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3歳の夜泣きと発達障害の関係は?急に泣き叫ぶ原因と対処法

2026.01.15
  • 発達障害
  • ASD(自閉症スペクトラム)
  • ADHD(注意欠如多動性障害)
  • 支援方法・家庭での過ごし方

3歳の夜泣きに悩み疲れている方へ

「やっと赤ちゃん返りが落ち着いたと思ったのに、また夜中に泣き叫ぶようになった」 「毎晩、足をバタバタさせて暴れる姿を見るのがつらい」

3歳をすぎたあとの夜泣きは、身体も大きくなっている分、保護者の方にかかる負担は非常に大きいものです。周囲からは「もうすぐ落ち着くよ」と言われても、暗闇の中で激しく泣き叫ぶわが子を前にすると、出口のないトンネルの中にいるような孤独感を感じてしまうときもあるでしょう。

このような深刻な悩みは、パートナーとの情緒的な交流が持てないことによる孤独感や、誰にもつらさを分かってもらえず、精神的な疲弊にもつながりかねません。

夜泣きを繰り返す子どもを前に「私の愛情が足りないせいだろうか」と自分を責める必要はありません。夜泣きの原因は、単なるわがままや育て方の問題ではなく、そこには3歳という時期特有の脳の発達や、一生懸命に外の世界に適応しようとしている子どもの心の葛藤が隠れています。

この記事では、夜泣きの正体を正しく理解し、保護者の方が少しでも心穏やかに夜を過ごせるようなヒントを詳しくお届けします。

3歳の夜泣きで急に泣き叫ぶ足をバタバタする症状

3歳の子どもの夜泣きは、乳児期の生理的な不快感によるものとは、その現れ方も背景も大きく異なります。

3歳になって急に夜泣きが始まることは珍しくない

これまで朝までぐっすり眠っていた子どもが、3歳を境に突然夜中に起き出すことは、決して珍しいことではありません。これは脳の機能がより複雑に発達し、日中の経験や感情を寝ている間に整理する力が強まってきた証拠でもあります。

赤ちゃんのころとは異なり、3歳児は自己と他者の区別がはっきりし、特定の養育者への愛着が一層強まる時期です。そのため、眠りの中でふと不安を感じたときに、その感情を抑制できずに激しい泣きとなって現れることがあります。また、言葉での表現が豊かになる一方で、まだ自分の複雑な感情をすべて説明できるわけではないため、眠りの中での混乱が泣き叫ぶという行動に直結しやすいのです。

足をバタバタさせて泣き叫ぶ激しいパニック状態

3歳の夜泣きで多くの保護者を驚かせるのが、全身を使った激しいパニック状態です。ただ泣くだけでなく、布団を蹴り飛ばしたり、足をバタバタと床に叩きつけたりして暴れることがあります。

このような行動の背景には、自分をコントロールする力である実行機能が未発達であることや、脳内での感覚情報がうまく整理されていない感覚統合の問題が潜んでいる場合もあります。脳からの「動け」という指令が、整理されないまま身体へ一気に流れ込んでしまうオーバーフロー状態と言えます。特に不注意や多動性が目立つ注意欠如多動症の傾向がある子どもは、感情のコントロールが苦手で、衝動的に大声を出したり暴れたりしやすい特性が見られます。

ママを呼ぶけれど目が覚めていない不思議な様子

「ママ、ママ!」と必死にママを呼ぶのに駆けつけると、こちらの問いかけには一切応じず、焦点が合っていないような不思議な様子が見られることがあります。これは、意識はまだ眠りの中にありながら、脳の一部だけが興奮している状態です。

本人は「怖い」「助けて」という感情を司る脳の扁桃体などの部位に支配されていますが、論理的に状況を判断する前頭前野はまだ眠っています。そのため、大好きなママを呼ぶけれど、目の前にいるのがママであることすら認識できていない場合があるのです。翌朝になると、本人は泣いたことすら覚えていないことが多いため、余計に保護者だけが取り残されたような疲労感を感じることになります。

原因は脳の成長やストレス

3歳という年齢は、心身ともに劇的な変化を遂げる過渡期であり、心と身体のバランスが最も崩れやすい時期のひとつです。

想像力や記憶力の発達が原因となる怖い夢

3歳ごろになると記憶力が向上し、自分自身を客観的に認識するメタ認知能力の芽生えとともに、想像力も豊かになります。このメタ認知能力の未熟さが、逆に不安を増大させることもあります。

