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自閉症の特異な世界・杉山登志郎著「発達障害の豊かな世界」を読んで

2018.11.1
  • 児童発達支援
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こんにちは。名古屋市・豊田市の発達障害専門の個別指導塾・児童発達支援のステラ幼児教室・個別支援塾です。

本日は書籍のご紹介をしたいと思います。
私の自閉症に関するあらゆる概念を書き換えた貴重な1冊です。

自閉症の特異な世界を考察する

定型発達の世界ではありえないことが、自閉症の内的世界で起こることはある程度理解をしていたつもりでした。しかし、私が今まで理解できていると思っていたことは、あくまでもこちらの都合で作り上げられた「○○だろう」という世界であり、本当のところは何も分かっていませんでした。言葉を持たない自閉症の内的世界を知ることは困難で、それを理解したなんてたやすく言えることではないとこの本に教えられました。

ではその世界はどんな感じなのでしょうか。

  • 身の回りにあふれる光、匂い、音、などを正常に分断することが困難なため、過剰な光のはん濫や、耐え難い騒音、異臭に苛まれる。
  • 動物や虫などの生き物は動きを予測する事が難しく、見通しが立てられないので襲ってくるのではないかという恐怖心に襲われる。
  • 感覚のズレにより、皮膚の中にあたかもものが入り込んだように感じたり、自分の体でも自分の体ではないかのように感じ、まるで体が粉々にされてしまうように感じる。

など、なんとも怖い世界です。彼らは、このようなことがまるで現実の世界で起こっているように感じています。
私たちにとって、彼らの内的世界を言葉では理解することができても、共感することは難しいと思います。しかし、この部分を理解することは、非常に大切だとこの本を読んで感じました。

 

自閉症療育における想起パニック

私がこの書籍で一番強く印象に残り深く考えさせられたことが、自閉症に頻繁に起こる「想起パニック(突発的な感情的表出)」についてです。

自閉症の世界では絶えず「現在」と「過去」が二重写しになっている可能性があるということを知りました

例えば会話ができる子でも「現在の出来事」が「過去の出来事」に横滑りをしてしまい、急にパニックを起こしてしまうことがあります。また、突然奇妙な表情をするので、聞いてみると「今、嫌なことを言って家族が不快な顔をしたことを思い出した」というように、ある体験がフラッシュバックすることで、その時の家族の表情が蘇るということがあります。これは突然無意味な言葉を連呼する言語性チックのように、言葉ではなく表情という視覚的イメージによって再現された例です。

 

自閉症では時間の感覚の違いから、青年でありながら自分は3歳と主張することや、非常に激しい自己嫌悪、自己同一性の障害を訴えることがあります。

 

また、自閉症の敏感性を無視した強引な療育によって10年以上経た青年期に、高確率で想起パニックが生じているという事実は、療育に携わっている者としては衝撃的でした。その時は副作用がなく成果を上げていたとしても、数年後に想起パニックという形で重篤な副作用を生じるという事実は、早期療育を安易に考えず、慎重に実施していく必要があることを示しています。

 

想起パニックが起こる原因を知ることは、自閉症の世界を理解することに繋がります。

本書には杉山医師が関わってきた多くの事例が載っていて、薬物治療の重要性も分かりやすく解説してあります。ぜひ読んでいただきたい1冊です。

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