2歳になっても言葉が出ないと、このままで大丈夫なのかと心配になりますよね。発達には個人差があり、まずは子どものペースを丁寧に見守ることが大切です。ただ、日々のかかわり方によって言葉の芽が育ちやすくなるのも事実です。
この記事では、2歳児における言葉の発達の目安や、発語がない場合に考えられる原因、そして知的障害や発達障害との関係性について解説します。また、専門機関に相談すべきタイミングや、家庭でできる働きかけ、さらに療育を検討する際のポイントもわかりやすくお伝えします。
2歳なのに発語なし?そんなときに考えること

子どもが2歳を迎える頃、「まだ言葉が出てこない」と感じ、不安を抱える方は決して少なくありません。周りの同じ月齢の子どもたちが「ママ、だっこ」などと二語文を話し始める姿を目にすると、どうしても心がざわついてしまうものです。
けれど、言葉の発達には思っている以上に個人差があります。2歳の時点で発語が見られないからといって、それがすぐに発達上の大きな問題を意味するとは限りません。大切なのは、目の前の子どもの様子を丁寧に見つめ、どのような反応や行動があるのかを多角的に捉えていくことです。
周囲の子と比べてしまうのは当たり前
公園や子育て支援センターで、同じくらいの年齢の子どもたちが楽しそうに話しているのを見ると、つい自分の子と比べてしまうことがあります。「あの子はもうママ〇〇してって言えるんだな」と感じて、少し不安になることもあるでしょう。
でも、そんなふうに思うのはごく自然なことです。我が子を大事に思うからこそ、つい気になってしまいます。ただ、その気持ちが大きくなりすぎると、知らないうちに緊張が子どもに伝わってしまうこともあります。
まわりの子の様子から学ぶこともありますが、それ以上に大切なのは、自分の子のペースを信じて待つことです。子どもはそれぞれ違ったリズムで育っていくので、焦らずに見守る姿勢が子どもにとって安心につながります。
発語の遅れは成長の個性なのか
子どもの言葉の発達には、驚くほど大きな個人差があります。早い時期から話し始める子もいれば、2〜3歳を過ぎてようやく単語が出てくるようになる子もいます。中には、4歳や5歳くらいまでカタコトのまま過ごしながらも、ある時期を境に一気に話せるようになるケースもあります。
このように、話し始めが遅い子の中には「レイトトーカー」と呼ばれるタイプがいます。これは発達のひとつのかたちであり、障害ではなく、あくまで個人差の範囲におさまるものです。
特に、慎重な性格の子どもに多く見られるのが、頭の中でたくさん言葉をため込んでおいて、自信がついたタイミングで一気に話し始めるパターンです。その際に「言葉の爆発」と呼ばれるような急激な発話の伸びが起こり、周りの大人を驚かせることもあります。
とはいえ、「きっと個人差だから大丈夫」と安心するだけでなく、今の段階で何か支援が必要かどうかを見きわめることも大切です。子どもが言葉を理解しているかどうかを観察することが、判断の手がかりになります。後ほどご紹介するチェックポイントを参考にしながら、今の子どもの様子を丁寧に見つめてみてください。
言葉の発達における2歳児相当の目安

子どもの発語について不安を感じたときは、まず一般的な発達の目安を知っておくと安心につながります。ただし、これらの目安はあくまで参考程度のものです。基準から外れているからといって、すぐに問題があると判断する必要はありません。
2歳児の平均的な発語とその割合
2歳の誕生日を迎える頃には、およそ300語ほど話せる子もいると言われていますが、実際には50〜100語ほどの語彙を持っているのが一般的です。中には、まだ50語ほどしか話さない子もいれば、200語以上話す子もいて、語彙数にはかなり幅があります。
この時期に特に大切なのは、「ママ、バイバイ」や「パパ、いない」など、二語を組み合わせた文が少しずつ出てくるようになることです。単語をつなげて意味のある文が作れるようになると、伝えられることがぐっと増えて、コミュニケーションが一気に広がっていきます。
