コラム コラム

人のせいにする人の心理や特徴は?育ちや障害との関係も解説

2026.02.05
  • 支援方法・家庭での過ごし方

「うちの子は何かあるとすぐ人のせいにする」「自分の非を認めようとしない」と悩んでいる保護者の方は少なくありません。

人のせいにする行動は、持って生まれた性格の問題として受け取られがちです。しかし実際には、不安の強さや自信のなさに加え、これまでの経験や周囲との関わり方が影響していることも多く、表に見えている言動だけで判断できるものではありません。発達特性や心の不調が関係している場合もあり、本人の意志や努力だけで簡単に変えられないケースもあります。

この記事では、人のせいにしてしまう人に見られる心理や特徴を整理しながら、その背景や、子どもへの関わり方について考えていきます。

人のせいにする人に見られる心理とは


人のせいにする行動には、いくつか共通した心の動きが見られます。まずは「なぜそうしてしまうのか」という背景を知ることが、理解への第一歩になります。

自分を守ろうとする防衛本能

人のせいにする心理として、もっとも多く見られるのが「自分を守ろうとする心の働き」です。失敗やミスをしたとき、その責任を真正面から受け止めることは、想像以上に心を傷つけます。その痛みを避けるため、無意識のうちに原因を外へ向けてしまうことがあるのです。

心理学では、こうした反応を「防衛機制」と呼びます。つらい現実から距離を取ろうとする、ごく自然な心の反応です。ただ、この守りの姿勢が続いてしまうと、次第に「人のせいにすること」が当たり前の振る舞いとして定着してしまうこともあります。

自己肯定感が低く自信がない

自己肯定感が低い人ほど、失敗を認めることに強い抵抗を感じやすくなります。心の奥に「自分は価値のない存在かもしれない」という不安を抱えていると、ミスを認めることが、自分自身を否定する行為のように感じられてしまうのです。

その結果、自分を守るための手段として、人のせいにする行動が選ばれることがあります。責めたい気持ちがあるというより、「これ以上、自分が傷つかないため」の行動である場合が少なくありません。

責任を負うことへの恐怖心

責任を負うこと自体に強い恐怖を感じている場合も、人のせいにする傾向が現れます。過去に失敗を厳しく責められた経験や、責任を取ることで大きな苦しさを味わった記憶があると、「責任=危険なもの」として心に刻まれてしまうことがあるのです。

そうした経験があると、再び同じ思いをしないよう、本能的に責任から距離を取ろうとします。その結果として、人のせいにするという行動が選ばれてしまうのです。

人のせいにする人に共通する特徴


人のせいにする人には、いくつか共通した振る舞いが見られます。これらの特徴を知っておくことは、「どうしてこんな行動をとるのだろう」という戸惑いを減らし、落ち着いて関わるための助けになります。

すぐに言い訳をする

何か問題が起きたとき、反射的に言い訳が出てくるのは、人のせいにする人によく見られる特徴です。「そうなるとは思わなかった」「〇〇のせいでうまくいかなかった」といった言葉で、自分の行動を正当化しようとします。

言い訳は、責任から逃れたいというよりも、「自分は責められたくない」という気持ちの表れであることが多いものです。ただ、この傾向が強くなると、周囲との信頼関係にひびが入りやすくなります。

素直に謝れない

人のせいにする人は、自分に非があっても謝ることに強い抵抗を感じる傾向にあります。謝ることが、「自分の価値を下げてしまう行為」のように受け取られてしまうためです。

中には、「謝ったら負け」「認めたら立場が弱くなる」と感じている人もいます。そのため、明らかに自分に原因がある場面でも、言葉を濁したり、話題をすり替えたりするのです。

被害者意識が強い

被害者意識の強さも、人のせいにする人に共通する特徴のひとつです。「自分ばかりが損をしている」「周りは分かってくれない」といった思いを抱えやすく、出来事を自分中心に受け止めてしまう傾向があります。

その状態では状況を客観的に見ることが難しくなり、結果として「自分は悪くない」「悪いのは周囲だ」という考えに傾きやすくなってしまいます。

人のせいにするのは育ちが関係している?


