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発達障害と薬物療法

2018.04.12
  • 発達障害の療法

発達障害の主な薬

ここでは、特に・ASD(自閉症スペクトラム)やADHD(注意欠如多動性障害)の方によく用いられている薬について紹介します。

  • リスパダール・エビリファイ
    見通しがたたない場面など不安が強いとき、思い通りにならないときなどにみられる強いかんしゃくや自傷行為の緩和に対して用いられます。
  • コンサータ
    不注意や多動性、衝動性に対して用いられる薬として、日本で初めて認可された薬です。速効性のある薬です。
  • ストラテラ
    不注意や多動性、衝動性に対して用いられます。コンサータほどの速効性はなく、約2週間で症状の改善がみられるようになり、数週間で効果が安定するといわれています。
  • インチュニブ
    元々は高血圧の薬ですが、不注意や多動性、衝動性に対しても2017年5月に認可された薬です。ストラテラよりやや早く、約1週間で症状の改善がみられるようになるといわれています。

こんな問題を抱えている人に効果がある

薬物療法は、乳幼児から高齢者まで幅広い年代に対して、さまざまな病気や症状に対して行われていますが、ここでは、発達障害の児童・思春期(小学生〜中学生対象)の子どもについて取り上げていきます。

ASD(自閉症スペクトラム)やADHD(注意欠如多動性障害)

ASD(自閉症スペクトラム)やADHD(注意欠如多動性障害)といった発達障害では、いずれも、脳内の伝達物質がうまく働いていないことが原因と考えられています。そのため、状態に合わせて神経伝達物質のバランスを整える薬が処方されることがあります。

いずれも自閉症スペクトラムやADHDを治すためのものではありません。自閉症スペクトラムではかんしゃくや、こだわり、不注意、睡眠障害などを軽減すること、また、ADHDでも、不注意や衝動性、多動性を緩和させることが目的となるでしょう。生活リズムを整え、行動や気持ちの切り替えがしやすくなったり、学習への集中が高まったりすることで本人の成功体験を増やすことが期待されます。

うつ状態や不安障害などの二次障害予防のため

うつ状態は児童・思春期でもあらわれることがあります。そのきっかけは様々ですが、発達障害の子どもは失敗経験が重なりやすく、二次的な障害としてうつ状態や不安が強くなることがあります。

意欲がなくなる、思考力が低下する、怒りっぽくなる、自己肯定感が低下する、学校に通えなくなるなど、生活や学習に影響を与える症状があらわれます。薬物療法は、うつ状態や、起因となる発達障害の特性を緩和し、生活リズムを整え、学習や生活の中での達成感が積み重なりやすくなることが目的となるでしょう。

薬は人によって合う合わないがありますし、副作用に注意しなければならないものもあります。合わないときはどういった症状が現れるかといった点や、万が一のときはどのように対応したら良いかまで確認しておきましょう。
医師が診察で会える時間はわずかであるため、家庭で気になったことは些細なことでも質問したり伝えたりすることが大切です。

どこで受けられる

本人の病気や症状に合った薬物療法は、病院やクリニックで医師の処方によって受けられます。中でも子どもの発達障害に関しては、児童精神科のほか、発達外来などを設けている小児科や、地域の発達相談を担っている医療機関で相談してみると良いでしょう。

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