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【一歳半検診完全ガイド】当日の内容やチェック項目を解説

2025.10.30
  • 福祉制度・サービス

一歳半検診の案内が届くと、どのようなことを行うのか、子どもは落ち着いて受けられるだろうかと、少し気になる方も多いようです。
この記事では、一歳半検診の目的や内容、当日の流れ、チェック項目について詳しく整理しました。特にご質問の多い項目である指さしやイラストを使った確認、身体計測の流れなど、検診を安心して迎えるために知っておきたいポイントをわかりやすくまとめています。

一歳半検診とは?目的と内容の概要

一歳半検診は、子どもの成長や発達の状況を総合的に確認する大切な機会です。ここでは、検診の目的と実施時期について見ていきます。

一歳半検診の目的とチェック内容

一歳半検診は、乳幼児健康診査の中でも特に重要な節目とされている健診です。この時期の子どもは、歩行や言葉の理解、他者とのやり取りなど、心身の発達が大きく進む時期にあります。検診では、身体の成長だけでなく、言葉の理解や表現、運動機能、社会性など、複数の側面から発達の様子を確認します。こうした評価を通して、必要に応じて発達支援や専門的な相談につなげることが目的です。

また、育児に関する悩みや不安を共有し、支援者と一緒に考える場としての役割もあります。発達には個人差があるため、「他の子どもと比べてどうだろう」と感じる点があれば、遠慮せずに相談することで安心につながります。

一歳半検診を受ける時期

一歳半検診は、一般的に生後1歳6か月から1歳8か月頃に実施されます。実施時期や会場は自治体ごとに異なるため、案内通知に記載された日程を確認しておくことが大切です。

この頃の子どもは、よちよち歩きが安定してきたり、簡単な言葉を話し始めたりする時期です。ただし、発達の進み方には大きな個人差があります。言葉や動作の表れ方がゆっくりな子どももいれば、早い段階でいろいろなことができる子どももいます。他の子と比べて焦る必要はありません。それぞれの子どもがもつペースを尊重し、成長を見守る姿勢が何より大切です。

主にチェックする項目

一歳半検診では、子どもの身体面と発達面の両方から、さまざまな観点で成長の様子が確認されます。 ここでは、主にどのような項目がチェックされるのかを見ていきましょう。

体重や身長など身体測定の項目

身体測定では、体重・身長・頭囲・胸囲などを測定します。 これらの数値は、子どもの身体的な成長が順調に進んでいるかどうかを判断する大切な指標となります。 測定結果は成長曲線と照らし合わせ、標準的な範囲内にあるか、成長の傾向に問題がないかを確認します。

ただし、体格や成長のスピードには個人差があります。 平均値から多少外れていても、子どもなりのペースで成長曲線を描いていれば、ほとんどの場合は心配いりません。

当日は、服を脱いで測定を行うため、脱ぎ着しやすい服装にしておくとスムーズです。 体重は食事の直後や排泄の前後で少し変化するため、測定のタイミングによって数値にわずかな違いが出ることもありますが、それは自然なこととして受け止められています。

発達や行動に関するチェック項目

発達に関するチェックでは、運動面・言語面・社会性など、いくつかの側面から子どもの成長を確認します。

運動面では、ひとりで歩けるか、手をつないで階段を上がれるかといった基本的な動作を見ます。

言語面では、意味のある言葉をいくつか話せるか、簡単な指示を理解できるかなど、言葉の理解と表現の両面が確認されます。

社会性の面では、大人のまねをしたり、指さしで意思を伝えようとしたりといった、他者との関わりに関する行動が見られるかをチェックします。

これらの項目は、子どもの発達を総合的に把握するためのものであり、すべてができている必要はありません。 発達の進み方や得意なことは、本当に子どもそれぞれです。 検診のときに、うまくできないことがあっても、それだけで心配する必要はありません。 できること、まだこれからのこと―その子なりの歩みを知るきっかけになる場合もあります。 焦らず、今の姿をそのまま受け止めていくことが大切だと思います。

一歳半検診で使われるイラスト教材の内容


一歳半検診では、イラストが描かれた教材を用いて、子どもの言葉の理解度を確認します。どのような目的で使われ、どのような内容が含まれているのかを見ていきましょう。

イラストを使ったチェックの目的

イラスト教材は、子どもの言葉の理解や認識の力を確かめるために使われます。
一歳半ごろの子どもは、まだ言葉で十分に気持ちを伝えられないことも多いため、絵を通して理解の程度を確認することで、発達の様子をより正確に把握しやすくなります。

