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母子分離不安とは?不安に感じる原因と親ができることについて

2025.05.13
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「保育園の登園時に毎朝泣いてしまう」「離れるときに不安そうな顔をする」こうした子どもの姿に、心配になる保護者の方も多いのではないでしょうか。子どもが親と離れることに強い不安を感じる状態を「母子分離不安」と呼ぶことがあります。

この不安は、成長の過程で多くの子どもに見られるものですが、強く出たり長く続いたりする場合には、日常生活に影響を及ぼすこともあるため注意が必要です。

そこで本記事では、母子分離不安とはどのようなものか、その原因や背景をわかりやすく解説し、保護者ができる対応についても具体的にご紹介します。悩んでいる方はぜひ参考にしてください。

目次

  • 母子分離不安とは
  • 母子分離不安の子どもにできること
  • まとめ
  • 母子分離不安とは

    母子分離不安とは、子どもが母親(または養育者)と離れる際に強い不安や恐怖を感じて、泣いたり拒否したりする状態のことを主に指します。

    特に1歳〜3歳頃の子どもに多く見られる反応であり、発達の過程で起こることです。しかし、中には不安が強く表れたり、年齢が上がっても症状が続いたりするケースもあります。

    そこで本項では、母子分離不安の概要や原因、特徴などについて解説していきます。

    母子分離不安の概要

    母子分離不安は、子どもが母親や愛着のある養育者と離れる際に感じる強い不安や恐怖のことを指します。これは、子どもが安全や安心を感じる存在から離れることへの自然な反応であり、特に1歳から3歳の幼児期に多く見られます。

    ​この時期の子どもは、母親が視界から消えると、泣いたり、不安定な行動を示すのが一般的な傾向です。​これは、子どもが愛着を形成し、母親との絆を深めている証拠とも言えます。​通常子どもは、徐々に成長しながら他者との関わり方を学び、母親と離れても安心して過ごせるようになっていきます。​

    母子分離不安の原因

    母子分離不安の主な原因は、環境の変化やストレスです。​たとえば、保育園や幼稚園への入園、小学校への入学、引っ越し、家族構成の変化などが挙げられます。

    ​これらの変化は、子どもにとって大きなストレスとなり、不安を引き起こすことがあるのです。​また、親の過保護や過干渉も、子どもの自立心を阻害し、分離不安を強める要因となることがあります。​親自身が不安を抱えている場合も、その感情が子どもに伝わり、子どもの不安を増幅させることもあります。​

    母子分離不安の特徴

    母子分離不安の特徴として、以下のような行動が見られます。​

    母親から離れることを強く拒否する

    ​登園や登校を嫌がって、母親と離れる際に泣き叫んだり、強く拒否することがあります。​

    母親に過度に依存する

    ​常に母親のそばにいたがり、他の人と関わろうとしないことがあります。​

    身体的な症状を訴える

    ​お腹が痛い、頭が痛いなどの身体的な不調を訴えることがあります。​

    睡眠障害などの問題がある

    ​夜中に目を覚まし、母親を探す、寝つきが悪くなるなどの睡眠の問題が生じることがあります。​

    これらの行動は、子どもが母親と離れることに対する不安や恐怖を示しており、適切な対応が必要です。​

    母子分離不安の子どもにできること

    母子分離不安に悩む子どもに対して、「どう接したらいいのか分からない」と不安を抱える保護者の方も少なくありません。

    こういった場合は、無理に引き離すのではなく、子どもの気持ちに寄り添いながら、少しずつ安心感と自信を育てていくことが大切です。

    ここでは、保護者ができる具体的な関わり方についてご紹介していきます。

    子どもの不安に寄り添う

    子どもが母親と離れることに不安を感じるのは自然なことです。​まずは、その気持ちを受け止め、安心させることが大切です。

    たとえば、子どもが不安を表現した際には、優しく抱きしめたり、「あなたと離れるのは寂しいけれど、すぐに戻ってくるから大丈夫だよ」と声をかけるなど、共感の姿勢を示しましょう。​これにより、子どもは自分の感情が理解されていると感じ、安心感を得られます。​

    少しずつ時間を延ばしていく

    突然の長時間の分離は、子どもにとって大きなストレスとなります。​最初は短い時間から始め、徐々に離れる時間を延ばしていくことで、子どもは母親の不在に慣れていきます。​