●昼間に見たテレビの衝撃的なシーンや、絵本の中の怪物、あるいは保護者の「お化けが出るよ」といった何気ない言葉が、眠っている間にリアルな映像として再生されます。

●子どもは現実と夢の区別がまだ曖昧なため、夢の中の恐怖を現実の脅威として捉え、パニックを起こしてしまいます。

●想像力が広がることで「暗闇に何かがいるかもしれない」という抽象的な恐怖を感じるようになります。

保育園や生活環境の変化によるストレスの影響

保育園での集団生活や、新しい人間関係、あるいは小1プロブレムの前段階ともいえる、自由な遊びから規律への移行に伴うストレスも大きな要因となります。

●頑張りすぎの反動
外で「良い子」として気を張り詰め、先生の言うことをよく聞いている子どもほど、安心できる家で寝ている間に、溜め込んだ感情が溢れ出してしまうことがあります。

●ソーシャルスキル関係
友達との関わりの中で「貸して」「いいよ」といったソーシャルスキルを学んでいる最中の子どもにとって、日中の対人葛藤は非常に大きなエネルギーを消費します。その疲れが夜間の情緒不安定を招くことがあります。

●環境の変化
下の子の誕生や引越しなど、自分の立ち位置が脅かされるような変化も、強い不安として心に蓄積されます。

睡眠リズムの乱れとレム睡眠ノンレム睡眠の関係

人間の睡眠は、浅い眠りのレム睡眠と、深い眠りのノンレム睡眠を繰り返していますが、3歳児の脳はまだこの切り替えをスムーズに行う機能が未熟です。

●ノンレム睡眠からレム睡眠へ移る際、脳の一部が急激に覚醒しようとして誤作動を起こすことがあります。

●深い眠りのときは脳は休息していますが、身体を動かす機能は一部生きています。このとき、脳が中途半端に興奮すると、意識がないまま身体だけが激しく動く現象が起きます。

●3歳ごろの子どもは日中の刺激を処理するために脳がフル稼働しているため、夜間の情報整理が追いつかず、睡眠のリズムが乱れやすい傾向があります。

3歳の夜泣きと発達障害の関連性について

夜泣きが激しいと、保護者の頭をよぎるのは「発達障害があるのではないか」という不安です。

夜泣きが激しいと発達障害の可能性があるのか

夜泣きの激しさだけで発達障害と診断されることはありません。しかし、発達障害やその傾向であるグレーゾーンを持つ子どもは、脳の特性により、定型発達の子どもよりも夜泣きや睡眠の課題を抱えやすい傾向があります。これは脳の覚醒状態を調整する脳内物質のバランスが、生まれつき異なっている可能性があるといわれているためです。

ASDやADHDに見られる睡眠の特徴

ASD(自閉スペクトラム症)やADHD(注意欠如多動症)の子どもは、感覚の偏りや覚醒のコントロールに課題があることが多いです。

●感覚過敏の影響
聴覚・触覚の過敏さがあると、寝具のわずかな感触や外の物音が不快な刺激となり、脳が常に警戒モードになってしまいます。

●固有受容覚の課題
自分の身体の位置を把握する感覚が未発達だと、寝ている間に自分の身体がどこにあるかわからなくなるような不安を感じ、激しく動くことがあります。

●原始反射の残存
モロー反射などの原始反射が残っていると、寝ている間のわずかな物音や姿勢の変化に身体が過剰に反応し「ビクッ」としてパニックを引き起こすことがあります。

●多動性と興奮
注意欠如多動症の特性がある場合、脳が常にフル回転しているような状態にあり、心身をリラックスモードに切り替えるのが苦手です。

発達障害かどうかの判断は夜泣きだけではできない

発達障害かどうかを判断するには、夜泣きだけでなく、日中の様子を総合的に観察する必要があります。

●視線が合いにくい、場の空気が読めないといった社会性の困難。

●特定の物事への驚異的なこだわりや、ルーティンの崩れに対する激しい癇癪。

●言葉の遅れや、独特の言い回し、コミュニケーションのすれ違い。

●極端な不器用さや運動のぎこちなさ(発達性協調運動障害)。

もし、夜泣き以外にもこれらのサインが複数見られ、日常生活に強い生きづらさを感じている場合は、専門機関への相談がひとつの選択肢となります。受給者証を取得して適切な療育を受けることで、夜泣きの原因となっている日中のストレスを軽減できるケースもたくさんあります。

