手先が不器用・運動が苦手… 原因は3つの感覚のトラブル?支援方法は?
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・怠けているわけではないけれど、姿勢が保てない
・何度も経験しているはずなのに運動がなかなか上達しない
手先が不器用、運動が苦手と言われるお子さんたち。この子たちはどうして苦手なのでしょうか?
手先の不器用さや、運動の苦手さは、単純に一つの原因だけで説明できるものではありませんが、様々な要因の一つに、「気づきにくい感覚のトラブル」があるかもしれません。
日常生活の中で、姿勢や運動等をコントロールするためには、感覚が重要だと言われています。
一般的に『感覚』と言われると、五感(視覚・聴覚・触覚・嗅覚・味覚)を想像される方が多いかと思います。
これら五感はわかりやすい感覚とされています。
では、運動のために必要な気づきにくい感覚とはいったい何でしょう?
気づきにくい感覚とは
気づきにくい感覚は全部で三つあります。
触覚(表在感覚)
一つ目は、触覚(表在感覚)です。
五感にも含まれている感覚ですが、一部の感覚は気づきにくい感覚といわれています。
触覚を使って、触れたものが危険なものではないかを判断し、大きさ・形・素材がどんなものなのか、情報の整理をしていきます。
これらは意識的に行っているものではないため、うまく働かないと感覚に対して敏感になってしまうことがあります。
例えば、散髪や歯磨き、腕まくりを嫌がったりします。また、カバンの中に手を入れてクレヨン等を探すことが難しくなります。
固有覚(深部感覚)
二つ目は、固有覚(深部感覚)です。
固有覚は筋肉や関節の動きを調整していく感覚です。
高い所の物をとるとき、重いものを落とさないように運ぶとき、私たちは無意識にこの固有覚を働かせています。
これがうまく働かないと、細かな動きが難しく、動きが乱暴になってしまいます。
例えば、ドン!と物を乱暴に置いたり、コップにお茶を注ぐときにたくさんこぼれてしまったりします。
前庭覚(平衡感覚)
三つ目は、前庭覚(平衡感覚)です。
前庭覚はバランス感覚とも呼ばれ、身体の傾きや動きの速度を感じる感覚です。
これがうまく働かないと、転びやすかったり、姿勢の維持が難しく、だらしなく見えてしまったりすることがあります。
上記の三つの感覚がうまく働かないと、手先が不器用だったり、運動が苦手だったりと生活上の困難が生じやすくなることがあります。
では三つの感覚を育てていくためにどんなことをしていくと良いのでしょうか?
三つの感覚を育てよう
ステラ幼児教室では『感覚』の発達や、脳と情報を繋ぐ感覚を育てていくために、支援プログラムを参考に取り組みを進めています。
その中の一部を紹介させていただきます
触覚(表在感覚)を育てる
タッチングクイズ、粘土遊び、ブラックボックスを使った手探り遊び等
固有覚(深部感覚)を育てる
玉を動かす、重い物を持つ、ツイスターゲーム、手押し車、トンネルの中で動く等
前庭覚(平衡感覚)を育てる
回る・揺れる運動、トランポリン、シャボン玉を追う、ビジョントレーニング等
いずれも、お子さんが嫌がっている中行ったり、いきなり難易度の高い遊びに取り組んだりすると逆効果になることもありますので、お子さんと保護者さんのできる範囲で楽しみながら行っていくことをおすすめします。
苦手な運動、操作によって必要な力は様々ですが、基本となる三つの感覚を育てていくことで改善していけることもあります。
遊んでいく中でお子さんの苦手、得意を見つけ楽しみながら感覚を育てていけると良いですね。