人のせいにする癖は、生まれ持った性格だけで決まるものではありません。これまでどのような環境で育ってきたかが、心の反応のかたちに影響していることも少なくないのです。ここでは、よく見られる育ちの背景について整理していきます。

厳しく叱られる環境で育った

幼い頃、失敗するたびに強く叱られる経験が続くと、「間違えること」そのものに強い恐怖を抱くようになります。すると子どもは、失敗を認めるよりも、まず自分を守ることを優先するようになるのです。

その結果、無意識のうちに責任を外へ向け、人のせいにする行動が身についてしまいます。これは反抗心というよりも、叱責から身を守るために身についた防衛反応であり、大人になってからも続いてしまうこともよくあります。

過保護な家庭環境だった

一方で、過保護な環境もまた、人のせいにする傾向と無関係ではありません。困ったときに親が先回りして解決してくれる環境では、子どもが自分で責任を引き受け、試行錯誤する経験が限られてしまいます。

そのまま成長すると、問題が起きた際に「自分がどうするか」を考える前に、誰かに原因や解決を求める行動につながるのです。これは甘えというより、経験不足からくる反応といえるでしょう。

親が他責的な姿を見せてきた

子どもは、言葉以上に大人の姿をよく見ています。親が日常的に人のせいにする言動をしていると、それを「物事への向き合い方」として自然に学んでしまうのです。

「自分は悪くない」「悪いのは周りだ」という考え方が身近にあると、問題が起きたときに他者へ責任を向けることが、ごく当たり前の反応として定着していきます。育ちの中で見てきた大人の姿は、子どもの行動の土台になるのです。

人のせいにすることは病気や障害と関係がある?

人のせいにする行動が目立つ場合、病気や障害が関係していることもあります。ただし、人のせいにするからといって、必ずしも病気や障害があるということではないのです。あくまで可能性のひとつとして理解しておきましょう。

発達障害との関連

発達障害のある人の中には、人のせいにしやすい傾向が見られる場合があります。たとえば、自閉スペクトラム症(ASD)の特性として、自分の視点から物事を捉えやすく、相手の立場に立って考えることが難しい場合が少なくありません。そのため、自分の行動が問題を引き起こしたという認識が持ちにくく、結果として人のせいにしているように見えることがあります。

また、注意欠如多動症(ADHD)の場合、衝動的に発言してしまう特性から、深く考えずに人のせいにする発言をしてしまうことが良く見られます。

発達障害については、厚生労働省の「発達障害の理解のために」や、国立障害者リハビリテーションセンターが運営する「発達障害情報・支援センター」で詳しい情報が提供されています。

参考:発達障害情報・支援センター(国立障害者リハビリテーションセンター) https://www.rehab.go.jp/ddis/

参考:厚生労働省「発達障害の理解のために」
https://www.mhlw.go.jp/seisaku/17.html  

パーソナリティ障害との関連

パーソナリティ障害の中には、人のせいにする傾向が特徴として現れるものがあります。たとえば、自己愛性パーソナリティ障害では、自分は特別な存在であるという意識が強く、失敗を認めることが極めて難しいため、問題が起きると他者に責任を転嫁しやすくなるのです。

また、境界性パーソナリティ障害では、感情の波が激しく、衝動的に人を責めてしまうことがあります。

ただし、人のせいにする行動があるからといって、すぐに病気や障害を疑う必要はありません。気になる場合は、専門家に相談することをおすすめします。

参考:国立精神・神経医療研究センター「こころの情報サイト」 パーソナリティ障害https://kokoro.ncnp.go.jp/disease.php?@uid=5G107GdWgaFy4nBq

人のせいにする人の末路とは

人のせいにする癖をそのままにしていると、本人が気づかないうちに、生きづらさが少しずつ積み重なっていくことがあります。ここでは、支援の現場で実際によく見られる、行き着きやすい状態についてお伝えします。

周囲から信頼を失う

人のせいにする行動が続くと、周囲は次第に警戒心を強めていきます。問題が起きるたびに責任を向けられる経験が重なると、「この人と関わると安心できない」という印象が残ってしまうからです。

信頼関係は、日々の小さな積み重ねで築かれますが、崩れると回復には時間がかかります。本人に悪気がなくても、「責任から逃げる人」「自分を守るために他者を責める人」と受け取られてしまうと、仕事や人付き合いの場面で不利な立場に置かれやすくなるでしょう。

