「ADHD(注意欠如多動症)は子どもだけのもの」と思っていませんか?
実は、ADHDは大人になっても続く発達特性であり、特に女性には見落とされやすい傾向があると言われています。仕事・恋愛・バイト・友人関係など、さまざまな場面で「共感できる」あるあるがたくさん。
この記事では、大人のADHDあるあるにはどのようなものがあるか、日常のエピソードを交えながら具体的に紹介し、ADHDの特性や対処法、弱みを強みに変えるヒントを示唆します。
ADHDとは?大人になってから気づく人も多い

ADHDとは、Attention-Deficit Hyperactivity Disorderの略で、「注意欠如多動症」という発達障害のひとつです。この発達障害には、次のような特性が見られます。
- 不注意(集中しにくい、忘れっぽい)
- 多動性(じっとしていられない)
- 衝動性(思いつきで行動してしまう)
子どもの頃にADHDの診断を受ける人もいれば、大人になってから「もしかして私もADHD?」と気づくケースも少なくありません。特に女性は「外に表れにくいタイプのADHD」を持つ人が多く、静かで真面目な印象の裏で、自分自身の生きづらさに気づかず長年頑張って生きてきた…という人も多いのです。
女性に多い大人のADHDあるあるとは?
外に表れにくいタイプのADHDが女性に多いという話をしましたが、具体的にどんなものなのか、詳しく見ていきましょう。
用事を入れすぎてスケジュール管理がうまくいかない
ADHDの人は思いつきで行動しがちなので、用事を次々に入れてしまう傾向があります。
また、用事をスケジュール帳やスマホのカレンダーに記入しないことが多いので、結果として、スケジュールがうまくこなせません。
スケジュール帳を買っても、1週間もたたないうちに白紙が続き、スマホのカレンダーとメモなどが混在して、わけがわからなくなるというのは、ADHDの女性あるあるの一つです。
きちんとスケジュールを管理したい気持ちはあるのに、スケジュールの管理ツールがバラバラになりやすいのは、集中力の持続が難しい特性が関係しています。
片づけてもすぐに元に戻る
頑張って部屋をきれいに片づけたのに、数日後にはまた部屋が散らかっている。
「私ってだらしないのかな…」と落ち込む人もいますが、これはADHDの特性として「整理整頓の維持」が苦手なために起こります。テレビなどでも「片づけられない人」のお部屋が紹介されることがありますが、ADHDのために部屋が片づけられないのかもしれません。
フォルダーやボックスにラベルをつけたり、片づけの動線を短くしたりすることで少し楽になることもありますが、完璧にしようとすると逆に疲れてしまうこともあります。
思いがけない忘れ物や失くし物がある
スマホ、財布、定期券、家の鍵などなど大切な物が、「なぜそんなところに!?」という場所から発掘されることもよくあります。
たとえば冷蔵庫の中から財布が出てきたり、洗濯機の中に定期券を見つけたり。自分でも笑ってしまうくらいの「珍事件」が日常茶飯事のように起こります。
通常では考えられない忘れ物や失くし物があるというのも、ADHDの特性のひとつです。
ADHDの彼女にありがちなこと

ADHDの特性は、恋愛関係にも少しユニークに影響します。どういった影響があるのか、具体的な事例を挙げて紹介します。
待ち合わせの時間を勘違い
「待ち合わせの時間、15時って言ったよね?」
「えっ…13時じゃなかった…?」
聞き間違いやスケジュール管理のミスで、待ち合わせトラブルが起きる「時間間違いのあるある」。本人は悪気がないのに、ちょっとした勘違いが多いのです。
話が脱線して止まらない
「ねえ、今日のランチね…。あ、そういえば昨日スーパーでね…」と話がどんどん別方向へコロコロ変わり、話が脱線します。。
相手が「え、最初の話はどこいった?」となるのもよくある話です。これは自分の興味のあることに強く反応するADHD特有の「連想ジャンプ」が関係しています。
ユニークな発想で人を驚かせることも
一方、直感力と瞬発力が高い彼女の場合、突然のサプライズやユニークな提案で相手を楽しませるのも得意なパターンもあります。計画を立てて行動するのが苦手でも、「今この瞬間」を楽しむセンスが光るのです。
バイトや仕事でちょっと困るけど共感できるあるある

次に、バイトや仕事での「ADHDあるある」にはどんなものがあるか、詳しく見ていきましょう。
同時進行の作業で混乱する
「レジと在庫補充とお客様対応を同時にお願いします!」
こう言われると、頭の中がパニック状態になることもあります。複数タスクの切り替えが苦手なため、集中力が分散しやすいのです。
ミスは多いけど悪意はゼロ
伝票の記入忘れ、釣り銭の渡し間違い、発注のし忘れなど、細かいミスが目立つことがあります。
ただし、どれも「怠けているから」ではなく、「頭の中で情報が一瞬ですり抜ける」ような感覚が原因。ミスを防ぐための仕組みづくりがポイントです。
ユーモアで乗り切る人も多い
失敗を自分でも笑い飛ばす明るさを持つ人も多く、バイト先のムードメーカーになることもあります。
「またやっちゃった〜!」と周囲を和ませる力も、実は大人のADHD女性の強みの一つです。
ADHDには強みもある
ADHDという特性は「欠点」だけではなく、以下のような強みもあります。
- 興味のあることへの集中力がすごい(ハイパーフォーカス)
- ユーモアやアイデアが豊富
- 瞬発力がある
- 人と違う視点を持てる
「普通」に合わせようとすると苦しいですが、自分の得意な環境を見つけると才能を大きく発揮する人も少なくありません。
ADHDあるあるは面白いだけじゃない
一見ユニークな人と思えるようなADHDあるあるも、本人にとっては深刻な悩みに発展することがあります。
- 忘れ物や遅刻が続いて自信をなくす
- 人間関係がギクシャクする
- 職場で「ちゃんとできない人」と思われる
こうしたことが積み重なると、自己肯定感が下がってしまうことも珍しくありません。
発達障害の症状
ADHDは、冒頭でも解説した通り「注意欠如多動症」という発達障害のひとつですが、大人のADHDでは、多動性は目立たなくなり、「不注意」の部分が目立つようになる傾向があります。
これはなぜかというと、ADHDを持つ人が、成長するにつれて多動性は好ましくない行為だと学習し、自制するようになっているからだと考えられています。先ほど紹介したADHDのエピソードも、不注意によるものが多かったですね。
大人のADHDへの対処法