イラストを使ったチェックでは、日常生活の中で見慣れているものをどのくらい理解しているか、また、言葉と実物のイメージを結びつけられているかを確認します。こうした力は、言葉の発達やコミュニケーションの土台となる、とても大切な要素です。

イラスト教材によく使われる内容

一歳半検診で使われるイラストには、犬や猫、車、靴、コップ、リンゴなど、身の回りでよく目にするものが描かれています。
教材の種類は自治体によって少しずつ異なりますが、どれも子どもが親しみやすく、理解しやすい題材が中心です。

検診では、「わんわんはどれ」「くつはどれ」といった質問をし、子どもが該当するイラストを指差せるかどうかを確認します。すべての質問に答えられなくても問題はありません。検診の場に慣れるまでに時間がかかることもありますので、ゆったりした気持ちで臨むことが大切です。

また、普段から絵本やイラストを見る習慣があると、子どもが絵に親しみを持ち、検診でも自然に反応できる場合が多いようです。

一歳半検診の指差しチェックで見られるポイント


指差しは、この時期の子どものコミュニケーション能力を知るうえで、とても重要な行動のひとつです。ここでは、なぜ指差しが大切なのか、また指差しが見られない場合に考えられることを説明します。

指差しチェックがなぜ重要なのか

指差しは、子どもが「見てほしい」「伝えたい」という気持ちを表す、初期のコミュニケーション手段です。
一歳半ごろになると、興味のあるものを指さして大人に知らせたり、「わんわんはどれ?」と聞かれて正しい絵を指したりできるようになることが多いです。

このような行動は「応答の指差し」と呼ばれ、言葉の理解と表現をつなぐ大切なステップとされています。
検診では、子どもがイラストや実物を見て、指示されたものを指差せるかどうかを確認し、言葉の理解度やコミュニケーションへの関心を見ていきます。

指差しができない場合に考えられること

一歳半の段階で、まだ指差しが見られない子どもも少なくありません。それだけで発達の問題と判断されることはなく、多くの場合、もう少し時間をかけて育っていく途中にあります。

指差しが出にくい理由としては、人見知りや場所見知り、検診の雰囲気に緊張している、あるいはたまたま機嫌が悪いといった一時的な要因が考えられます。家庭では指差しをしていても、検診では見せないというケースも珍しくありません。

専門スタッフは、指差しの有無だけではなく、子どもの全体的な様子や他のやりとりの方法なども合わせて見ています。気になることがある場合は、日頃の家庭での様子を伝えることで、より正確な理解につながります。

一歳半検診にひっかかる原因とは

検診で子どもの発達や様子について指摘があると、どうしても心配になる方が多いかもしれません。けれども、これは必ずしも悪いことではありません。ここでは、「ひっかかる」とはどういう意味なのか、またどのような項目でそのような結果になることが多いのかについて説明します。

ひっかかるとはどういうことか

検診で指摘を受けると、検診にひっかかったと子どもの発達に不安を感じる方も多いようです。しかし、実際には必ずしも「何か問題があります」という意味ではなく、「もう少し時間をかけて様子を見ましょう」「必要に応じて詳しく確認してみましょう」という理解でよいでしょう。

経過観察や再検査となっても、成長とともに自然に発達が進んでいくこともあります。むしろ、早い段階で気づくことで、必要に応じたサポートを受けやすくなるという利点もあります。

ひっかかったからといって、必ずしも子どもに問題があるわけではありません。発達のスピードや伸び方にはそれぞれ個性があり、検診はあくまで「今の時点の様子を確認する機会」として捉えることが大切です。

ひっかかる主なチェック項目

検診で経過観察となることが多い項目には、言葉の発達、指差しなどのコミュニケーション、運動発達、そして体重の増加などがあります。

言葉の面では、まだ意味のある単語が出ていない、あるいは言葉の理解がゆっくりしている場合に、しばらく様子を見ましょうと伝えられることがあります。運動面では、まだひとり歩きが安定していないなどが挙げられます。

体重については、成長曲線から大きく外れている場合や、前回の検診から増加が少ないときに、食事や栄養バランスの確認が行われることがあります。
どの項目であっても、担当の専門職が丁寧に説明し、家庭での過ごし方の工夫やアドバイスをしてくれます。気になる点があるときは、ためらわずに相談してみることが大切です。

当日の流れと内容

では、検診当日はどのような流れで進むのでしょうか。ここでは、一般的な検査の順番や内容を紹介します。

問診と発達チェックの内容

まず行われることが多いのが問診です。
保健師や看護師が、事前に記入した問診票をもとに、子どもの生活リズムや発達の様子について話を聞きます。食事や睡眠、遊びの傾向、言葉や運動の発達など、幅広い項目について確認されます。

