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エリクソンの発達段階から見る子どもの成長と8つの特徴

2025.12.02
  • 支援方法・家庭での過ごし方

他の子どもと比べて「うちの子は大丈夫だろうか」と心配する保護者が少なくありません。しかし、子どもの成長は一人ひとり異なっており、同じ年齢でも発達のペースには差があります。
心理学者エリクソンが考えた発達段階は、乳児期から成人期までの成長を8つの段階の分け、それぞれの段階の特徴や課題を理解するヒントを与えてくれます。
この記事ではエリクソンの発達段階や子どもの成長を理解するヒントを紹介します。

エリクソンの発達段階とは?

エリクソンの発達段階は、子どもが成長する過程で経験する心理的課題を8段階に整理したものです。
それぞれの発達段階と各段階における「課題」「危機」「得られる力」を表にまとめると以下のようになります。

発達段階 年齢の目安 課題 危機 得られる力
乳児期 0~1歳半 信頼 不信 希望
幼児期前期 1歳半~3歳 自律性 恥と疑惑 意志
幼児期後期 3歳~6歳 積極性 罪悪感 目的
学童期 6歳~13歳 勤勉性 劣等感 有能感
青年期 13歳~22歳 自我同一性 役割の混乱 忠誠
成人期 22歳~40歳 親密性 孤立
壮年期 40歳~65歳 世代性 停滞 世話
老年期 65歳~ 統合性 絶望 英知

エリクソン理論の要点

エリクソンは、人生を乳児期から老年期まで8つの発達段階に分け、各段階には心理的な課題があり、それを上手く乗り越えることで自信や社会性などが育まれます。
子どもの発達を年齢や段階と照らし合わせることで、適切な関わり方やサポート方法が見つけやすくなります。
また、障害の有無に関係なく、この考え方は心理的な成長の目安として活用できる点も特徴のひとつです。
親が発達段階の課題を理解することで、焦ることなく安心して子どもを見守ることができます。

8つの発達段階における特徴

ここでは乳児期から老年期までの8つの発達段階を紹介します。それぞれの段階ごとの特徴や、親が意識するとよい関わり方もあわせて解説します。子どもはそれぞれ発達スピードが違うので、焦らずに見守ることが大切です。

乳児期(0~1歳半)

乳児期は、親や身近な人との関わりを通して安心感を覚える時期です。抱っこや授乳など日常の触れあいを通して信頼感が育まれます。信頼感が得られると、自己肯定感や他の人との関係に良い影響を与えます。逆に不安定な関わりが続くと警戒心が強くなることもあります。
この時期は、子どもが心から安心できるような関わりをたくさん経験させることが大切です。

幼児期前期(1歳半~3歳)

幼児期前期は、自我が芽生え自分でやりたいという気持ちが出てくる時期です。トイレトレーニングや着替えなど、少しずつ自分でできることを増やす経験が、自立心を育みます。
保護者は見守りながら成功体験を認め、失敗しても責めずに支えることが大切です。強く叱りつけたりすると恥や疑惑を抱きやすくなり、自信が育ちにくくなることもあります。この段階では「できたことを褒める」「見守る姿勢」が自己肯定感に大きく影響します。

幼児期後期(3歳~6歳)

幼児期後期は、遊びや学びの中で行動の選択や社会的ルールを学ぶ時期です。自分の意志で行動する機会を増やすことで自主性が育ちます。
一方、失敗を責められたりすると、罪悪感や自己否定感が生まれやすくなります。保護者は、子どもの行動を受け止めつつ、正しい方向に導くバランスを意識しましょう。この時期の経験は、将来の社会性や協調性の土台となります。

学童期(6歳~12歳)

学校や家庭で学ぶ能力や協調性を発展させる時期です。勉強やスポーツ、遊びの中での達成感や成功体験が自信や勤勉性を育てます。逆に、周囲との比較で失敗体験が続くと劣等感が生じることがあります。保護者は努力や挑戦を認め、励ましながら見守る姿勢が重要です。

青年期(12歳~18歳)

自分の個性や将来像を模索する時期です。「自分は何者で、将来どうなりたいのか」を考える中で、自己理解が深まります。この時期は、親の期待と自分の気持ちがぶつかることがあり、葛藤が生まれやすい時期です。保護者は、子どもの意見を尊重しつつ、挑戦できる環境を支えることが大切です。この時期にアイデンティティが確立されると、社会に出る準備が整いやすくなります。

成人期(18歳~40歳)

友情や恋愛、社会的なつながりを深める時期です。信頼できる人間関係を築く経験が、精神的安定や社会性の向上につながります。孤立感を感じる場合は、支える関係を持つことが課題となります。この時期の経験は、将来のパートナーシップ形成に影響します。
保護者は、子どもが安心して人間関係を築けるよう見守る姿勢が大切です。

壮年期(40歳~65歳)

家庭や仕事を通じて次世代や社会に貢献する意識が高まる時期です。育児や職場での役割を果たすことで、達成感や満足感を得られ、心理的充実につながります。逆に、社会貢献や役割が少ないと、停滞感や孤立感につながります。この段階で得られる経験は、人生の充実感や自己肯定感を育む重要な要素となります。
親としては、自分自身の生活や充実感も意識することが大切です。

老年期(65歳~)

老年期は、人生を振り返り意味や満足感を感じる時期です。過去の経験を肯定的に捉えることで、幸福感や統合感が得られます。逆に、未達成感や後悔が強いと、絶望感や孤独感を感じることもあります。家族や地域とのつながりを持つことで、心身の充実につながります。
この段階は、子どもの成長を振り返ることで安心感を得る時期でもあります。

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子どもの成長を理解するヒント

エリクソンの発達段階を知りことは、子どもを評価するためではありません。焦らず安心して日々の関わりやサポートのヒントとして活用することが大切です。ここでは家庭で意識したいポイントを紹介します。

ポイント1:焦らず見守る

発達には個人差があり、子どもの成長のペースを尊重し、年齢だけで判断することは避けましょう。焦らず、子どもが少しずつできるようになる過程を見守ることが大切です。焦って早く子どもが成長することを期待すると、子どもにとってはプレッシャーになってしまいます。
小さな変化や成功を認めることで、子どもの安心感と自信につながります。
見守る姿勢は、自己肯定感を育む土台となります。

ポイント2:小さな成功体験を積ませる

日常生活の中で、できたことを認めて褒めることが重要です。成功体験の積み重ねが自信や挑戦意欲を育みます。失敗しても責めず、挑戦する気持ちを尊重しましょう。
保護者の温かい声掛けや見守りが子どもの成長を後押しします。

ポイント3:安心できる環境を整える

愛情と安心感のある環境は、子どもの発達を支える基盤となります。生活リズムやルールが整っていると、子どもは安心してさまざまなことに挑戦できます。さらに、心理的安定や自己肯定感の向上につながり、挑戦や学びに意欲的になります。
保護者の小さな工夫で子どもが安心して成長できる環境を整えましょう。

エリクソンの発達段階と子どもの成長についてのまとめ

エリクソンの発達段階を知ることで、子どもの心理的成長を理解する目安が得られます。焦らず見守り、小さな成功体験を積ませ、安心できる環境を整えることが子どもの成長を支える第一歩です。
発達段階を理解することは、障害の有無に関わらず、子どもに寄り添い支える力を高める手助けになります。

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