一般的には、語彙が50〜100語ほどに増えてくると、自然に二語文が出始めることが多いとされています。つまり、二語文を話せるようになるためには、まずは言葉のストックを少しずつ増やしていくことが大切です。
理解はしているかを見極めるポイント
まだ発語が見られない場合でも、子どもが「理解はしているのかどうか」はとても大切なポイントになります。言葉の数よりも、大人の言っていることをどれくらい分かっているかを見ていくことが大切です。
たとえば、次のような反応があるかどうかを観察してみてください。
・「〇〇持ってきて」と声をかけると、正しいものを持ってくる
・「お風呂に行こう」と言うと、浴室の方へ歩き出す
・「ダメ」と言ったときに、手を止めたり表情が変わったりする
・絵本を見せながら「ワンワンどれ?」と聞くと、正しく指差しができる
2歳前後の子どもには、言葉を話すのはゆっくりでも、言葉の意味をきちんと理解はしている子が少なくありません。たとえば、自分からは言葉を発さなくても、大人の指示にしっかり反応できているようであれば、言葉を出す準備が少しずつ整ってきている可能性があります。
発語がなくても伝えようとする力に注目

たとえまだ言葉が出ていなくても、子どもは自分なりのやり方で「伝えたい」という気持ちを表していることがあります。その気持ちが積み重なっていくことが、やがて言葉を出すことにつながる大切なステップです。
表情や行動にあらわれるサインとは
発語がまだ少なくても、他のかたちで気持ちを伝えようとする様子が見られることがあります。たとえば、欲しいものがあるときに親の手を引っぱる、嬉しいときににっこり笑う、困ったときに親の顔をじっと見るなど、そうした行動は子どもが人と関わろうとしている証です。
この時期には、言葉だけでなく、指差しやジェスチャーを使ってやりとりをしようとする姿がよく見られます。こうした非言語的なコミュニケーションが自然にできているのであれば、言葉の発達に向けた土台がしっかり育っていると考えられます。
泣き方を変えて気持ちを伝えようとしたり、好きなものを持ってきて見せたりすることも、立派なコミュニケーションのひとつです。発語の有無だけにとらわれず、「伝えたい」という気持ちをしっかり受けとめながら、あたたかく見守っていくことが大切です。
指差しなしでも関心を示す方法はある
指差しは言葉の発達において重要な指標とされていますが、指差しをしないからといって、すぐに問題があるとは限りません。指差しなしにこだわらず、好きな遊びや活動を通して「伝えたい!」という気持ちを引き出す経験を増やすことも重要です。
たとえば、好きなおもちゃに手を伸ばす、親が見せたものにじっと注目する、音がする方向に顔を向けるなど、関心の示し方はさまざまです。子どもがどのような形で興味や要求を表しているかを観察し、その表現を認めて応答してあげることが、コミュニケーション力を育てる第一歩になります。
発語なし指差しなしの原因を探る

発語なし、指差しなしの場合、その背景にはさまざまな理由が隠れていることがあります。何が影響しているのかを丁寧に探っていくことで、子どもに合った関わり方や支援のヒントが見えてきます。
言葉の刺激が足りない環境の影響
子どもの言葉の発達には、どれだけ言葉に触れる機会があるか、どんな刺激を受けているかが大きく関わってきます。たとえば、親子の会話や絵本の読み聞かせは、語彙を増やすうえでとても効果的です。
一方で、日常的に静かな環境で過ごしていたり、テレビやスマートフォンの視聴が中心になっていたりすると、言葉のやりとりが少なくなってしまうことがあります。言葉はただ「聞く」だけでなく、誰かとのやりとりの中でこそ育つのです。
また、家庭の中で会話の量が少なかったり、子どもの言葉を引き出すような関わりがあまりなかったりすると、自然と話す機会が減ってしまい、発達がゆっくりになることもあります。日々のやりとりの積み重ねが、言葉の成長を後押しします。
聴覚や発達の遅れが関係している場合