この問診では、家庭での気になることや育児に関する悩みを伝えることもできます。発達支援のきっかけとしても大切な時間です。

続いて発達チェックが行われます。積み木を積む、イラストを見て指差す、簡単な指示に反応するなど、子どもの行動を実際に見ながら確認します。検診の雰囲気はできるだけ穏やかに保たれており、子どもが安心して過ごせるよう配慮されています。

内科診察と歯科診察の内容

内科診察では、小児科医が全身の健康状態を確認します※3。胸の音を聴診器で聞いたり、お腹を触って内臓の様子を見たり、皮膚の状態を観察したりします。心臓や股関節などの異常がないかも合わせて確認します。

歯科診察では、歯科医師または歯科衛生士が、歯の生え方や虫歯の有無、噛み合わせなどを見ていきます。一歳半ごろは前歯が生えそろい、奥歯が顔を出し始める時期です。歯磨きの仕方や生活習慣についてもアドバイスを受けることができます。

診察のときには、子どもが泣いてしまうことも珍しくありません。無理に押さえつけるようなことはせず、できる範囲で確認を行いますので、安心して大丈夫です。

体重測定で気をつけるポイント

体重測定は、子どもの成長の様子を知るうえで大切な指標です。体重が少ない場合や多い場合、それぞれでどのような点に気をつければよいのかを見ていきましょう。

体重が少ない場合にチェックすべき項目

体重が成長曲線の下の方に位置している、または前回の検診から増え方がゆるやかという場合には、食事の内容や量、食べ方などについて確認されることがあります。

体重の増加がゆっくりでも、子どもが元気に遊び、活発に動いているようであれば、あまり心配する必要はありません。体格には個人差があり、小柄でも健康的に成長している子どもも多くいます。

ただし、体重が極端に少ない、または減少している場合は、栄養の摂り方や健康状態をより詳しく確認することが必要です。保健センターや栄養士による食事のアドバイスを受けることで、無理のない形で改善につなげることができます。

体重が多い場合にチェックすべき項目

体重が成長曲線の上の方にある場合でも、すぐに問題と考える必要はありません。両親の体格や体質の影響を受けて、自然と大きめに育つこともあります。

ただ、体重が急に増えている、あるいは運動量に対して食事量が多いと感じる場合には、食生活のバランスを見直すことが大切です。間食の回数や内容、ジュースなどの甘い飲み物をどのくらい摂っているかを確認することもあります。

体重の数値そのものよりも、日々の食事のバランスや体を動かす機会が確保できているかが大切です。必要に応じて専門家と相談しながら、子どもに合った生活リズムを整えていきましょう。

一歳半検診でひっかかった後の流れと対応

検診に「ひっかかった」とき、どのような流れで進むのか、またどこに相談すればよいのかを整理しておきましょう。

ひっかかった場合の相談先と対応方法

検診で経過観察が必要と判断された場合、多くの自治体では数か月後に再度確認の機会が設けられます。その間、保健師が電話や訪問で様子を聞いたり、育児相談を受け付けたりと、サポート体制が整えられています。

より専門的な支援が必要と判断されたときは、発達支援センターや療育機関、医療機関などを紹介されることがあります。これらの機関では、子どもの発達段階に合わせた支援を受けることができます。

また、ステラ幼児教室のような児童発達支援でも、子どもの発達や成長に合わせたプログラムや、保護者向けの相談を行っています。専門家と一緒に子どもの成長を見守ることで、安心して次のステップに進むことができます。

大切なのは、ひとりで悩みを抱え込まないことです。保健師や専門機関に相談しながら、必要な支援を受けることで、子どもの可能性を伸ばしていくことができます。

一歳半検診を安心して受けるために

一歳半検診は、子どもの成長を確認し、必要な支援につなげるための大切な機会です。
体重や身長の測定、指差しチェック、イラスト教材を使った発達の確認など、さまざまな方法で子どもの状態を評価します。

検診の内容には、言葉の理解や表現、運動能力、コミュニケーション能力など、この時期に重要な発達項目が含まれています。

検診当日は、子どもの普段の様子を正確に伝えられるよう、気になることをメモしておくと良いでしょう。また、他の子どもと比べて焦る必要はありません。一人ひとりが異なる個性と発達のペースを持っていることを忘れずに、リラックスして検診を受けていただくとよいでしょう。

もし検診で何か気になる点や不安があったときは、必要に応じて、専門機関に相談することもひとつの方法です。子どもに合った支援を受けることで、発達や成長をサポートしていくことができます。

ステラ幼児教室では一人ひとりの子どもの発達や成長に合わせて、個別療育支援を行っています。子どもの発達や成長について不安なことがあれば、いつでもお気軽にご相談ください。

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