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発達障害と音楽療法

2018.03.26
  • 発達障害の療法

音楽療法の技法

音楽療法は、活動の内容や参加する人数によって、いくつかに分けられます。

  • 能動的音楽療法
    能動的音楽療法とは、音楽療法を受ける側の人が、積極的に音楽活動を行います。歌をうたう、楽器を演奏する、作詞や作曲をしてみる、などが取り入れられます。緊張や不安の緩和、はじめてのことがらへの興味や活動性の向上など、目的に応じてプログラムを設定します。
  • 受動的音楽療法
    対象となる人に音楽を聞かせることが中心の療法です。聞かせるだけとはいっても、対象となる人の何らかの反応を目的に行います。思い出の曲や、好きそうなリズムの音楽などを取り入れることもあります。
    身体に障害がある人や、情緒的に不安定な人など、さまざまな人に用いることが可能で、緊張や不安の緩和のほか、能動的な表出を引き出すことが期待されます。
  • 個人音楽療法
    マンツーマンで行う音楽療法です。集団では不安が強くなる人も、個々の対応では潜在する力が発揮できることがあります。個々のニーズに合わせた細やかな対応を行うことができます。
  • 集団音楽療法
    数人から数十人の規模まで、さまざまな人数で行います。集団であることで、互いに影響し合い、社会性や協調性を引き出すことも目的のひとつです。
  • リトミックを活用した音楽療法
    リトミックを音楽療法と考えている人もいるかもしれませんが、リトミックと音楽療法は別のものです。
    リトミックは、リズム運動を通じて、子どもの情操や音感、知的能力などを高め、豊かな人格形成を目指す音楽教育方法です。音楽療法は治療ですが、リトミックの考え方を取り入れることがあります。

能動的音楽療法と個人音楽療法を組み合わせたり、まずは受動的音楽活動を行ってから能動的音楽療法に移行するなど、各音楽療法は、対象となる人のニーズを分析し、目的に応じて組み合わせて行われます。

こんな問題を抱えている人に効果がある

音楽療法の対象は、乳幼児から高齢者まで幅広い年代に渡ります。たとえば、高齢者では認知症による不安定な精神状態や行動などの緩和を目的にして行われています。

子どもでは、発達の促進やコミュニケーションのちからを育むことを目的にして行われます。知的障害、肢体不自由、自閉症スペクトラムやADHDなど、さまざまな障害のある子どもは、その特性や、経験の未熟さから、人との関わり方に難しさや不安感を抱えやすいことがあります。また、初めての場所や、ことがらに強い不安感を抱える子もいるでしょう。

音楽療法では、音楽を通じて、人とのやりとりや、集団での活動を行っていきます。そして、人との関係性を広げると共に、新しいことがらへチャレンジするきっかけを与えていくことになるでしょう。

また、音楽は、障害の有無にかかわらず、場を共有しあえる機会を提供できます。たとえば、音楽療法を通して、子どもと高齢者、障害のある人とない人が同じ時間を楽しむことができれば、お互いが理解し合うことにつながります。地域で生きる人同士のつながりは、子どもたちの未来へもつながります。

どこで受けられる?

音楽療法は、医療機関や高齢者施設、児童福祉施設、教育施設、児童発達支援施設などで実施されることが多いようです。

しかし、現在の日本では音楽療法士の資格は、いくつかの団体が民間資格として認定している段階です。非常勤での勤務も多く、音楽療法が受けられるかどうかは施設の方針によるところがあります。音楽療法士を認定している各団体に、会員の所属している施設を問い合わせてみても良いでしょう。

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