異なる、脳のタイプに合わせたアプローチが必要です。ここでは、具体的な対処法について、ひとつずつ見ていきましょう。

視覚的な支援を活用して行動のルールを伝える

聴覚情報の処理が苦手な子どもにとって、口頭での指示は空中に消えていく煙のようなものです。一方で、目から入る情報は脳に残りやすく、理解を助けます。

  • 写真やイラストの活用
    片付けをしてほしい場所に、入れるべきおもちゃの写真を貼っておく。
  • スケジュール表
    帰宅してから寝るまでの流れをホワイトボードに書き出す。
  • タイマーで見える化
    残り時間を数字ではなく、赤い色が減っていくタイプのタイマーなどで示し、終わりを予告する。

見える化することで、子どもは次に何をすればよいかを自分で判断できるようになり、親の指示待ちや反発が劇的に減ることがあります。

肯定的な言葉で褒めるスモールステップの実践

廊下を走らないで、と言われると、脳内には走る姿がイメージされてしまいます。これを、歩こうね、という肯定的な指示に変えるだけで、子どもは正しい行動をイメージしやすくなります。

さらに大切なのは、当たり前のことができている瞬間に光を当てることです。座ってご飯を食べているね、靴を揃えたんだね、と結果が出る前の今やっていることを実況中継するように褒めてあげてください。これをスモールステップと呼びます。大きな目標を達成したときだけでなく、その過程にある小さな階段をひとつ登るたびに認められることで、子どもの自己肯定感は育ち、親の言うことを聞かない状態を脱するための心の土台が作られていきます。

SSTの視点で適切なコミュニケーションを学ぶ

発達に特性がある子どもの場合、相手の表情から気持ちを読み取ったり、その場にふさわしい振る舞いを選んだりすることが苦手な場合があります。こうした社会的なスキルを身につけるためのアプローチが、SST、ソーシャルスキル・トレーニングです。言うことを聞かないという行動も、実はどう言えば自分の気持ちが伝わるか分からない、対処法がわからないという困り感の裏返しであるケースが少なくありません。

  • 具体的な代わりの言葉を教える
    お友達を叩いてしまったとき、単に叩いちゃダメと叱るのではなく、貸してって言おうね、と次に使える具体的なフレーズを伝えます。
  • ロールプレイで練習する
    親子でお店やさんごっこや学校ごっこをしながら、適切な頼み方や断り方を遊びのなかで練習します。
  • 事前のシミュレーション
    お出かけの前などに、もしこうなったら、こうしようね、とあらかじめ約束をしておくことで、パニックや反発を防ぐことができます。

しつけとして厳しく教え込むのではなく、新しい便利な道具を手渡すような感覚で取り組むことが大切です。

専門的なアプローチで子どもの困りごとを解決する

家庭でさまざまな対処法を試みたり、工夫をしたりしても、限界を感じることもあるでしょう。そのようなとき、ステラのような専門機関では、科学的な根拠に基づいた多角的なアプローチを行い、子どもの成長を力強くサポートします。

感覚統合の視点から身体の使い方のつまずきを整える

意外と知られていないのが、感覚の特性が言うことを聞かない行動に影響している可能性です。これを分析するのが、感覚統合という考え方です。例えば、触覚過敏がある子どもの場合、服のタグが不快で頭がいっぱいになり、親の指示が耳に入らなくなってしまうことがあります。また、自分の身体の位置を把握する固有受容覚が未発達だと、じっと座っていること自体が苦痛になり、落ち着きがないと誤解されやすくなります。

療育の現場では、トランポリンやブランコなどの遊びを通じて、脳に入ってくる感覚を整理、統合していきます。身体の土台が整うことで、感情が安定し、周囲の話を聞く余裕が自然と生まれてくるのです。

メタ認知能力を育てて自分を客観視する力を養う

自分がいま、どんな状態にあるかを一歩引いた場所から客観的に見つめる力を、メタ認知能力と呼びます。小学生になると、この能力を少しずつ育てていくことが非常に重要になります。言うことを聞かずに暴れてしまったあと、落ち着いてから、あのときどんな気持ちだったかな、と振り返る時間を持ちます。自分の感情を言語化し、客観的に捉えられるようになると、いま自分はイライラしているから深呼吸をしよう、といった自己コントロールができるようになります。

環境調整により学校生活や学習のハードルを下げる

家では落ち着いていても、学校という刺激の多い環境では、特性によるしんどさが強く出てしまうこともあります。集団生活の中で言うことを聞かないと評価されてしまう背景には、本人の努力ではどうしようもない環境側の要因が隠れている場合が少なくありません。

  • 座席の工夫
    窓際や廊下側は刺激が多く集中が削がれやすいため、前方の席にしてもらう。
  • 指示の出し方の統一
    一度に伝える指示はひとつに絞り、個別に声をかけてもらう。
  • クールダウンの場所の確保
    パニックになりそうなときに一時的に避難できる静かな場所を学校内に作っておく。

本人の努力だけに頼るのではなく、周りの環境を整える合理的配慮を行うことで、子どもは自分はできるという自信を失わずに済みます。

言うことを聞かない子どもについてのまとめ

言うことを聞かない子どもに悩んでいる場合、その裏側には、注意欠如多動症や自閉スペクトラム症といった発達の特性が深く関わっていることがあります。保護者の方が抱えるイライラや不安は、決して愛情不足のせいではありません。特性を持つ子どもは、情報の受け取り方や脳の処理の仕方が独特なため、一般的なしつけや叱咤激励だけでは解決が難しいのが現実です。

大切なのは、特性を正しく知り、伝え方を変え、専門家を頼ることです。子どもが自信を失い、自分はダメな子だという二次障害に陥る前に、適切な環境を用意してあげてください。できないことを数えるのではなく、できている小さなひとつを一緒に見つけていきましょう。

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