発語の遅れの背景には、聴覚の問題が隠れていることもあります。聴力の低下が気づかれず、発達障害と誤解されるケースも少なくありません。このような場合は、まず耳鼻咽喉科で聴力検査を受けてみることが大切です。
たとえば、呼びかけに反応しない、音への反応が鈍いといった様子が見られるときは、聴力に原因がある可能性があります。また、口まわりの筋肉が十分に発達しておらず、発音が難しいケースもあります。
原因はひとつに限らないことが多いため、いくつかの視点から丁寧に様子を見ていくことが大切です。
発達障害や知的障害との関係性

子どもに発語が見られないと、「発達障害ではないか」「知的障害があるのでは」と心配される方も少なくありません。たしかに、言葉の遅れが発達のサインとして現れることはあります。
ただし、発語の有無だけで障害かどうかを判断することはできません。ほかの発達の様子もあわせて見ながら、慎重に判断していくことが大切です。
発語の遅れが障害とは限らない理由
言葉の遅れがあるからといって、すぐに障害と結びつけて考えることはできません。判断には、言葉だけでなく、他の人との関わり方やコミュニケーションの育ちを一緒に見ることが大切です。
たとえば、視線が合う、一緒に遊ぼうとする、表情を読み取ろうとする様子があれば、対人関係の力が育っている可能性があります。その場合は、発語のタイミングがゆっくりなだけかもしれません。
発達障害の特徴が一部に見られても、必ずしも診断につながるとは限りません。子どもの発達には大きな幅があり、時間とともに語彙が増えていくケースも多く見られます。
知的障害と診断される割合はどのくらいあるのか
知的障害はおよそ100人に1人の割合とされていますが、これは全体的な統計であり、「2歳で発語がない子の割合の同じ」ということを示すものではありません。
3歳時点でレイトトーカーとされた子のうち、15〜20%が特異的言語発達障害に至ると考えられていますが、逆に言えば、8割以上の子はその後の成長で言葉が追いついていきます。
診断には、聴力検査や発達・知能検査などの専門的な評価が必要です。不安があるときは、自己判断せず、専門機関に相談してみることをおすすめします。
専門機関に相談すべきタイミング
「もう少し様子を見ていいのか」「早めに相談すべきなのか」と迷う方は多いと思います。ここでは、その判断の目安についてご紹介していきます。
様子を見ていいケースとは
以下のような特徴が見られる場合は、少し様子を見ながら、家庭での働きかけを続けてもよいでしょう。
●言葉は出ていないが、親の言っていることを理解はしている
●表情豊かで、喜怒哀楽がはっきりしている
●親や家族と目が合い、一緒に遊ぼうとする
●指差しや身振りで要求を伝えられる
●特定の音や言葉に反応する
このような場合は、子どもなりのペースで言葉をためている段階かもしれません。焦らず、日々のコミュニケーションを楽しみながら見守りましょう。
すぐに相談した方がよいサイン
一方で、次のようなサインが見られる場合は、早めに専門機関へ相談することを検討してください。
・1歳半を過ぎても単語が出ない
・2歳を過ぎても二語文が出ない
・呼んでも振り向かない
・目を合わせようとしない
・一人遊びが多く、周りにあまり関心を示さない
・同じ動きを繰り返す、強いこだわりがある
・音に対して極端に鈍い、または敏感すぎる
気になることがあっても、ひとりで抱え込まずに相談してみることが大切です。専門家の助言を受けることで、気持ちが軽くなり、より適切なサポートにつなげることができます。
相談先としては、かかりつけの小児科や保健センター、児童発達支援センターなどがあります。
家庭で言葉の発達を支える方法

専門機関に相談しながら、日常の中でできることにも目を向けてみましょう。特別な知識や道具がなくても、ちょっとした関わり方の工夫で、子どもの言葉を引き出す場面を増やすことができます。
声かけの工夫でコミュニケーションを育む
言葉を教えようと意識するよりも、日常の中で自然に話しかけることが言葉の発達には効果的です。
