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スペクトラムの意味と考え方~自閉スペクトラム症について知ろう~

2025.01.30
  • 発達障害
  • ASD(自閉症スペクトラム)

自閉スペクトラム症(ASD)は、近年、広く認識されつつあります。しかし、具体的にどのような症状があり、どう対応すべきかを理解している人はまだ少ないかもしれません。特に「スペクトラム」という言葉がどんな意味を持つのか、またその考え方について説明することは、自閉スペクトラム症を理解する上で非常に大切です。今回はその意味を中心に、自閉スペクトラム症に関する基本的な知識をお伝えします。

自閉スペクトラム症とは

自閉スペクトラム症(Autism Spectrum Disorder, ASD)は、発達障害の一つです。この障害は、社会的な相互作用やコミュニケーションに関する問題、そして特定の行動や興味の偏りが見られることが特徴です。自閉スペクトラム症は、個々の発達の特徴や支援の必要性が異なるため、同じ「自閉症」という診断名でも、その症状や関わり方は一人ひとり異なります

スペクトラムの意味

「スペクトラム」という言葉は、「範囲」や「連続した段階」という意味があります。自閉スペクトラム症においては、障害の程度や表れ方が人それぞれで、軽度から重度まで幅広い状態があるという考え方を示しています。つまり、同じ自閉スペクトラム症と診断されても、個々の症状や困難は異なるため、支援や治療の方法も一人一人に合ったものが必要です。

自閉スペクトラム症の考え方

自閉スペクトラム症を理解するためには、障害の程度にとらわれず、個々の子どもや大人の特性やニーズに寄り添ったアプローチが大切です。例えば、ある子どもは言葉の発達に遅れがあるかもしれませんが、別の子どもは非常に優れた記憶力や数学的能力を持っているかもしれません。このように、自閉スペクトラム症は一つの特性や症状にとらわれず、広い視点で捉えることが重要です。

自閉症やアスペルガー症候群や広汎性発達障害との違い

かつては自閉症やアスペルガー症候群、広汎性発達障害(PDD)などの異なる診断名が使われていましたが、現在ではこれらをすべて「自閉スペクトラム症」という一つのカテゴリーにまとめることが一般的です。アスペルガー症候群は、知的発達に遅れがない自閉症の一つとして理解されていましたが、現在では知的発達に関わらず、社会的な困難や行動の特異性を持つすべてのケースを「自閉スペクトラム症」として扱います。広汎性発達障害も、もはや個別の診断名ではなく、広義のASDに含まれることになりました。

★アスペルガー症候群については詳しくはこちら

自閉スペクトラム症の特徴

自閉スペクトラム症の特徴としては、以下の点が挙げられます。

・社会的な相互作用の困難:他者とのコミュニケーションが苦手で、目を合わせたり、会話をしたりすることが難しい場合があります。
・言語・コミュニケーションの遅れ:言葉の使い方に遅れがあったり、会話が一方通行になったりすることがあります。
・特定の行動や興味の偏り:一部の子どもは、特定の物や活動に強い興味を持ち、それにこだわりを見せることがあります。また、同じ行動を繰り返すことがよくあります。

ADHDやLDとの関わり

自閉スペクトラム症は、ADHD(注意欠陥・多動性障害)やLD(学習障害)と併発することもあります。例えば、ADHDを持つ子どもは集中力の維持が難しく、衝動的な行動が多く見られる一方で、自閉スペクトラム症の特性も併せ持つ場合があるため、診断や支援方法において注意深い理解が求められます。

★LDについて詳しくはこちら
★ADHDについて詳しくはこちら

自閉スペクトラム症の子どもへの関わり方

自閉スペクトラム症の子どもに対しては、個々の特性に合わせた支援が不可欠です。例えば、視覚的なサポートが有効な子どもには、絵カードやスケジュール表を活用して日常の流れをわかりやすく示したり、コミュニケーションが苦手な子どもには、会話ややりとりの練習やソーシャルスキルを身につけるための訓練を行ったりします。また、感覚の過敏さや鈍感さを理解し、子どもが安心して過ごせる環境作りも大切です。
専門的な支援が必要な場合、児童発達支援などのサービスを活用することも有効です。自閉スペクトラム症の子どもたちが、自分のペースで学び、成長するためのサポートを提供してくれる場所がたくさんあります。適切な支援を受けることで、子どもは社会に適応しやすくなり、将来にわたって自立する力を育むことができます。

まとめ

自閉スペクトラム症(ASD)は、発達の個人差が大きい障害であり、症状の表れ方は人それぞれ異なります。「スペクトラム」という言葉の意味は、この障害が軽度から重度まで多様であることを示しています。自閉スペクトラム症を理解し、適切な支援を提供するためには、その特性をしっかりと把握し、個別に対応することが重要です。
もし、自閉スペクトラム症の子どもへの支援が必要だと感じた場合、児童発達支援などの専門的なサービスを受けることも一つの方法です。

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