ADHDの人が、自分でできる対処法にはどういったものがあるのでしょうか。具体的な対処法をいくつか紹介します。
自分の特性をよく知る
自分でできる対処法としては、まず自分の特性をよく知ることが挙げられます。
自分は何が苦手なのか、周りの人からよく注意されることは何か、自分が好きなこと、特異なことは何かなど、自分をよく知ることから始めましょう。
先ほどエピソードで紹介した「片づけられない」「同時進行の作業で混乱する」など苦手なことや、周りからよく注意することを認識することから始めます。
対策を講じる
自分の特性をよく理解したら、それに対する具体的な対策を講じましょう。
例えば、自分が「片づけられない」と知ったら、物の置き場所を細かく決めて、使ったら必ずそこに戻したり、フォルダーやボックスにラベルを貼ったりします。
「同時進行の作業で混乱する」と認識したら、作業に優先順位をつけて、順位が高い作業からこなしていくようにします。
「ケアレスミスが多い」と認識したら、作業の後、意識してダブルチェック、トリプルチェックをするように心がけます。
周りの環境を整える
自分の周りの環境を意識して整えることも、ADHDの人には効果がありますが、環境をどう整えていいか分からない場合には、専門家(医師や臨床心理士)に相談してみましょう。
共感し合える仲間がいることが大切

ADHDの人は、自分を責めやすい傾向があります。ですが、同じ特性を持つ仲間と話すと「私だけじゃなかったんだ」と安心できることが多いのです。
SNSやコミュニティで「ADHDあるある」を共有したり、「彼女がADHDかも」というパートナーが特性を理解することで、関係性も良い方向へ変わることがあります。
専門機関に相談する
ADHDの特性に関して思い当たる節があると思ったら、ひとりで思い悩まずに、地域の保健センターや発達障害支援センターなど専門機関に相談することをおすすめします。
子どものADHDにできる対応

ADHDは大人になってから気づく人もいますが、子どものころにADHDの兆候が表れたらできる対応について、いくつか紹介します。
良いところは褒める
ADHDの人には先ほど紹介したような強みや良いところがあります。集中できないことや落ち着きがないところなどが目立ちがちですが、できているときや良い行動をしたときによく褒めて、自己肯定感を高めることが大切です。
頭ごなしに「できない」部分について強く叱ったりすると、ADHDの子どもは自分を強く責めてしまいがちなので、自己肯定感の低い人になってしまう傾向があります。叱ることよりも褒めることを重視していくとよいでしょう。
注意するときには具体的に伝える
ADHDの子どもが危険なときや周りに迷惑をかけるときには、注意をすることも必要です。
しかし、注意する際に「〇〇したらダメ」と頭ごなしに叱るのではなく、どのようにするとよいのか、具体的にわかりやすく伝えるようにしてあげましょう。また、子どもの成長に合わせて、「どうするといいのかな?」と自分で気づくことができるように考える機会を作ること、専門機関でソーシャルスキルトレーニングを受けることも有効な方法です。
子どものADHDへの対応やその改善法まで考え、ご家庭で実践するというのはなかなか難しいものです。そういった場合は、専門機関にご相談してはいかがでしょうか。
ステラ個別支援塾では、ADHDの子どもについてご相談に対応しています。特性に合わせてソーシャルスキルを学べる「ソーシャルスキルアップコース」もございます。
子どものADHDについて悩みを抱えておられたら、ぜひステラ個別支援塾にご相談ください。
ADHDあるあるのまとめ
最後に「ADHDあるある」についてまとめておきましょう。
ADHDのある大人(特に女性)は、スケジュール管理・片づけ・バイト・恋愛などでちょっとユニークなあるあるを経験しやすいです。
それらは「怠けている」からではなく、脳の特性によるものが多いです。
ADHDの症状を持つ人は、弱点もあるけれど、強みもたくさんあります。共感し合える仲間、理解あるパートナー、環境の工夫で生きやすくなります。
「私、ちょっと変かも…?」と感じている方や家族にそのような症状が出ている方は、専門機関にご相談されてみてはいかがでしょうか。
ステラ個別支援塾では、ADHDの子どもについてご相談に対応しています。特性に合わせてソーシャルスキルを学べる「ソーシャルスキルアップコース」もございます。
子どものADHDについて悩みを抱えておられたら、ぜひステラ個別支援塾にご相談ください。











