2歳の子どもの夜泣きが続くと「なにが原因なの?」「障害があるのでは?」と不安に感じている保護者の方も多いのではないでしょうか。
2歳になっても夜泣きする子どもは珍しくないため、夜泣きをしたからというだけで障害や自分の子育てに心配する必要はありません。
この記事では、2歳の夜泣きの原因や夜驚症との違い、発達障害との関係性、対処法を紹介します。
2歳頃にみられる夜泣きとは?
赤ちゃんの夜泣きは、生後3ヶ月頃から始まり1歳半頃には落ち着くと一般的にはいわれていますが、2歳になっても夜泣きをする子どもは少なくありません。また、一度夜泣きが治まっても2歳過ぎにもう一度夜泣きする子どももいます。
2歳になると走ったり階段を上れるようになったりするため、行動範囲が広がります。さらに自我が本格的に芽生え「イヤイヤ期」に入り、自己主張が強くなる時期です。そのため、1歳半の頃までとは違うことが夜泣きの原因となっている可能性もあります。
2歳の夜泣きは成長過程で自然とみられることもあるため、それほど心配する必要はありません。ただし、夜泣きが長期間続いたり、毎回長い時間続いたりするような場合は、専門機関に相談すると安心です。
2歳児が夜泣きをする原因とは?
2歳の夜泣きを引き起こしていると考えられている原因をいくつか紹介します。夜泣きの中には、複数の原因が関係していることもあるといわれています。
睡眠サイクルの乱れ
2歳になると大人の睡眠サイクル近づきますが、まだ不安定です。そのため、レム睡眠(浅い眠り)とノンレム睡眠(深い眠り)のサイクルが乱れ、夜中に目を覚まし泣き出すことが増えます。
ストレス
2歳児は、まだ正確に意思を他の人に伝えることが難しい時期です。そのため、自分のやりたいことや不快感、不安を周囲に十分に伝えられなかったりすると、ストレスとなってしまいます。そのストレスが、夜泣きとしてあらわれることも少なくありません。
日中の運動不足
日中にあまり体を動かさないと体力が余っており、夜になっても寝つきが悪く、眠りも浅くなり夜泣きにつながることがあります。2歳になると行動範囲が広くなり以前に比べると体力がついているので、安定した睡眠には適度な運動が必要です。
環境変化
引っ越しや保育園の入園、新しい兄弟ができたなど環境の変化で情緒が不安定になり、夜泣きすることがあります。例えば、引っ越しでベッドの位置が変わると、不安や緊張から眠りが浅くなり、夜泣きにつながることがあります。また、保育園で他の子どもと関わることで刺激を受け、脳の処理が活発になることで夜に目が覚めやすくなることも少なくありません。
体調不良
体調不良が夜泣きの原因になっていることもあります。熱や咳、頭痛でも子どもにとっては大きな不快感になります。さらに体調不良を言葉で上手く伝えられないもどかしさから、夜泣きをしてしまうこともあるのです。深刻な病気による体調不良が原因となっていることもあるため、保護者は子どもの体調を注意深く観察することが大切です。
夜泣きと夜驚症の違いや発達障害との関係性
夜泣きと似た症状に夜驚症があります。また、夜泣きが続くと「発達障害なのでは?」と不安になる保護者は少なくありません。ここでは、夜驚症との違いや発達障害との関係について解説します。
夜驚症との違い
夜驚症は、ノンレム睡眠時(深い眠り)に突然目を覚まして、非常に興奮した状態で泣き叫ぶことが特徴の睡眠障害です。ママやパパが声をかけたり、なだめたりしても反応しないことが多くみられます。子どもは泣きながら走り回ったとしても、大部分のケースでは翌朝そのことを覚えていません。
通常の夜泣きは比較的浅い眠りのときに起こり、声をかけたりなだめたりすると落ち着く点が夜驚症とは異なります。
発達障害との関係性
発達障害(ADHDやASDなど)のある子どもは、睡眠障害を併発しやすいということが知られています。しかし、夜泣きそのものが発達障害のサインとは考えられているわけではありません。そのため、夜泣きをしたからといって発達障害を心配する必要はないでしょう。
2歳の夜泣きに対する7つの対処法
夜泣きは成長過程でよくあらわれる現象ですが、育児だけでも負担が大きいのに、夜泣きが始まるとさらに負担が大きくなってしまいます。保護者の負担を軽減するために、すぐにできる対策を知っておきましょう。
朝は早めに起こし生活リズムを整える
生活リズムを整えると、寝つきがよくなり睡眠リズムが安定しやすくなります。生活リズムを整えるために、朝は早めに起こしてカーテンを開け朝日を浴びるようにしましょう。
昼寝の長さを調整する
昼寝は子どもの成長に必要ですが、長すぎると夜の寝つきが悪くなる原因になります。さらに、15時以降の昼寝も夜の睡眠に影響を及ぼす可能性があります。そのため、昼寝は2時間以内に調整し、15時前には起こすようにしましょう。
心身を疲労させ過ぎない
子どもは体力が余っていても疲れ過ぎても寝つきが悪くなり、夜泣きにつながることがあります。日中、疲れ具合を確認しながら適度に運動させることが大切です。
夕食後は静かに過ごす
夕食後、興奮するような激しい遊びをすると、寝る時間になっても気持ちが落ち着かず、寝つきが悪くなります。夕食後は、絵本を読む、音楽を聞くなどリラックスして過ごすことが大切です。
就寝前はスマホやタブレットの使用を控える
スマホやタブレットのブルーライトは、脳を覚醒させ眠りを妨げます。そのため、寝る直前までスマホやタブレットの画面を見ていると、寝つきが悪くなり夜泣きにつながる可能性が高くなります。就寝2時間前には、子どもにスマホやタブレットの使用を控えさせましょう。
睡眠環境を整える
明るすぎたり暑すぎたりすると、夜中に目を覚ます原因となり夜泣きにつながる可能性があります。そのため、明るさや温度、湿度、音、寝具などを調整し、睡眠環境を整えることが大切です。
就寝ルーティーンを確立する
毎日決まったルーティーンをすることで、子どもが安心して眠りにつくことができ、夜泣きの軽減につながります。入浴後に歯磨きをし、絵本を読み聞かせて布団に入るといったルーティーンを繰り返すと、自然に眠りやすい状態になります。
2歳児の夜泣きについて対処法まとめ
2歳児の夜泣きは、成長とともに多くの子どもにみられる自然なものです。生活リズムを整えたり、睡眠環境を工夫したりすることで和らぐこともあります。
ただし、夜泣きが10分以上続く、1週間以上長引く、毎晩数回繰り返されるような場合には、医師などの専門家への相談を検討しましょう。
保護者の負担が大きくなりすぎないように無理のない範囲で対応しながら、子どもの成長を優しく見守ることが大切です。