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発達障害の検査方法

2017.10.01
  • 障害診断について
  • 発達検査・心理検査等

発達検査

乳幼児や小学生を対象に発達の度合いを様々な側面から評価、数値化し、今後の養育の役立てるための検査。

ウェクスラー式知能検査

1939年にデイヴィッド・ウェクスラーによって開発された知能検査であり、3歳10カ月から7歳1カ月を対象にした幼児用の「WPPSI(ウィプシー)」、5歳以上16歳以下を対象とした児童生徒用の「WISC(ウィスク)」、16歳から74歳以下を対象とした成人用の「WAIS(ウェイス)」があります。

共通して言えるのは、全検査IQ(FIQ)、言語性IQ(VIQ)、動作性IQ(PIQ)が下位検査により算出される点があげられます。
そもそもIQとは全般的な知識発達の水準を表すもので100を平均としています。

基準としてはIQ80~IQ120が平均内のレベル・IQ70~IQ79 境界線レベル・IQ69以下 軽度の遅れが認められるレベルと定められています。

言語性IQ(VIQ)とは、知識問題や類推問題などの問題の多くに言語を用いているテストを用いて算出される数値で、過去の学習経験を基にした判断力や習慣などの結晶性の知能に対する指標である。

反対に動作性IQ(PIQ)とは、積木問題や迷路など問題が非言語的なテストを用いて算出される数値で、新しい状況に対応するための流動性の知能に対する指標である。

WISC(ウィスク)とWAIS(ウェイス)については全検査IQ(FIQ)、言語性IQ(VIQ)、動作性IQ(PIQ)のみならず、さらに 以下のものも測定されます。

  • 言語理解指標(VCI)・・・語彙や知識、さらにそれらを用いた言語的な知識を評価します。
  • 知覚推理指標(PRI)・・・視覚的な情報を取り込み、前後関係や全体を推測する能力を評価します。
  • ワーキングメモリー指標(WMI)・・・聴覚的な情報を一時的に正確に記憶する能力を評価します。
  • 処理速度指標(PSI)・・・視覚的な情報を素早く認知し、事務的に数多く正確に処理する能力を評価します。

現在ステラではWISC-IVを採用しており、希望の方はステラの塾内で受けることができます。
WISC検査についてはこちらを参考にしてください。>>WISC検査について

ビネー式

1905年にフランスのビネーがシモンと協力して作った、世界で初めての知能検査です。
特徴は、問題が難易度順に並べてあり、どの程度まで正解できたかで精神年齢を求めることができます。
これを年齢で割って100倍すると知能指数(IQ)を求めることができます。

知能指数(IQ)=(精神年齢÷年齢)×100

日本ではこれを参考にした「田中・ビネー知能検査」がよく用いられます。
1937年に田中寛一が作成し、2歳から成人までを対象としています。

このテストでは以下の4つの項目別の知能指数を測ることができます。

  • 結晶性領域:普段の生活の経験から得られる知恵や判断力
  • 流動性領域:計算など情報を処理する力、また、新しいことを学習する知能や、新しい環境に適応するための問題解決能力
  • 記憶領域:一時的に何かを記憶する力
  • 論理推理領域:物事を筋道立てて考える力

K-ABC

以前は「日本版K-ABC」が使用されていたのですが、2013年に新版が刊行されてからは「日本版K-ABCⅡ」が使われるようになりました。
この改定により、対象年齢が2歳6カ月~12歳11ヶ月だったのが2歳6ヶ月~18歳11ヶ月になり対象となる児童が増えました。

試験時間は約30~120分です。

このテストでは認知処理能力だけでなく基礎的学力を個別で測定することができます。

これにより、両者の差異の様相と関連要因の分析ができ、支援・指導といった教育的な働きかけに直結する検査となっています。

幼児や障害のある子どもでも知的活動を公平に評価できるため、発達障害児の評価に有用です。

新版K式発達検査2001

1951年、原形である「K式乳幼児発達検査」が京都市児童院にて作成されました。
またその後1980年には「新版K式発達検査」が公刊され、2001年には最新版の「新版K式発達検査2001」となりました。

0歳児から成人までを対象としており、検査時間は30分程度です。

乳幼児や児童の発達の状態を精神活動の様々な面からとらえるように作成されています。
検査キットを用いて発達の精密な観察を行い、精神発達の様々な面において進みや遅れ、バランスの崩れなど発達の全体像をとらえるための検査です。

「姿勢・運動」、「認知・適応」、「言語・社会」の3つの領域で評価されますが、3歳以上の子どもでは主に「認知・適応」「言語・社会」に重点を置いて評価されます。

結果は生活年齢と発達年齢を用いて発達指数として算出されます。

性格検査

人柄や性格、また過去にあったトラウマとなっていることを把握する検査。

ロールシャッハテスト

1921年にスイスのヘルマンロールシャッハによって考案されました。
検査内容は被験者にほぼ左右対称のインクをたらしたようなシミのついたカードを見せ、それから何を連想するか、またどこがそう見えたのか等をヒアリングし、その結果から被験者の性格を分析しようというものです。

被験者にとってどのような回答をしたらどのような結果につながるかが想像しがたいため、結果を意識的に良くしようとすることが困難です。そのため、無意識な状態の心理分析が可能となります。

実際にこのテストは教員採用試験や航空大学の二次試験にも取り入れられています。

しかしながら、難点としては回答の分析には高度な技術が必要なため効率が悪い。
また、一部ではこのテストの科学的な妥当性を疑問視する声もあります。

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