人間関係が破綻しやすくなる

人のせいにする癖は、人間関係そのものを不安定にします。友人関係や職場、家庭といった身近な関係ほど影響を受けやすく、些細な出来事から摩擦が生まれやすくなるのです。

周囲の人は、「いつ自分が責められるかわからない」という緊張感を抱き、次第に距離を取るようになります。その結果、本人は「理解されない」「誰も助けてくれない」と感じ、被害者意識をさらに強めてしまうことも少なくありません。

人のせいにする人への対処法


身近に人のせいにする人がいると、関わる側の心がすり減ってしまうこともあります。ここでは、相手を追い詰めず、状況を悪化させにくい関わり方についてお伝えします。

感情的にならず冷静に接する

人のせいにされると、つい反論したくなったり、正しさを示したくなったりするものです。しかし、感情的に応じてしまうと、相手はさらに身構え、防衛的になりやすくなります。

大切なのは、まず自分が落ち着くことです。相手の言葉をそのまま受け入れる必要はありませんが、感情をぶつけ返さず、静かな態度で接することで、話し合いの土台が保たれます。冷静さは、相手の心を落ち着かせる一番の近道でもあることを忘れないようにしましょう。

事実を整理して伝える

人のせいにする人と向き合うときは、感情よりも事実を軸に話すことが効果的です。いつ、どこで、何が起きたのかを整理し、評価や決めつけを加えずに伝えるよう意識しましょう。

事実を淡々と共有することで、相手も自分の行動を振り返りやすくなります。「責める」のではなく、「状況を一緒に確認する」という姿勢で関わることが、関係をこじらせないポイントです。

子どもが人のせいにするとき親はどう関わる?

子どもが人のせいにする場面に直面すると、親として戸惑ったり、どう声をかければよいのか迷ったりするものです。ここでは、子どもの心を守りながら成長につなげていく関わり方を考えていきます。

安心できる環境をつくり失敗を受け入れる

子どもが人のせいにしてしまう背景には、「失敗したらどうなるのだろう」という不安が隠れていることが少なくありません。まず大切なのは、失敗しても受け止めてもらえるという安心感を家庭の中に用意することです。

「失敗しても大丈夫だよ」「正直に話してくれたらうれしいな」といった言葉は、子どもにとって大きな支えになります。責める前に耳を傾ける姿勢が、子どもが本当の気持ちを話せる土台になるでしょう。

また、失敗そのものを問題にするのではなく、「そこから何を学べるか」を一緒に考えていくことも大切です。うまくいかなかった経験を責められずに振り返れるようになると、子どもは少しずつ、人のせいにしなくても大丈夫だと感じられるようになります。

そして、勇気を出して正直に話してくれたときには、その行動自体をしっかり認めてあげてください。「話してくれてありがとう」という一言は、子どもの自己肯定感を育て、次につながる大切な種になります。

【まとめ】人のせいにする人の心理や特徴を理解して対応しよう

人のせいにする行動の背景には、自分を守ろうとする心の働きや、自己肯定感の低さ、責任を負うことへの不安などが重なっています。そこには、育ってきた環境の影響や、場合によっては病気や障害といった要因が関係していることも少なくありません。

こうした癖をそのままにしていると、周囲との信頼関係が少しずつ損なわれ、人間関係が不安定になっていくことがあります。そのため、関わる側は感情的に反応するのではなく、事実を整理しながら冷静に対応することが大切です。

子どもが人のせいにする場合には、安心して失敗できる環境を整え、失敗そのものを責めない姿勢を示すことが、改善への第一歩になります。一人ひとりの特性を理解し、その子に合った関わり方や支え方を考えていくことが、健やかな成長につながっていくのです。

子どもの特性や関わり方について、専門的な視点からのサポートをお探しの方は、どうぞお気軽にご相談ください。

ステラ個別支援塾では無料体験実施中

ステラ個別支援塾では、随時無料体験を実施しています。
一人ひとりに合わせたオーダーメイドの授業で、子どもの成長と学習をサポートします。
お気軽にご相談ください。

幼児教室を詳しく見る

個別支援塾を詳しく見る

シェアする

フォローする

コラムトップへ
資料請求・見学 無料体験のお申し込み