夜泣きではなく夜驚症という睡眠障害の可能性

3歳児の激しい泣き叫びの正体は、一般的な夜泣きではなく夜驚症かもしれません。

夜驚症と夜泣きの違いとそれぞれの特徴

夜泣きは夢を見ている浅い眠りのときに起こりやすく、声をかけると反応したり、しばらくすると目が覚めたりします。一方、夜驚症は、深い眠りの最中に突然脳の一部だけが覚醒し、パニック状態に陥る現象です。

●夜泣き
怖い夢を見たことによる不安。抱っこやトントンで落ち着くことがある。

●夜驚症
脳の睡眠メカニズムの一時的な混乱。外部からの刺激をほとんど受け付けない。

急に叫び声をあげて暴れる夜驚症の症状

夜驚症は、寝入ってから2時間から3時間後の、睡眠が最も深くなる時間帯によく起こります。

●突然の絶叫と硬直
突然起き上がり、火がついたように絶叫します。目は開いていても周りの状況は見えておらず、保護者が抱きしめても認識できません。

●自律神経の興奮
激しい動悸や発汗、呼吸の乱れ、そして足をバタバタさせるなどの激しい動きが見られます。

●記憶の欠如
数分から十数分で再び深い眠りに落ち、翌朝はその出来事をまったく覚えていません。

夜驚症は脳の成長とともに自然になくなることが多い

夜驚症は病気ではなく、脳の神経系の機能が発達途上にあるために起こるもので、本人の努力不足や親の愛情不足が原因ではありません。脳の発達が安定し、睡眠のリズムが整ってくる小学校低学年ごろまでには、多くのケースで自然に解消されます。基本的には特別な治療を必要としませんが、怪我の危険がある場合や、家族の生活が著しく妨げられる場合は、専門医に相談してください。

3歳の夜泣きで子どもが泣き叫ぶときの対処法

激しく泣き叫ぶ子どもを前にしたとき、保護者が冷静でいることは簡単ではありません。しかし、適切な対応を知っておくだけで、心の負担は軽くなります。

足をバタバタさせて暴れるときの安全確保

パニック状態で暴れている子どもを無理に押さえつけようとすると、かえって興奮を強めてしまうことがあります。

●環境調整
周囲に角のある家具や壊れやすい物がないか確認し、怪我をしないようクッションなどでガードします。

●広いスペースの確保
寝室をシンプルにし、感覚的な刺激を減らすことも大切です。

●見守り
危険がなければ、少し離れたところで静かに見守り、嵐が過ぎ去るのを待つことも必要です。

ママを呼ぶときは背中をトントンして安心させる

意識が完全に戻っていなくても、大好きな保護者の気配や温もりは安心感を与えます。

●肯定的な接触
背中をやさしくさすったり、心地よい圧をかける圧迫遊びの要領でトントンしたりして、身体の緊張を和らげます。

●感覚統合の視点
ブランケットでくるむなど、深い圧を加えることで落ち着く子どももいます。

●刺激を最小限に
部屋の電気をつけたり、大きな声で呼びかけたりすると、感覚過敏を刺激してパニックが悪化することがあります。薄暗い中で、落ち着いた低い声で「ここにいるよ、大丈夫だよ」と語りかけてください。

無理に起こさず見守るが必要なケース

特に夜驚症の状態にあるときは、無理に目を覚まさせようとするのは逆効果です。脳が深い眠りから中途半端に引き戻されることで、恐怖感が強まり、パニックが長引く原因になります。

●時間計測
何分くらいで落ち着くかを把握しておくと、親の精神的な余裕につながります。

●翌朝の配慮
本人は覚えていないため、朝起きたときに「昨日は大変だったね」などと叱ったり問い詰めたりせず、いつも通り接してあげてください。本人が再び深い眠りに落ちるまで、安全を確保しながら静かに付き添ってあげてください。

3歳の夜泣きについてのまとめ

3歳の夜泣きは、注意欠如多動症や自閉スペクトラム症といった発達の特性が関係していることもありますが、多くは脳が劇的に成長し、外の世界で一生懸命に頑張っている心のサインです。

大切なのは、診断名をつけることそのものではなく、なぜ子どもが泣いているのかという背景に目を向け、その子の困り感に寄り添うことです。

夜泣きによる睡眠不足や不安は、親子の関係性にも影を落とします。

ステラ幼児教室では、子どもの認知特性に合わせた個別支援だけでなく、保護者の方の伴走者として、日常生活での子育てに対するアドバイスも行っています。

子どもの発達や行動面などで悩んだときは、ステラ幼児教室へご相談ください。

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