子どもが何かに興味を示したときは、「ワンワンいたね」「お花きれいだね」など、見ているものを言葉にしてあげましょう。指差しや声を出したときには、「そうだね、〇〇だね」と応えることで、「伝わった」という経験を積み重ねることができます。
話しかけるときは、短くてわかりやすい言葉をゆっくり、はっきり伝えることを意識してみてください。「りんご、おいしいね」「くつ、はこうね」といったシンプルな表現の方が、子どもにも伝わりやすくなります。
遊びながら自然に言葉を引き出す工夫
遊びの中で音やリズムを真似することで、子どもは声を出す楽しさを学びます。動物の鳴き声や「いないいないばあ」などが発語のきっかけになります。
以下のような遊びを取り入れてみてはいかがでしょうか。
●絵本の読み聞かせ(「これはなに?」と問いかけながら)
●手遊び歌(「グーチョキパー」「むすんでひらいて」など)
●ままごとやごっこ遊び(「どうぞ」「ありがとう」のやりとり)
●ボール遊び(「いくよ」「とれた!」の声かけ)
大切なのは、親子で楽しむことです。「言葉を教えなければ」と力まず、一緒に笑い合える時間を増やすことが、結果的に言葉の発達を促す土壌になります。
療育を検討する際のポイント
家庭で働きかけを続けても変化が見られないときや、専門家からすすめられた場合には、療育の利用を検討してみるのもひとつの方法です。
早めに療育を始めることで得られる変化とは?
早い段階で療育を含めた支援を始めることで、言葉だけでなく、社会性や自己表現の力が伸びていく可能性があります。
療育では、言語聴覚士や保育士などの専門家が、子どもの発達に合わせて支援を行います。遊びを通して言葉を引き出したり、コミュニケーションの練習をしたりと、楽しく学べるプログラムが用意されています。
また、保護者も専門家からアドバイスを受けることで、家庭での関わりに自信を持てるようになります。相談やペアレントトレーニングを活用することで、より具体的な対応方法を学ぶこともできます。
療育を始めるには、自治体の保健センターや福祉課などに相談し、通所受給者証の申請をします。受給者証があれば、一割負担(年少児から年長児は負担なし)で療育を受けることができます。自治体によって、2歳未満の子どもも自己負担なく療育をうけられるところもあるので、申請方法や負担額については、住んでいる市区町村の窓口に問い合わせるとよいでしょう。
受給者証の取り方については、詳しくはこちらをご覧ください。(受給者証の取り方 ~大阪市の児童発達支援事業所の利用まで~)
療育施設を選ぶときは、内容だけでなく、子どもとの相性や通いやすさも大切です。見学や体験を通して、安心して通える場所を見つけてみてください。
児童発達支援のステラ幼児教室では、随時見学を受け付けています。
一人ひとりに合わせた個別療育で、子どもの発達と成長をサポートします。
お気軽にご相談ください。
【まとめ】子どもの成長に寄り添うためにできること
2歳で発語がなくても、言葉を理解していたり、人と関わろうとする姿が見られたりすれば、過度に心配する必要はありません。言葉の発達には個人差が大きく、ゆっくり育つ子もたくさんいます。
一方で、呼びかけに反応しない、目が合いにくい、周囲への関心が薄いといった様子がある場合は、早めに専門機関へ相談してみてください。相談することで、子どもに合った関わり方が見えてくることもあります。
日常の声かけや遊びを通して言葉を育てつつ、必要に応じて療育などの支援も取り入れていきましょう。ひとりで悩みを抱え込まず、周囲の力も借りながら、子どものペースに合わせて見守っていくことが大切です。
子どもの言葉の遅れが不安なときは、ステラ幼児教室にご相談ください。
一人ひとりに合わせた個別療育で、子どもの発達と成長をサポートします。
ステラ幼児教室では随時見学受付中
名古屋市、大阪市に展開している児童発達支援事業所、ステラ幼児教室では随時見学を行っています。
一人ひとりに合わせたオーダーメイドの授業でお子さまの成長をサポートします。
お気軽にご相談ください。