    たとえば、最初は5分程度の分離から始め、子どもが慣れてきたら10分、15分と時間を延ばしていきましょう。​このように段階的に進めることで、子どもは安心しながら母親と離れる経験を積むことができます。​

    帰宅時間を伝えて安心させる

    子どもにとって、母親がいつ戻ってくるのか分からないことは大きな不安要素です。​具体的な帰宅時間や予定を伝えることで、子どもは安心感を持つことができます。

    ​たとえば、「お昼ご飯の後に戻ってくるよ」や「この絵本を読み終わったら帰ってくるね」といった、子どもが理解しやすい表現で伝えると効果的です。​また、約束を守ることで、子どもの信頼感も育まれるでしょう。​

    成功体験を褒めて自信を育む

    母子分離がうまくできた際には、子どもをしっかりと褒めてあげましょう。​

    「お留守番がんばったね」「一人で待っていてくれて助かったよ、ありがとう」といった具体的な言葉で称賛することで、子どもは自信を持つことができます。​このような成功体験の積み重ねが、子どもの自己肯定感を高め、将来的な分離不安の軽減につながるはずです。​

    これらのような対応策を実践することで、子どもの母子分離不安を和らげ、健やかな成長をサポートすることができます。​子どもの気持ちに寄り添いながら、少しずつ自立を促していきましょう。

    専門機関に相談する

    母子分離不安に悩む保護者の方は、専門機関への相談を検討することも重要です。以下に、主な相談先をご紹介します。​

    子ども家庭支援センター

    子ども家庭支援センターは、18歳未満の子どもとその家庭に関する相談を受け付けている施設です。​母子分離不安などの子育てに関する悩みに対して、他の関係機関と連携しながら対応します。​自治体によって名称が異なる場合がありますので、お住まいの地域のセンターを確認してみましょう。 ​

    児童相談所

    児童相談所は、18歳未満の子どもに関する悩みを受け付ける専門機関です。​母子分離不安などの問題に対して、児童福祉司や児童心理司、医師、保健師などの専門スタッフが相談に応じ、必要な支援や助言を提供しています。 ​

    保健センター

    市区町村ごとに設置されている保健センターでは、保健師が常駐し、子どもの発達に関する相談を受け付けています。​母子分離不安に関する悩みも相談可能で、必要に応じて医療機関や療育施設の紹介を行っています。 ​

    小児科・児童精神科

    母子分離不安が強く、日常生活に支障をきたしている場合は、医療機関への相談が有効です。​小児科では子どもの身体的・精神的発達を総合的に診察し、必要に応じて児童精神科を紹介することもあります。​児童精神科では、より専門的な心理的な対応が行われ、子どもの不安の根本原因を探るとともに、親へのカウンセリングも実施されます。 ​

    子育て支援センター

    子育て支援センターは、子育て家庭の支援に特化した施設で、保健師や看護師が相談に応じています。​一部のセンターでは、療育指導を実施している場合もありますので、お近くのセンターに問い合わせてみると良いでしょう。 ​

    これらの専門機関を活用することで、母子分離不安に対する適切な支援やアドバイスを受けることができます。​一人で悩まず、専門家の力を借りながら子どもの不安解消に努めましょう。

    まとめ

    母子分離不安とは、子どもが母親など愛着のある養育者と離れる際に強い不安を感じる状態のことを指し、特に1歳〜3歳頃に多く見られます。成長過程で起こる自然な反応のひとつですが、不安が強く出たり長く続いたりする場合は、日常生活に影響を及ぼすこともあるため、適切な対応が必要です。

    主な原因には、環境の変化やストレス、親の過干渉などが関係しており、特徴としては母親から離れることへの拒否、過度な依存、身体的な不調、睡眠障害などが見られます。

    対応としては、子どもの不安に寄り添い、少しずつ離れる時間を延ばし、帰宅時間を伝えて安心させることが大切です。成功体験を褒めて自信を育むことも効果的です。また、状況に応じて「子ども家庭支援センター」や「児童相談所」などの専門機関に相談することも有効です。

    一人で悩まず、専門機関とも連携しながら子どもの安心と自立を支えていきましょう。

    参考元
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